アメリカ:米国航空宇宙研究所と共に、子ども向けオンライン学習プラットフォームを提供
LunaSustainの画面イメージ URL:https://lunasustain.nianet.org/
アメリカのパナソニック財団は、米国航空宇宙研究所(NIA)および米国航空宇宙局(NASA)と連携し、2024年10月より中学生向けのオンライン学習プラットフォーム「LunaSustain」の提供を開始しました。
現在は、アメリカの27州で利用され、インド、スリランカ、中国、トルコ、ナイジェリア、ハンガリー、ブラジル、ボリビアの8か国にも活用が広がり、これまで約29万5千人の生徒たちが「世界に貢献する方法」を楽しく学びました。
LunaSustainとは?
この学習プラットフォームは、同財団の資金提供により、NIAとbully! Entertainment(AR・AI技術を活用した体験型コンテンツ開発企業)が設計し、NASAと連携して開発されたものです。
本学習プラットフォームでは生徒たちが「課題解決者」として、5つの目的地(地球、国際宇宙ステーション、オリオン宇宙船、月周回宇宙ステーション、月)を旅しながら、持続可能性をテーマにしたアクティビティに挑戦します。例えば、2つ目の「国際宇宙ステーション」では、「水の利用」について考えます。
地球では、一人あたり平均80~100ガロン(約300~ ~380リットル)の水を毎日使っていますが、宇宙で宇宙飛行士が使うのは、たった1ガロン(約4リットル)です。このようにどうしたら地球に暮らす私たちにも節水できるかを動画やワークシートなどを活用しながら考えていきます。
これらのアクティビティでは、物事を客観的に捉え理解を深めながら、本質を見極めて判断する力(批判的思考力)や、枠にとらわれず自由な発想で新しい視点やアイデアを生み出す力(創造的思考力)を使って、持続可能性を新たな視点で捉えることが奨励されており、そのことを通じてSTEMスキルが育まれます。
LunaSustainで提供される動画やワークシート(一例)
学校や放課後プログラム、博物館、科学センター、専門教育機関などで幅広く活用
LunaSustainは、主に教師などインストラクターの指導を受けて、グループで使われることが多く、活用事例をまとめた指導者ガイドも開発され、学校や放課後プログラム、博物館、科学センター、専門教育機関などで幅広く活用されています。中でも、NIAでは、教官になるための主要なトレーニングプログラムの1つとしてすでに組み込まれており、今後何年にもわたり活用されていく予定です。
また、LunaSustainを授業に取り入れているニューヨークの教員は次のように述べています。
「私は中学校の理科教員です。1年生では物理科学を、2年生では生物科学を教えていますが、LunaSustainには両方の教科に関連するアクティビティがあり、双方がどのように影響しあっているかを学ぶことができます。生徒たちは、アクティビティを通じて、科学と現実世界との関連性に気づき、持続可能性を考える上で、科学がいかに重要であるかを理解することができます。」
パナソニック財団は 今後もSTEM教育への公平なアクセスを通じて、 教育格差の解消に取り組んでいきます。
<関連リンク>
LunaSustain 立上げに関する記事(英語)
パナソニック財団について(英語)
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