「FACE」 ~従業員による社会貢献活動を紹介~ (AP社)
「FACE」では、社会貢献活動に参加する従業員を紹介しています。
今回は、アプライアンス社の中野隆弘さんです。
中野さんは、現在、日本ボーイスカウト滋賀連盟大津第4団に所属。小学校3年生から参加し、1988年からの約32年間は指導者として青少年の育成に尽力されています。
<プロフィール>
パナソニック株式会社 アプライアンス社
施設・環境保全での仕事に従事。
「共存の森」の維持、管理も兼任。
生物多様性保全取り組みで「ABINC優秀賞」(※)を受賞
趣味は魚釣り、バイク
※ABINC(いきもの共生事業推進協議会)
生物多様性保全の取り組みを評価する外部認証機関
★活動は自己研鑽のつもりで。その結果、人の役に立てれば嬉しい!
Q ボーイスカウトに参加したきっかけは何だったんですか?
中野さん:小学校3年の時に、近所のお兄ちゃんがたくさん入っていて制服が「かっこええ~」と思って入りました。当時ボーイスカウトはすごいブームだったんです。親に聞くと落ち着きのない子どもだったみたいです。(笑)
Q 活動に参加して何かご自身が変わったと思うことはありましたか?
中野さん:ボーイスカウトに対しては、「慈善団体」や「サバイバル教育」といった印象をお持ちの方が多いのですが、実際は「教育団体」で、青少年が奉仕活動や野外活動を通じて社会に出るまでに身につけてほしいことを学ぶお手伝いをしています。
私自身はボーイスカウトに入り、物事を深く考えるようになったように感じています。それは、例えば子どもたちと接する中で、彼らが素直な気持ちで質問したり聞いてきたりすると、逆に「あっ、そうなのか」と新しい気づきがあり、物事を違う視点でとらえたりすることができたりするからです。大人が相手の時でも、怒っている人やイライラしている人がいたら、その背景にどんな理由があるのか相手の立場で深く考える癖がつきました。
またボーイスカウトでは、何か物事を進める際に、「僕はこれができます!」と積極的に手を挙げることが重要です。それも社会に出てから役に立ちました。皆で力を合わせてやれる方法をいろいろ考え、やり抜くという力も身についたと思います。
Q 活動で苦労していることは何ですか?
中野さん:苦労というのはあまり感じたことはありません。ただボーイスカウト以外にも地域の活動に参加しているため、スケジュール調整が複雑になるのが悩みですかね。例えば地元の福祉協会から子どもたちを対象に防災をテーマにした講演の依頼が来たり、地元の小学校の川についての学習のお手伝いをしたりなど、多岐にわたっています。
Q 活動に対して周囲の反応はどうですか?
中野さん:私のボーイスカウトの活動については、職場の皆さんにも知ってもらっています。ですので、阪神淡路大震災の時も、上司にボランティアに行きたいことを打ち明けたら、「行ってこい!」と言ってもらえました。「お前やったらいける。がんばってこい」と。この時は自身のボーイスカウトでの経験がとても役に立ちました。
そんなふうに皆さんの理解があってやらせてもらっていると思っています。(所属する部署がAP社の環境活動や社会貢献活動促進を担っているという点も、職場の皆さんに理解してもらいやすい理由なのだと思います。)
Q 社会貢献活動をやってよかったと思うことは何ですか。
中野さん:子どもたちの人生の一部分に、自分も関わらせてもらえるのが嬉しいし、楽しいです。ボーイスカウトで指導した子どもたちが大人になって結婚して子どもを育てていたり、いろんな仕事に就いて元気で頑張っている話しを聞くと頼もしく感じます。実は私自身は社会に貢献するためにこの活動をしているわけではなく、自己研鑽のつもりで活動を続けています。ですがその結果、人の役に立っていれば、それほど嬉しいことはありません。
【編集後記】NASAの宇宙飛行士に選ばれた人の約3分2がボーイスカウトの活動経験者という統計がありますが、中野さんの取材で、ボーイスカウトの活動が自主性やリーダーシップ、冒険心などを養うとお聞きし、その理由がわかりました。中野さんにとっては、社会貢献というより今でも自己研鑽の場であるのでしょう。(小倉)