くるまの保険のコラム

~冬のスリップ事故による賠償額~ 自動車がスリップして標識やガードレールを壊したら

目次

    【こんなにかかる!?】
    自動車のスリップ事故で“アレ”を壊したら?

    気温が下がり、路面凍結が多くなるこの時期は、ドライバーにとってスリップ事故の季節とも言えます。ひとたびスリップすると、歩行者を死傷させたり車そのものを破損する可能性があるのはもちろん、衝突した先の設備を破損してしまうことも。今回は、標識やガードレールなどを破損した場合にかかる賠償額の目安について調べてみました。

    標識やガードレールはいくら?

    実は、標識は土木工事用品などを販売する企業がインターネット通販などで販売しており、標識やガードレールなどの価格がわかります。さっそく、見ていきましょう。

    標識、カーブミラーは数千円~十数万円

    アルミ板などのシンプルな標識は数千円~1万円台で販売されています。ただし、最近よく見られる反射素材が使われた標識などは、さらに高額になります。また、カーブミラーはアクリル素材だと1枚1万円台から販売されていますが、ステンレス素材だとその数倍もの価格になり、ミラーが複数あるものでは十数万円になるものもあります。

    ガードレールは規格や長さで値段が変わる

    ガードレールは1m数千円程度と比較的低価格のものから高額なものまで多彩なバリエーションがあります。
    まず、ガードレールは強度によって7種類の規格が定められています。また、ビーム(波状の板)、パイプ、ワイヤーなどといった形状や、連結されているガードレールなどもあります。ぶつかってしまった部分以外にも影響が及ぶ場合には、併せて取り換える必要が出てくることがあります。
    また、道路に埋め込むか、コンクリートの重しをつけるかといった設置方法によっても価格が変わります。

    ここまで紹介したのはいずれもモノ自体の価格です。設置費用は含まれませんので、別途、設置工事の費用がかかってきます。

    3色の信号機は約470万円!

    信号機の本体価格と設置工事を含めた費用はいわゆる点滅の赤信号や黄信号だけを示す「一灯式信号機」でも約100万円。標識と比べるとかなり高額に思えますが、信号点灯のための電気設備、例えば電柱などの価格や、設置に関する人件費も含むと考えると納得できます。
    一般的な青・黄・赤の点灯を繰り返す「定周期信号機」の場合、本体価格と設置工事を含めた費用は約470万円。しかも、交通量に応じて機能する信号機や矢印式信号機などの場合はより高額になります。一方、「押しボタン式信号機」の本体価格と設置工事を含めた費用は約270万円。信号の機能の複雑さなどによって、ずいぶん価格が違ってくるのです。

    車も設備も守りたい!スリップ事故にそなえるには

    スリップ事故を意識して、万が一の時にかかる費用をあらかじめ知っておくことに加え大切なことは、やはりスリップ事故自体を起こさないよう日頃から十分注意すること。冬用タイヤの装着やタイヤチェーンを常備することは一般的に知られていますが、それ以外にもそなえておきたい点があります。スリップ事故防止のためにおさえておきたいポイントをみていきましょう。

    1.凍結しやすい場所を意識

    雪が降るほど冷えこむときはもちろんですが、そうでなくてもピンポイントで凍結しやすい場所があります。路面が冷えやすい橋の上、雪などが吹き込みやすいトンネルの出入り口、山間部などで長時間日陰になるところ、山や丘陵を切り開いた切り通しの道などです。天候の影響を受けないトンネルの中でも、車両が落とした雪などが凍結することがありますから、油断は禁物です。

    2.深夜から明け方の運転に注意

    気温の下がる深夜から明け方の時間帯は、路面も凍結しやすくなります。日の出前で視界が悪く、凍結しているかどうか見分けにくく危険です。

    3.ひらけた道での地吹雪に注意

    道路の周囲に建物や雑木林などがないような道では、積雪時に、強風が雪を巻き上げる地吹雪が起こり、視界が悪くなることがあります。路面が凍結していることに気付きにくくなるのでスピードを落として慎重に走行しましょう。

    4.車間距離をしっかり取って雪煙を回避

    積雪していると、前を走る車や対向車が上げる雪煙でも視界が悪くなることがあります。まずは車間距離を十分に取って、もし雪煙に巻き込まれた場合はハンドルを取られないようしっかりと握り直しましょう。急ブレーキはスリップの原因になりかねないので、避けるようにします。

    標識、ガードレール、信号機の設置は高額になります。スリップ事故には保険への加入でそなえることも大事ですが、まずは事故を起こさないように、凍結しやすい場所や時間帯をチェックしておくことが重要です。リスクにしっかりそなえて、冬のドライブを楽しみましょう。

    【参考】

    • 秋田県警 Q&Aコーナー

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