新築住宅を建てる前に必ず知っておきたい家を建てるときに必要な費用
土地や建物など、大きな費用がかかる家づくり。費用は、その家が新築なのか中古なのか、マンションなのか一戸建てなのかなどによっても大きな違いが生じます。
そこで、後悔しない家づくりのために知っておきたいお金についてご説明します。
家づくりにかかる費用とは?
家を新築、もしくは購入やリフォームしたいと考えている場合、工事費用だけを気にしてはいませんか?
新築や家の購入には、工事費用のほかに家具や家電などの購入費用も必要になります。こうした費用も見込んで資金計画を立てておくことが大切です。
工事費用やその他の費用などで、家づくりに必要な費用項目は、大きく以下の3つに分類することができます。
- 本体工事費
- 別途工事費
- 諸費用
本体工事費
家づくりに必要な費用のうち、約7割を占めるのが「本体工事」です。
本体工事費は、その名の通り「建物本体にかかる工事費用のこと」です。
以下は、よくみられる本体工事の内容です。
仮設工事費用
工事に必要な足場を組むことや、工事用の仮設電気や仮設トイレなどの設置を行うのに必要な費用です。
基礎工事費用
家の基礎部分の工事を行うための費用です。
建物全体を支えるための最も重要な部分の一つでもあります。
木工事費用
柱や壁などの材料加工や組み立てをおこなうための費用です。
屋根・板金工事費用
屋根部分の工事に必要な費用です。
屋根葺き工事や雨とい、水切りなどの取り付けも行います。
外装工事費用
サイディングやモルタル下地塗り壁など外壁の工事を行います。
サッシ・ガラス工事費用
外に面した窓の取り付け工事です。防水工事なども合わせて行います。
タイル左官工事費用
玄関、洗面所、お風呂場、キッチンなどのタイル貼りを行います。
内装の塗り壁など左官による工事費用もここに含まれます。
断熱工事費用
床や壁、屋根などに断熱材を取り付ける工事です。
建具工事費用
ドアや障子などの木製建具の商品代や製作代、取り付けにかかる費用です。
金物工事費用
ドアノブやフック、階段や廊下の手すりなどの加工や取り付けを行います。
電気・水道工事費用
電線や電話線、水道管などの配線や配管工事を行います。
空調工事費用
24時間換気に必要な換気口や換気ダクトの設置などの工事を行います。
防腐・防蟻工事費用
材木や構造材を腐らないようにするための薬剤塗布を行います。
内装仕上げ工事費用
クロス貼りなどの装飾工事を行います。
住宅機器設備工事費用
トイレやお風呂、キッチンなどの設備代と取り付ける工事を行う費用です。
別途工事費
別途工事費用は「付帯工事費用」とも呼ばれます。
家づくりに必要な費用の約2~3割程度が、この別途工事費用に割り当てられます。
家を建てる土地の状態や周辺環境によって必要金額が大きく異なるため、しっかりと確認しておきましょう。
解体工事費用
もともと住んでいた家を壊して新しく建て直す場合や、その土地の古い建物を解体する作業を行う場合に発生する費用です。
地盤調査費用
その土地の地盤を調査するための費用です。
地盤改良工事費用
その土地が軟弱地盤などであった場合、家の荷重などを考慮して家を建てられる状態にする改良工事です。
優良地盤であった場合は、改良工事の必要はありません。
引き込み工事費用
高台や道路から離れているような土地では、近くまで水道管やガス管が届いてない場合があります。
こうした場合に引き込み工事を行う必要があります。
敷設工事費用
土地内に引き込んだ水道管などを家の内部に引き入れるための工事です。
外構工事費用
駐車場や玄関前、家周りの門扉や塀、フェンスや敷石などの工事を行います。
造園工事費用
庭木や石垣など、庭の造園工事を行う際に必要となります。
屋外電気工事費用
屋外に照明などを設置する場合に必要となります。
特殊設備工事費用
太陽光や蓄電設備などを取り付ける場合に必要な追加工事となります。
空調設備工事費用
エアコン本体の取り付けや室外機などの取り付け工事を行います。
照明器具工事費用
シーリングライト、ペンダントライトなど、室内の照明器具の設置工事を行います。
カーテン工事費用
カーテンポールやカーテン、ブラインドなどの購入と取り付け作業を行います。
設計料
一連のデザインやプランを設計事務所に依頼した場合に発生する費用です。住宅メーカーでも必要な場合があります。
諸費用
諸費用は、住宅を取得する際に必要な各手続きなどに必要となる費用のことで、基本的にすべて現金で支払うことになります。
全体の約1割程度が目安となるため、相場としては、本体工事費用に別途工事費用を加算した「建築工事費用」の5~10%程度を見ておくのがよいでしょう。
登記手数料
土地・不動産の所有者を登記簿に記載し、所有権を取得するためなどに司法書士に支払う手数料です。登記には税金もかかります。
住宅ローン保証料
金融機関からの住宅ローンを組む時に必要な信用保証会社の保証をつけるために必要です。
物件検査手数料
フラット35を利用した場合、技術基準に合致しているかどうかを調査するための費用です。
仲介手数料
家を建てるための土地を購入した際に仲介業者に支払うための手数料です。
印紙税
土地の売買契約書と建築の工事請負契約書を作成する際に必要になる収入印紙の費用です。
登録免許税
土地と建物の登記を行う際および抵当権設定をした際にかかる税金です。
固定資産税・都市計画税
住宅、土地の所有者が毎年支払います。
消費税
建築工事費には10%の消費税が必要です。
不動産取得税
土地と建物を取得した際に、各都道府県に支払う税金です。
このほか、書類や税金以外で必要になる諸費用は以下の通りです。
仮住まい費用
新居完成までに仮住まいが必要になった場合、発生する費用です。
引越し・家具購入費用
引越し料金と、新しい家具や家電を購入する際に必要な費用です。
地鎮祭 ・上棟式費用
建築前に土地を清めるための地鎮祭と、棟上げが終わった後の上棟式を行う場合に必要な費用です。
近隣への挨拶費用
工事前や入居後に近所への挨拶回りで必要になる手土産代です。
本体工事費用や別途工事費用はもちろんですが、諸費用もまとめてみるとかなりの費用が必要になることが考えられます。これらの費用は、会社によって異なるので、全体の費用で判断するようにします。
家づくりの前には、こうした費用をきちんと把握し、諸費用の支払い計画などもしっかり立てておくことが大切です。
土地購入の場合は?
ここまでご紹介してきたものは、新築一戸建てを計画した場合の費用内訳となります。
また、土地を購入して家を建てようとした場合、土地購入費がかかります。土地の価格価は、その地域によって異なるため、しっかり確認しておきましょう。それに加えて、様々な諸費用もかかるので計画しておく必要があります。家づくりに必要な費用として前述した項目と重複する項目もありますが、改めてまとめてみましょう。
土地購入にかかる費用
仲介手数料
不動産会社を仲介にして土地を購入する場合に必要になる手数料です。
登記費用
所有権移転などに伴う登記費用です。
登録免許税に加えて、司法書士などへ依頼した場合はその報酬費用も発生します。
測量費・表題(表示)登記費用
隣接地との境界線を調べる費用と登記の費用です。購入する土地の境界線が不明瞭な場合には、測量する必要があります。基本的には売主が負担することがほとんどです。表題(表示)登記は、建物の所在や種類、構造などを登記する手続きです。
ローン手数料・印紙代
土地購入に必要なローンを組んだ場合の手数料と、それに伴う収入印紙代が必要です。
家づくりにはたくさんのお金が必要になります。
長く住む家だからこそ、計画的で慎重な行動が求められますよね。
それぞれのプランで予算に合わせた良い家づくりを行う第一歩として、ぜひ参考にしてください。