注文住宅で家を建てる際に知っておきたい住宅ローン減税のポイント
注文住宅で新築の住まいを建てることになると、資金調達のために住宅ローンを組んだり、返済計画を立てたりと、大きなお金が動くことになりますよね。
そんな時、施主にとってお得な制度である「住宅ローン減税」という制度があることをご存じですか?
注文住宅を建てる際に知っておきたい、住宅ローンの減税ポイントをご紹介します。
住宅ローン控除とは?
注文住宅などで家を建てた時の住宅ローン減税のことを「住宅ローン控除」と言います。
正式名称は「住宅借入金等特別控除」ですが、一般的には「住宅ローン控除」と呼ばれています。
住宅ローン控除とは、年末のローン残高に応じて、所得税の控除が受けられる制度です。
建てた家に入居した年から、ローン残高の1.0%が、所得税から控除されるのです。
所得税から控除しきれない分は、住民税から一部控除が受けられます。
家を建てる時、住宅ローンを組む人は多いですよね。
住宅ローンの支払いは、家庭によって異なるものの、家計の負担になることは間違いありません。
そんな住宅ローンの年末残高の一部が、所得税や住民税などの税金から控除できることで、家計の負担を減らすことができる制度が「住宅ローン控除」です。
住宅ローン控除は、一旦払った税金に対してきちんとした確定申告(還付申告)手続きをとって還付されるというシステムになっていますので、まずは一旦、税を全額払うことになります。
住宅ローン控除を受けられる期間は?
住宅ローンの控除を受けられる期間は10年間です。
イメージとしては、住宅ローン控除の対象者は、10年間所得税や住民税が安くなるというものでしょう。
住宅ローン控除の対象になるローンは?
住宅ローン控除の対象になるローンは、一般的な銀行、信用金庫などの金融機関が提供している住宅ローンになります。
例)フラット35、フラット50など
住宅ローン控除の条件
とてもお得な「住宅ローン控除」ではありますが、家を買った人全員が住宅ローン控除の対象者になるというわけではありません。
新築一戸建ての場合、住宅ローン控除を受けるためには、以下の条件をクリアする必要があります。
- 住宅ローンの借主が、自分で住むための家であること
- 年間所得が3000万円以下であること
- 10年以上借りる計画で住宅ローンを組むこと
- 新築で購入する場合、家の床面積が50㎡以上
これらの条件を満たすことで、住宅ローン控除を受けることができます。
中古物件を購入する場合、あるいはリフォームの場合、新築一戸建てとは条件が異なりますので、詳しくは住宅会社に確認してみましょう。
住宅ローンの控除額はいくら?
住宅ローン控除では、一体どれくらいの金額を控除してくれるのでしょうか?
2019年(平成31年)6月までは、基本的に住宅ローンの年末残高の1%が控除額の対象となります。
この数字を「控除率」と呼びます。
例)年末のローンの残高が2000万円の場合
1%の20万円がその年の所得税及び住民税から控除される
※控除額には上限があります。2021年(平成33年)12月までは40万円が上限です。
年末のローン残高が4000万円以上ある場合でも、40万円までしか控除されません。
住宅ローンを組む時の金利や返済方法によって、年末残高の動きが異なりますので、住宅会社と一緒にシミュレーションしてみてください。
注文住宅で家を建てる時の住宅ローン減税ポイント
住宅ローン控除は、家を建てた人の家計にはとてもありがたいシステムですが、さらに控除額を大きくすることもできます。
「長期最良住宅」として建てる
長期優良住宅とは、所管行政庁(地方公共団体など)から「長期にわたって、良好な状態で使用するための措置がなされた優良な住宅」と認められた住宅のことです。
認定基準の多くは、品格法(住宅の品質確保の促進等に関す得る法律)に基づく「住宅性能表示基準」に準じています。
住宅ローン減税の控除額比較
長期優良住宅建築等計画を作成し、地方公共団体から認定を受けると、以下のように税の優遇制度を利用することができます。控除額が大きくなるので、まずは住宅会社に相談してみましょう。
一般住宅の場合 | 400万円控除(年間40万円×10年間) |
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長期優良住宅の場合 | 長期優良住宅の場合 500万円控除(年間50万円×10年間) |
10年間で最大100万円の差! |
注文住宅で家を建てると他の補助金も受けられる?
家を建てたときは住宅ローン控除以外にも、お得な減税・非課税の制度があります。
- 不動産取得税の減税
- 固定資産税の減税
- 贈与税の非課税
不動産取得税の減税
売買や贈与で不動産を取得する場合や、新築や増築をすると、その不動産や建物に対し都道府県から不動産取得税を徴収されます。
新築住宅で長期優良住宅に認定されると、この不動産取得税の軽減措置を受けることができます。
課税の基準となる固定資産評価額から控除される額は1,300万円で、一般的な住宅よりも100万円枠が拡大します。
固定資産税の減税
固定資産税は、個人や法人の持つ固定資産に対して市町村が課税する地方税のことです。
不動産取得税と同様、新築住宅で長期優良住宅に認定されると、固定資産税が減額される期間が延長されます。
贈与税の非課税
家を買うときは、親や祖父母などの直系尊属から援助してもらうという人も多いようです。
住宅取得用に贈与されたお金が非課税となる条件には、主に以下のようなものがあります。
- 直系尊属からの援助であること
- 贈与を受けた年の1月1日時点で贈与される者の年齢が20歳以上
- 贈与を受けた年の合計所得が2,000万円以下であること
贈与税の非課税枠は、消費税の税率によっても変わります。
上記のような援助を受けることを検討している場合は、消費税率の変更に注意しながら、どのタイミングだとお得になるのか、しっかり検討しておいたほうがよいでしょう。
その他、自己資金のみで注文住宅を建てた人には、耐久性やエネルギーに優れた住宅を建てる人を対象にした「投資型減税」という制度もあります。
役所や住宅会社に、自分が受けられる減税制度があるかどうか確かめておきましょう。
まとめ
家づくりは、一生のうちで最も大きな買い物の一つです。
注文住宅で家を建てる時は、ぜひお得な住宅ローン減税を利用できるかどうか確認してください。
家を購入した時は、サラリーマンの人も最初は確定申告をすることになります。
しっかりリサーチしておき、住宅ローン控除やその他の減免手続きは忘れずに対応しておきましょう。