日本:オリンピックとパラリンピックに関する教育支援~東京都立府中けやきの森学園での授業実践~

日本

2017.12.01

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パナソニックでは、2020年東京大会に向け、学校での実施が加速されると考えられているオリンピックおよびパラリンピック教育の動向を見据え、2015年に「オリンピックとパラリンピックを題材とした教育プログラム」を独自開発し、学校への提供を行っております。

今回紹介するのは、東京都の特別支援学校であり平成29年度オリンピック・パラリンピック教育アワード校である、東京都立府中けやきの森学園の授業実践事例です。それぞれのプログラム内容の一部を、児童生徒の実態に合わせてご活用いただきました。

《全体概要》
―実施プログラム: オリンピックとパラリンピックを題材にした教育プログラム―
・授業1: プログラム④ 「多様性と共生社会 ―インクルーシブな社会を考える―」 - 高等部での実施
・授業2: プログラム① 「大会の意義とそれを支える人々」 - 小学部での実施
・授業3: プログラム② 「多様性と国際理解―おもてなしを考える―」 - 中学部での実施

《授業1 概要》 プログラム④ 「多様性と共生社会 ―インクルーシブな社会を考える―」
日    時: 2017年11月27 日 (月) 3時間目
実 践 者: 東京都立府中けやきの森学園 山下 さつき 先生
教    科: 保健体育
対    象: 肢体不自由教育部門 準ずる教育課程 高等部 1年生・3年生

《アレンジ》・授業前半は、プログラムの一部を使い、パラリンピックに関する学習をクイズを交えて実施。・後半は学習した内容も踏まえて、身体を動かす活動を取り入れた。

《授業内容》
本プログラムは、パラリンピックを導入として、共生社会の実現に向け、障がいを含めた様々な個性にあったコミュニケーションの大切さについて理解を深める内容となっています。今回の授業では、生徒達が、肢体障がいを持つ当事者として「どのように共生社会の実現を目指すか」について考えました。

「パラリンピック」や「重度障害者多数雇用施設-パナソニック吉備-」に関する映像の視聴や、知的障がい部門の生徒との交流経験を想起させることで、「障がいの有無、特性に関わらず、みんなで協力し一緒にやり遂げた時の達成感」を得る経験が共生社会の実現に繋がることに気づかせていました。また、生徒の実態に合わせ既存のワークを実施する代わりに、自分達を表現するための活動として、ペアでダンスを考えました。「変わらない・同じ・工夫したらできる」など、生徒各自が考えた共生社会の実現のテーマに沿って自由に表現することができました。        

けやきの森02.png      パラリンピックに関するクイズの実施     映像教材視聴の様子

《授業2 概要》 プログラム① 「大会の意義とそれを支える人々」
日    時: 2017年11月30 日 (木) 2時間目
実 践 者: 東京都立府中けやきの森学園 阿久津 裕生 先生
教    科: 総合的な学習の時間
対    象: 肢体不自由教育部門 準ずる教育課程 小学部 5年生

 《アレンジ》
・ワークであるイメージマップの作成は、教員が児童の意見を聞きながら、ホワイトボードに板書
・キーワードを進行スライドだけでなく、紙に書いて提示することで、児童へ印象づけを行った
・映像視聴の際は、教員が適宜解説を入れることで、児童の理解を支援

《授業内容》
プログラム①ではオリンピック・パラリンピックを支える人々について学びます。提供教材であるワークシートやスライドのイラストを見ながら、オリンピック・パラリンピックではどんな人が関わり何をしているか、教員と児童で一緒に考え、イメージマップを広げていきました。映像教材「リオオリンピックの舞台裏」の視聴では、教員が「今はカメラを動かしているね」などと、所々で説明を加えることで、児童の理解を支援していました。また児童が以前、オリンピック・パラリンピックのポスター制作を行った経験があったことをとりあげて、「実は君もオリンピック・パラリンピックを支えている立場なんだよ」と伝えることで、児童自身が自分の経験から「支える」ことについてさらに理解を深めることができました。         

けやきの森03.png                      教員と児童でイメージマップを広げる様子       授業のポイント「支える」を押さえる場面

《授業3 概要》  プログラム② 「多様性と国際理解―おもてなしを考える―」
日    時: 2017年11月30 日 (木) 6時間目
実 践 者: 東京都立府中けやきの森学園 横井 路彦 先生
教    科: 総合的な学習の時間
対    象: 肢体不自由教育部門 準ずる教育課程 中学部 2年生・3年生

《アレンジ》
・「おもてなし」について生徒が具体的にイメージできるように、昨年度の留学生との交流経験を想起させた・本授業を導入の位置付けとし、今後の「おもてなし」の学習につなげるカリキュラムマネジメント

《授業内容》
本校では毎年、留学生との交流授業を実施しています。導入では、昨年度の交流の様子を写真で提示し生徒に想起させました。次年度の交流に向け、留学生に失礼がないよう「おもてなし」をするために必要なことを生徒に考えさせると、生徒からは「相手を思いやる気持ちを大切にしたい」「あいさつからはじめ、お互いの気持ちを和らげる」などの意見が出されました。その後、提供映像教材「パナソニックセンター東京のおもてなし」の視聴により、プロの「おもてなし」の視点を知ると同時に、自分たちもプロと同じ視点を持っていたことに気づきました。最後に、自分ができる行動を、これまでの「総合」の授業で実施した学習内容、「茶道」と関連させることで、具体的に考えることができました。    
けやきの森04.png 「パナソニックセンター東京のおもてなし」映像視聴場面と                    
 「おもてなしに必要なこと」を考える様子


<関連サイト>
パナソニックのオリンピックとパラリンピックに関する教育支援
動画でわかる「教育プログラム」概要
パナソニックの企業市民活動
パナソニックセンター東京でのイベント情報