日本:オリンピックとパラリンピックを題材とした教育プログラム 関西学院千里国際中等部・高等部

日本

2017.11.09

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パナソニックでは、2020年東京大会に向け、学校での実施が加速されると考えられているオリンピックおよびパラリンピック教育の動向を見据え、2015年に「オリンピックとパラリンピックを題材とした教育プログラム」を独自開発し、学校への提供を開始しました。今回紹介するのは、関西学院千里国際中等部・高等部の「政治・経済」で行われたユニークな実践事例です。「オリンピック・パラリンピックへの関わり」を、「経済」という視点を中心に考え、ビジネスプランコンテストの応募につなげるなど、カリキュラムマネジメントの参考にもなる実践を行っていただきました。以下、実践の様子を詳しく紹介していきます。

《概  要》
―実施プログラム: オリンピックとパラリンピックを題材にした教育プログラム―プログラム
①「大会の意義とそれを支える人々」プログラム
②「多様性と国際理解」プログラム
③「テクノロジー&イノベーション」プログラム
④ 「多様性と共生社会」

日    時:(1時間目)  2017年8月30 日(水) プログラム①、②、③を部分的に活用 (2時間目)  2017年9月 4 日(月) プログラム③を活用  
※(発展)  各グループで計画を進めビジネスプランコンテストに応募
(3時間目)  2017年11月6日(月) プログラム④を活用
実 践 者: 関西学院千里国際高等部 米田謙三 先生
教    科: 「政治・経済」 単元【経済社会と経済活動のあり方】など
対    象: 高校2・3年生 24名

■「オリンピック・パラリンピック」を教材として扱う魅力

普段からアクティブ・ラーニング型授業の実践に取り組んでおられる米田先生は教材の生徒にとっての「リアルさ」にとことんこだわっておられ、オリンピック・パラリンピックが持つ教材としての魅力は次にあるといいます。
●社会的注目度の高い身近な学習題材で生徒に「リアル」な学びの題材を提供できる
●教科学習で活用することで生徒の興味・関心を高める効果が高い
●オリンピック・パラリンピックが包括する範囲が広く、学習題材として、幅広い展開が可能今回は高校の「政治・経済」の授業でご活用いただいた中から1時間目からビジネスプランコンテストのアイディアを考えるまでの活動をご紹介します。

■「経済」からオリンピック・パラリンピックを考える

「政治・経済」の単元である「経済社会と経済活動のあり方」の導入で、生徒に「経済社会と経済活動」というテーマを身近に感じさせる工夫として、まずオリンピック・パラリンピック競技大会に触れることからはじめました。生徒もみんな大会については知っているようで、教材を使って大会自体について簡単に触れ、大会を支える人々がいることを学びました。そこで先生から「みんな、この大会の経済活動の規模と影響ってしってる?」と経済に軸足を移していきました。

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                                     当日の授業の様子

■イメージマップワークでオリンピックに関わる「経済活動」を考えるアレンジ

「経済活動で考えたとき、どんな人(主体)がオリンピック・パラリンピックに関わっているかな?」と問いかけ、経済活動の広がりを感じるためにプログラム①のイメージマップワークを活用しました。本来の教材は「オリンピック・パラリンピックを支える人々」に注目させ、イメージマップワークを行いますが、今回は「経済活動」に注目させ、生徒はマップを広げていきました。マップを作ってみて生徒からは「オリンピック・パラリンピックは経済の縮図だ!」「人がいろいろな形で集まり、関わることで様々な経済活動を生んでいる」と声があがっていました。

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                           ワークでの活発な話合いと生徒が作ったイメージマップの一例

■オリンピック・パラリンピック競技大会の経済を支える技術へ

次の展開ではプログラム③を活用し、様々な経済活動や技術の結集で大会が成り立っていることを学びました。映像教材「放送技術の進化」で、大会で使われている映像技術が過去から現在までどのように進化していったかを確認したあと、1964東京大会で開発普及した技術を調べるワークを行いました。生徒はスマートフォンやタブレットを使用して、当時のさまざまな技術を調べ、「新幹線」や「衛星放送」、「ユニットバス」など現在も使用している技術の多さに驚いていました。これらを踏まえて、大会がイノベーションの契機になっていることを学びました。

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                         タブレットやスマートフォン、ノートパソコンを使用し調べる生徒たち

■技術が開発された背景・課題から「国際理解」へ

技術が開発・普及した理由は「問題・社会課題の解決」であったことに触れ、「ユニットバス」や「ピクトグラム」などの国際理解における課題解決例をおさえました。より生徒に「リアル」に感じさせるために、プログラム②のワークを使用し、自分の高校に海外からの留学生が来たら「おもてなし」するときに何に気をつけるべきかを考え、担当になった国の文化や言語、宗教などの特徴を調べ、「おもてなし」するときに気をつけるべきことをグループで考えました。

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■2020年にあるとよい技術を考えるワークから、発展してビジネスプランコンテストへプログラム③では「2020年にあるとよい技術を考える」課題解決型のアイディアワークがあります。これをさらに発展させて、生徒たちはビジネスプランコンテストに使えるアイディアを考え、実際に応募しました。ビジネスプランコンテストでは「発想のきっかけ」や「事業の必要性」も問われるので、プログラム③課題解決ワークでアイディアについて「5W1H」の視点で整理したことが、まとまりのある考えを出す練習になっていたとのことです。

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通勤時の電車に特別車両を設け、有料で朝食がとれるようにするアイディア

米田先生からは「これからの変化の激しい社会を生き抜く生徒たちのことを考えると、より社会や生徒に近い「リアル」な題材で、資質・能力を育成していく授業を実施していくつもりです!」と声をいただいております。授業を実施してくださった米田先生、関西学院千里国際高校部の生徒のみなさんありがとうございました。 これからも様々な学校から当社のオリパラ教材を活用した様々な実践事例を紹介していきます。


<関連サイト>
パナソニックのオリンピックとパラリンピックに関する教育支援
動画でわかる「教育プログラム」概要
パナソニックの企業市民活動
パナソニックセンター東京の「オリンピックやパラリンピックに関するイベント情報」