![CORPORATE CITIZENSHIP NEWS 企業市民活動ブログ](https://panasonic.co.jp/citizenship/activity/assets/image/common/mv_corporate_sp.jpg)
日本:オリンピックとパラリンピックを題材とした教育プログラム東京都中央区立晴海中学校での授業
パナソニックでは、2020年東京大会に向け、学校での実施が加速されると考えられているオリンピックおよびパラリンピック教育の動向を見据え、2015年に「オリンピックとパラリンピックを題材とした教育プログラム」を独自開発し、学校への提供を開始しました。
今回紹介するのは、中央区立晴海中学校で実施された、現在パナソニックで開発中のプログラム「多様性と共生社会」の授業です。このプログラムは、社会には多様な個性の人々がいることを理解し、特に「障がい」に焦点を当て、「共生社会」実現のために自分には何ができるかを考える構成になっています。
同校では、東京都のオリンピック・パラリンピック教育の重点校として年間を通じて、「障がい者理解の促進」をテーマに学習計画をたてて、実践を行っていましたので、今までの学習内容に応じて、主任教諭の上田先生がワークシートや指導案などをアレンジし授業に取り入れてくださいました。また、それらをもとに、さらに各学年の先生方が工夫し、グループワークなどをより取り組みやすいようアレンジしてくださいました。以下、実践の様子を詳しく紹介していきます。
《概 要》
―実施プログラム: オリンピックとパラリンピックを題材にした教育プログラム―
プログラム④ 「多様性と共生社会」
日 時: 2016年12月 19 日(月)
教 科: 「総合的な学習の時間」 2時限分活用
対 象: 中学1~3年生 407名
1時限目
授業冒頭、先生が、「共生社会とはどのような社会だろう?」と質問。「みんなが充実した社会!」、「差別なしで、みんな同じレベルで共に生活できる社会!」、「みんなが助け合える社会」など、生徒からたくさんの意見がでました。
次に、「実際に、障がいのある人とない人が共に働いている共生社会の縮図ともいえるパナソニック吉備の映像を見て、工夫をしていることや、大切にしていることを観察しよう!」と先生からワークの指示が入りました。生徒は、教材映像を視聴し、「特別視しない」、「得意・不得意を補い合う」、「気軽に声をかけあえる関係づくりが大事」など、障がいのある人もない人も皆が過ごしやすい環境づくりの工夫やその上で大切にしていることを活発に意見交換しました。
2時限目
2時限目の授業では "共生社会の実現にむけて日本で起こっている問題" について考えました。共生社会の実現のために働いている3人の専門家~自治体職員、電気機器メーカー の社員、福祉機器メーカーの技術者~それぞれが感じている社会の問題を資料の読解を通じて理解した上で、自分たちにできることは何かを考えました。まずクラス全体ですべての資料を音読し、その後さらにグループごとに担当を決め、社会にある問題点について話し合いを行いました。
<障がい者が住みやすい街づくりに取り組む、市職員の担当グループの考察>
・視覚、聴覚障がいのある人は、ない人に比べて受け取る情報量が少ない
・電車の急なトラブルに対応できない
<空港から街へのアクセシビリティの向上に取り組む、会社員の担当グループの考察>
・障がい者が安心して外出できない
・身体能力や言語の差によりやりたいことが自由にできない
<障がい者の義肢・装具をつくる、技術者の担当グループの考察>
・障がいがあることに対して「かわいそう」「気の毒」と同情する
・「守らなくては」「手助けしなければ」という特別扱いをしなければならない存在としてみている
上記の考察を元に生徒たちが考えた「自分たちにもできること」
・安心して公共施設を利用できるようにする
・特に電車の急なトラブルなどの時に困っている人がいないか注意する
・手話や点字を学んで障がいのある人に情報を伝える
・特別扱いするのではなく、健常者と同じように困っている人がいたら声をかける
・意識をせずに自然に接する
授業最後に、先生から「"特別視しない"ってどういうことだと思う?」、「エレベーターに車いすの人が並んでいたとした場合、あなたならどうする?」と生徒たちをゆさぶる質問がありました。これには、生徒も「はっ!」とした様子です。生徒からは、「特別視しないっていう観点からすると、普通に自分たちが乗るのがいいかな?」「え、そんなの先に譲らないとかわいそうじゃない!」、「あれ、このかわいそうというのが、まさに社会にある問題点では・・・・」などの意見が出され、最後に授業内容をもう一度ふりかえりました。
晴海中学校では、上田先生をはじめ、各学年の担任の先生方が生徒の学びや現状を考慮し、工夫を凝らして全学年で実施してくださいました。今回いただいた先生方の意見やアレンジも参考にしながら、本プログラムは2017年4月にリリース予定です。これからも他プログラムも含めて、当社の教材を活用した様々な実践事例を紹介しますので、楽しみにしてください!
<関連サイト>
パナソニックのオリンピックとパラリンピックに関する教育支援
動画でわかる「教育プログラム」概要
パナソニックの企業市民活動
パナソニックセンター東京の「オリンピックやパラリンピックに関するイベント情報」