地震に強い土地・地震に弱い土地の違いは? 地盤調査って何?

家を建てたいと思った時、まず考えなくてはならないのが土地の地盤です。
地盤の強度が耐震性のある、地震に強い家づくりの第一歩となるといっても過言ではありません。
ここでは地震に強い土地を見つけるための地盤調査についてご紹介します。

地震に強い土地・地震に弱い土地の違いは? 地盤調査って何?

地震に強い地盤・弱い地盤とは?

地震大国である日本で家を建てるには、耐震性に優れた家を建てることが大切です。
しかしその前に、家を建てるための地盤が強固でなければ、どんな家を建てたとしても、地震などの被害に見舞われる可能性が高まってしまいます。

地震に強い土地

地震に強い地盤とは、「地盤が固い土地」のことを言います。
たとえば、新居を建てるために土地を探しているなかで、「ここは良いなぁ。ここに住みたい」と思った土地があったとしましょう。

その際、日当たりや周辺環境を確認するのはもちろんですが、大切なのはその土地が「地震に強い土地であるかどうか」を調べることです。

「地震に強い土地であるかどうか」を調べる方法の一つとして、『国土交通省ハザードマップポータルサイト』が挙げられます。
このサイトでは「洪水」「土砂災害」「津波」など災害ごとの情報や、各都道府県・市区町村のハザードマップにもリンクし、閲覧することができます。

ほかにもインターネット上で、さまざまな地盤に関する情報が提供されています。
「自分が興味を持った土地がどんな地盤であるか」という情報は、できるだけ多く集めておくとよいでしょう。

地盤に弱い土地

地震に弱い地盤とは、「地盤がやわらかい土地」のことを言います。

地盤に弱い土地

たとえば、水を多く含む土地では、液状化現象が起きる可能性も高く、地盤沈下が起きる可能性もあります。

また、大きな地震が起きてしまった際には、土地ごと崩れてしまうことも懸念されます。

地盤調査の必要性と仕組みを知る

地盤は、その上に建つ建築物を支える非常に重要な役割を担っています。
その土地がどれだけの荷重に耐えられるかが、大きな地震に備える家の「耐震性」を左右することにもなります。

専門家に地盤調査を依頼する場合、一般的には、不動産会社や建築依頼をしている建築会社が地盤調査を行います。
こうした地盤調査を行う会社が増えていますが、どの会社に依頼したとしても、必ず調査後に実施記録や結果については、きちんと説明を受けてください。

それだけ地盤調査は重要なものです。

地盤調査の必要性と仕組みを知る

一般的な地盤調査には、簡単な作業で精度の高い地質データを採取することができる「スウェーデン式サウンディング試験」が用いられます。

スウェーデン式サウンディング試験とは

スウェーデン式サウンディング試験は、「SS試験」「SWS試験」とも呼ばれますが、現在では最も普及している地盤調査方法です。

1917年頃、スウェーデンの国有鉄道に路盤調査として採用されたスウェーデン式サイディング試験は、日本では1976年にJIS規格(日本工業規格)に制定されました。

  • 比較的簡易に地盤支持力(換算N値)を求められる
  • 費用が安い
  • 調査期間が短い

といったメリットから、現在では戸建て住宅の地盤調査方法としても普及しています。

こうし地盤調査の結果もし地盤が弱い土地だったと分かっても、対策をとることができますので悲観する必要はありません。
地盤調査によってその地盤の状態が事前に分かっていれば、それに適した基礎を設計すればよいのです。

埋立地や地下水位が高い土地の場合、家を建てた荷重によって地盤沈下のリスクが考えられます。
しかし、その場合は土地の改良工事を行い、基礎をしっかり築くことで、軟弱地盤の土地に地震に強い家を建てることも可能になります。

地盤に合わせた基礎づくりとは?

地盤調査とともに家づくりの重要なポイントとなるのが「基礎」です。

軟弱地盤には、土地改良を行い、十分な強度を持たせるための工事が必要です。
さらに、工事を終えた土地に家を建てるには、地盤とともに家を支える基礎作りが必要となります。

基礎を作る際のパターンには幾つかの種類があり、それぞれの構造や規模によって適した基礎工法が決められるというわけです。
そのパターンとは、主に次の3種類が挙げられます。

  • 布基礎
  • ベタ基礎
  • 基礎補強

布基礎

最も一般的な一戸建て住宅の基礎工法です。

Tの字を逆さまにした断面で、建物外周部や内部の構造的に必要な壁の下に連続して配置された基礎を、「布基礎」と言います。
大きさは幅12~15センチメートル、高さ45~60センチメートル程度で、鉄の芯(鉄筋)の周りをコンクリートで固めて作る構造です。

鉄筋の太さや本数、コンクリートの強さは柱や耐力壁にかかる力を構造計算で解析し、決めることが理想です。

ベタ基礎

建物の底板一面を鉄筋コンクリートで支える基礎のことを、「ベタ基礎」と言います。
地盤が軟らかい場合や構造をより安定させる場合に採用します。

一部分だけが沈下するような不同沈下に備えた、優れた性能にするためには、布基礎と同様鉄筋の太さや本数、コンクリートの強さは柱や耐力壁にかかる力を構造計算で解析して決めることをおすすめします。

ベタ基礎

基礎補強

基礎の形だけでは建物を支えられない軟弱地盤の場合は、地盤を補強します。

補強する方法としては、次のものが挙げられます。

  • セメント系の硬化剤と敷地の土をまぜて地盤を硬くする地盤改良
  • 柱状に地盤改良した改良杭や、鋼管杭、鉄筋とコンクリートで柱状にしたコンクリート杭

など。

一般的には軟弱地盤で重量鉄骨造の3階建て住宅などを建てるときは、コンクリート杭を使うことが多いです。

いずれの方法も、柱や耐力壁にかかる力を構造計算で解析し、基礎の下についてもしっかりとした地盤調査を行ったうえで、方法や大きさ、数を計算して決めることをおすすめします。

まとめ

まとめ

これから家を建てたいと考えている人にとっては、地震に強い家作りを目指すことはとても重要なポイントです。

もしもの時に家族を守ることができる“強い家”をつくるためにも、地震に強い土地探しと地盤調査、そして基礎設計の大切さを覚えておいてくださいね。