省エネが家づくりに必要な理由とは? 省エネに役立つ設備も紹介
地球環境問題の解決に向けた省エネ化への取り組みが、世界中で広がりを見せています。
住宅を建てる際には、快適性や耐震性などに配慮するのはもちろん、環境への配慮も考えた住まいづくりが必要です。
日本では、「建築物省エネ法」に基づき、「省エネ基準」という指針が定められていて、その基準に沿って住宅を建てるよう求められています。
省エネ住宅とは?
省エネ住宅にするためには、「窓、床、壁などの断熱性能の向上」「高効率設備の導入」「窓、屋根等の日射の遮蔽」が必要です。
どのくらい断熱性能を高めたらいいのか?どんな設備を取り入れたらいいのか?など、の基準を定めているのが「省エネ基準」です。
省エネ基準とは?
「省エネ基準」は、住宅・建築物の省エネルギー性能を計る基準として昭和55年につくられた法律です。その後改正が重ねられ、現在は「外皮性能の基準」と「一次エネルギー消費量の基準」の2つの基準を使って住宅の性能を評価します。
省エネ性能を備えたZEHとは?
省エネ住宅の一つに「ZEH」(ゼッチ/ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)があります。
「ZEH」とは、「自宅で創るエネルギー量が、使うエネルギー量と同じ。あるいは創るエネルギー量のほうが大きい」住宅のことを言います。
使うエネルギーの量を減らし、かつ太陽光発電などによってエネルギーを創出することがZEH基準をクリアするための方法です。
そして、ZEHと認定された住宅は、補助金を受けられる制度もあります。これは大きなメリットですよね。
なぜ「省エネ」が必要なのか?
省エネとは「省エネルギー」の略語で、石油や石炭、天然ガスなど地球上にあるエネルギー資源を大切に効率よく使用することを指しています。
では、なぜ省エネが必要なのでしょうか?
それは、私たちが生活する上で欠かすことのできない電気やガス、ガソリン、灯油といった元になる原材料には限りがあるからなのです。
石油や石炭はこれまでに何年も採掘を重ねてきましたが、近い将来、枯渇してしまうのでは? と懸念する声もあります。
しかし、その反面私たちの生活はこうした資源の活用によってどんどん進化を遂げています。
つまり、文明と反比例するように地球上の資源は減少の一途をたどっているというわけです。
省エネは、この貴重な資源を大切にしてエネルギーを上手に有効活用すること、そして、CO2を減らし、地球温暖化を抑制するという2つの重要な意味をもっているのです。
建築物省エネ法とは?
このような背景を受けて、2015年(平成27年)7月に交付されたのが「建築物省エネ法」です。
これは政府が打ち出した「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」で、2017年にその具体的な適合義務、規制的措置などが施行されてきました。
さらに2022年6月に同法律の一部を改正する法律が交付されました。この改正により建築物の省エネ対策を加速することになりました。現在まだ義務化されていない省エネ基準を2025年(令和7年)度までに300㎡未満の新築住宅に義務付けるとともに、2030年(令和12年)度以降新築される住宅はZEH水準の省エネルギー性能の確保を目指します。
近年、私たちの生活は、大雨や大地震などの自然災害によって、大きく脅かされています。
異常気象を生み出す要因のひとつ、地球温暖化を抑制するためにも、日本国内におけるエネルギー消費量削減を目指す法律の1つが「建築物省エネ法」であると言えます。
日本のエネルギー問題については、建設業、工業、水産業、運送業など各産業において、大きく取り上げられてきました。
いまやエネルギー対策は、毎日の生活にも関わってきています。政府が取り組むエネルギー対策、たとえばZEHの普及などは、その一つです。
家を建てる場合、ZEHにすることで優遇制度や補助金などが受けられます。
それだけ、住宅全体にエネルギー対策が求められているということです。
「省エネ」の対象となるエネルギーは?
エネルギー使用の合理化を推進するため、政府は「省エネ法」の改正を行っています。
省エネ法とは「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」です。
経済産業省資源エネルギー庁では、省エネ法の目的について、次のように定めています。
内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保に資するため、工場等、輸送、建築物、および機械器具等についてのエネルギーの使用の合理化に関する所要の措置、電気の需要の平準化に関する所要の措置、その他エネルギーの使用の合理化等を総合的に進めるために必要な措置を講ずることとし、もって国民経済の健全な発展に寄与すること。
この省エネ法におけるエネルギーとは、どのようなものを対象としているのでしょうか?
- 燃料
- 熱
- 電気
燃料
- 原油、重油、揮発油、その他石油を原料とした製品
- 可燃性天然ガス
- 石炭、コークス、その他石炭製品
熱
蒸気、温水、冷水など
電気
太陽光発電、風力発電、廃棄物発電など
省エネ法が規制している分野としては、工場や輸送、住宅・建築物、機械器具等がその対象となっており、それぞれに課せられた義務などが細かく制定されています。
省エネに役立つ設備
太陽光発電システム
太陽光の熱エネルギーを使って電気をつくるシステム。
化石燃料消費量と温室効果ガス排出量を削減することができる。
蓄電池
太陽光発電でつくった電気を貯めて、発電しない夜間などに貯めた電気を使うことができる。
熱交換気システム
室温の変化を防ぎながら外気からの換気ができるシステム。
新しく取り込まれた外気に熱を移し、室内に取り込む際の外気温を調整することができるので、冷暖房にかかるエネルギーのロスを抑えます。
省エネ家電
冷蔵庫、照明、テレビ、エアコンは、家庭で消費電力量が多い家電設備です。最新の省エネ家電に買い替えることで省エネ効果が高く、電気代も節約できます。
家づくりを検討している方は、ぜひ省エネ設備にも注目してください。