無化地域の未来を照らすプロジェクト「LIGHT UP THE FUTURE」を展開(ケニア編)
パナソニックグループは再生可能エネルギーによる「あかり」を、NGO/NPOや国際機関など、さまざまなパートナーと連携して無電化地域に届け、現地での支援プログラムを通して、教育や健康、収入向上の機会創出をすることで貧困のない持続可能な社会づくりに貢献するために、無電化地域の未来を照らすプロジェクト「LIGHT UP THE FUTURE」を展開しています。
今回はその中の一つ、ケニアの無電化地域で展開されているさまざまな活動を紹介します。
①ソーラーランタンの寄贈で女性の自立支援と子どもたちの教育支援(サンブル郡とウエストポコット郡)
電気のないケニアのサンブル郡では目立った産業がなく、安定した仕事にも就けない状況にあり、児童婚やFGM(女性器切除)の風習がまだ残っています。この問題に向き合っている国連人口基金(UNFPA)とパナソニックグループは協働して、ソーラーランタンを寄贈することにより女性の自立を支援し、貧困から脱する事で、それらの風習も削減できるようなプロジェクトを進めています。10月25日には、現地でソーラーランタンの贈呈式が行われ、2,000台を寄贈しました。そのうち、500台は女性たちに配られ、夜間でもビーズ制作ができるようになり収入向上の機会が増えることで、女性たちの自立を支援します。1,500台は学校に配られ、子どもたちが夜間でも勉強ができるようになり、学習の機会が増えて学力が向上することで、貧困からの脱却を目指します。
【現地レポート】女性の自立支援に向けたUNFPA(国連人口基金)との協働 ケニア・サンブル郡
②診療所に太陽光発電システムの寄贈で医療支援(キリフィ県リマ・ラ・ペラ地区)
パナソニックグループは、塩野義製薬と国際NGO ワールド・ビジョンが活動しているキリフィ県のリマ・ラ・ペラ診療所に太陽光発電システムを寄贈しました。
現地では電力供給が不十分で、安定した医療サービスや夜間診療が提供できない課題があり、塩野義製薬、ワールド・ビジョン、パナソニックグループの3者による協働は、母子保健の共通課題の改善に向けた初めての取り組みとなりました。診療所に電気が通ることで、夜間診療、夜間の施設分娩や安定的な医療機器の使用が可能となり、必要な医療サービスをより多くの人に提供できるようになります。今後も地元政府とも連携し、診療所の機能拡充の支援に取り組んでいきます。
【現地レポート】塩野義製薬株式会社との合同視察 リマ・ラ・ペラ地区
③パワーサプライステーションで自走を支援(ナロク県エンクトト地区)
2018年から2021年にかけて、パナソニックグループは国際NGOワールド・ビジョンと協働し、小学校に太陽光発電と蓄電池を活用した「パワーサプライステーション(PSS)」を寄贈し、電気が通ることで教育と健康の機会を創出するためのプロジェクトを展開しました。
プロジェクトが完遂した1年後の2022年10月18日に現地を訪れてみると、電柱が立ち、小学校から近くのマーケットまで100mの電線が延ばされ、床屋では電気式バリカンの導入、携帯電話の充電サービス、テレビでサッカーの試合が有料で視聴できるなど電気を売ることにより、新たなビジネスが生まれていました。小学校近くの診療所にも電気が通り、コロナワクチン用の冷蔵保管庫を設置し、2022年のワクチン接種者は2020年の約2.4倍、また夜間の出産も増え、夜間診療の患者については2018年の64名から今年は3,092名と爆発的に増加しました。現地では電気を利用した新たなビジネスがまだまだ検討されています。
【現地レポート】プロジェクト終了後、自走し始めたケニアのエンクトト地区