2020年度 出前授業 私の行き方発見プログラム⑯~神奈川県 川崎市立川崎高等学校附属中学校 & 東京都 板橋区立上板橋第一中学校~
「私の行き方発見プログラム」は、当社が企業市民活動として学校に提供している教育支援プログラムで、多種多様な役割を持って働くことを学び、自分らしい"行き方"を考える内容です。2012年度から教材を授業で活用していただいており、さらに2017年度からは、当社社員が講師として学校に出向く「出前授業」を行っています。
今年度は当初予定では5月から関東・関西を中心に全国の中学校に社員講師がお伺いをさせていただく予定でしたがコロナウイルスの影響で実施を見合わせておりました。8月から初めての取り組みとしてオンラインでの授業を開始し、2校で授業を実施した宇賀治元さんからのレポートです。
【‟行き方"とは、松下幸之助創業者が「よりよい人生を生きるための心構えや考え方」といった意味を込めて使用した言葉。】
社員講師:インダストリアルソリューションズ社
産業デバイス事業部 モータビジネスユニット 宇賀治 元 さん
職 種 :開発技術
■オンライン授業 1校目
日 時 :2020年10月6日(火)
学 校 :神奈川県 川崎市立川崎高等学校附属中学校
生 徒 数: 119名(中学校2年生)
パナソニックの宇賀治です。パナソニックでハイブリッド自動車のバッテリーを冷却するブロワモータの開発の仕事をしています。
出前授業の準備を進めている時は、今の中学生がどんなことを知りたいのか、将来や仕事に対してどんなことを考えているのか等を思い浮かべながら、自身の学生時代を思い返しながら準備を進めました。その中で「学ぶ意味」について疑問をもっている生徒もいるのではないかと思い、「学生時代の学習の重要性」について伝えられるように努めました。
授業でお話をさせていただいたのは、仕事・モノ作りは、「自分一人では出来ない、様々な人に支えられている」、「仕事は周囲とのチームワーク・コミュニケーション、思いやりを持つことが大切」ということをお話しました。具体例で新製品がお客様に届くまで、どんな人たちがどのように関わっているのかを考えてもらいました。新製品ができるまでには、企画、開発、製造、物流、販売、さらにアフターサービスを行う方々が関わっています。さらに会社全体をサポートする人事や経理など、多くの方々が支え合って仕事していることをお話しました。
私の仕事を紹介したスライドです。
自分で設計したモノを作って触って、さらにパソコンで設計して、実験もします。開発の醍醐味をお伝えしました。また、仕事で開発・研究している内容は、学会で発表できるような最新の技術であること、さらに海外での発表にチャレンジできることをお伝えしました。
新型コロナウィルスの影響で急遽Web開催となりました。運営事務局のサポートもあり、無事に授業を実施できました。授業を実施するにあたり、自身の仕事について見つめなおし、もとよりなぜこの道を選んだのかを原点回帰する良い機会にもなりました。コロナ禍での辛い環境下でも、将来は社会課題と向き合いたいという中学生の真剣な様子を見ることができ、引き続き企業市民活動や本業の事業で、社会に貢献していきたいと強く感じました。
皆さんがこれから挑戦していく事、向き合う課題は、決まった正解がないものです。答えは皆さんのアイディアで立ち向かう必要があります。そのときに助けてくれるのが、"視野を広げる学習"で身につけた知識や経験です。目先のことを「テストに必要ないから」とか、「受験に必要ないから」、「こんなの意味のないわ」と決めつけずに、一つ一つ打込んでみて下さい。
意味がある・ないなんて、後でわかることです。学校の勉強・部活動、他にも行事や活動に貪欲に取り組んでください。
【生徒から社員講師へのメッセージ】
・今回の授業を受けて、将来への関心などがあがりました。宇賀治さんの無意味だと思うことでもやってみよう、という言葉を胸に、これからも将来に向かって積極的に色々なことを取り組んでいきたいです。
・授業を通じて、今までよりも将来について考えてみようと思うようになりました。
・この学校に入ってから自分の将来を考える機会がとても増えました。ただ今年に入って行事が減ってしまった中、このような機会に出会えて本当によかったと思います。親しみやすく楽しい授業でした。ありがとうございました。
・社会人になる、働く、についての概念が全くわかっていなかったのですが、今回少しわかったような気がします。
・最後の「思うは招く」などの言葉がとても良いと思いました。
・SDGsや働くことへの関心がさらに高くなりました。
■オンライン授業 2回目
日 時 :2020年12月4日(金)
学 校 :東京都 板橋区立上板橋第一中学校
生 徒 数: 95名(中学校2年生)
オンラインで、各教室カメラをつないで実施していました。始まりの画面やマイクチェックでは、カメラ越しに手で丸を描いてリアクションしてくれ、Q&Aやワークタイム発表は大変活発でした。
私が大事にしている言葉の一つとして、「思うは招く」を紹介させていただきました。
授業で考えてもらった、「15年後の"なりたい自分"」、「社会の中の自分の役割」を是非友達にも共有して下さい。その際の約束事として、友達に対して「どーせ無理」とか否定はしないで下さい。そうでなくて、「だったらこうしてみたら?こうしたら上手くいなかないかな?」と応援するようにしてください。
2回目の授業もとても楽しく実施をさせていただきました。
【生徒から社員講師へのメッセージ】
・新しい行き方を見つけていこうと思います。
・今まであまり興味が持てなかった社会のことについて知れたり、職業について色々な話が聞けたよかったです。ありがとうございました。
・今年は職業体験がなくなって、社会や仕事についてあまり考える事がなかったけど、お話しを聞いて考える機会になりました。
・講演ありがとうございました。その仕事をいつ決めたのかや仕事をする上で大切なことは何かという体験談がとても印象に残っています。具体的になりたい職業はまだないのですが興味のあることから少しづつ将来について考えていこうと思いました。
・私の未来のビジョンがまだ定まっておらず何をすればよいのか分かりませんでした。今回の授業で何の勉強がどう役立つか、いつ決めればよいのか、ということがわかり、少し安心感がうまれました。この授業で習ったことを上手に生かしていこうと思います。
・1つの会社にも色々な役割があることを知り、選択が広まったと思いました。
・私には小学校2年生から夢があります。しかし最近になり、私がなれるのか?と現実的に考えることが多くなり、諦めかけていました。今日のお話しをきいて、講師の先生がなりたい職業についていることを知り、憧れと尊敬の思いを持ちました。そして夢を諦めないでいようという気持ちになれました。ありがとうございました。
<<関連サイト>>
・私の行き方発見プログラム
・中学校向けキャリア教育プログラム パワーアップ情報ファイル