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オリンピックとパラリンピックを題材とした教育プログラムの授業風景②

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2020年12月8日~11日(平均1日3単位時間)
関東学院六浦中学校・高等学校
教頭 難波 繁之 さん

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「誰もが地球社会の一員であり、そこに参画する責任を持つ地球市民としての意識」という考え方の基、本校の中学生が「人と人とのつながり」や「ダイバーシティ(多様性)を受け入れる姿勢」というグローバルシチズンシップの育成を目的とした授業を実施するに際し、パナソニックの「オリンピックとパラリンピックを題材とした教育プログラム」を採用しました。趣旨を網羅し、的確に実施できるプログラムだと考えました。

 実施したのは中学校2年生です。中学1年時にPre-Citizenshipで、「理解すること」、「調べること」、「それをまとめて発表すること」を学び、「総合的な学習の時間」でこのプログラムを通して人とのつながりや多様性、イノベーションがもたらす効果を調べ、理解し、発信できたら、という思いで実施いたしました。

プログラム1「大会の意義とそれを支える人々」をはじめるにあたり、最初に「政府広報オンラインSociety5.0」の映像を活用しました。

政府広報オンラインで公開されている「ソサエティー5.0」動画

冷蔵庫に話しかけ牛乳が無いことを告げられ、注文する。
AIスピーカーに昼食を注文して、コンビニで受け取る。
登校最中に見かける無人トラクターが畑を耕す。
バス停で待っていると自動運転の無人スクールバスが迎えに来る。

ここで、生徒たちに質問をしました。「映像を見て、何か気がつかなかったかい?」
何人かの生徒にインタビューして、1人の生徒が「人が誰もいない」と答えました。
「そうだね。大概のことはAIとロボテクスがやってくれるので、人がいらなくなるのです。でも、学校へ行ったら、あなたを慕ってくれる友人や心配してくれる先生がいるよね。街へ出て行っても、生活の安全を守ってくれる警察官がいる。病気を治してくれる医師や看護師、旅行に出かけても、適切なアドバイスをしてくれるホテルのコンシェルジュもいる。たくさんの人があなたの周りで支えてくれているのですよ」と伝え、続いてプログラム1「大会の意義とそれを支える人々」のイメージマップの作成のワークを実施しました。

【プログラム1「大会の意義とそれを支える人々」のワーク例】

「大会の意義とそれを支える人々」のワーク例1.png
「大会の意義とそれを支える人々」のワーク例2.png

次に、プログラム2「多様性と国際理解」を実施しました。冒頭、「イスラム教とハラール」の説明画像をいくつか見せ、宗教、食、生活習慣などの違いがあることを理解させました。
生徒たちをグループに分けて、アメリカ・中国・インド・マレーシアの中で1つの国を選択させ、その国から留学生や旅行者を迎えておもてなしをするための「国調べ」を実施しました。国の人口や産業などを調べるのではなく、「その国から来た人におもてなしをするための調査」であることを説明、1人1台持たせているパソコンを駆使し、生徒は真剣に調べていました。発表の時間では「イスラム教では豚を食べない」「インドでは左手が不浄なので右手で食事を摂る」など、文化や慣習から、相手を思いやる行動が求められることを学びました。そして、グローバル化の中での多様性の大切さを感じていたようです。

【プログラム2「多様性と国際理解」のワーク例】
「多様性と国際理解」のワーク例.png

プログラム3「テクノロジーとイノベーション」では、1964年の東京オリパラ大会の頃に開発、発明された新しい技術や生活環境を調べ、次に2021年に開催される東京オリパラ大会の頃に「実現して欲しい生活の改善」が可能となる、テクノロジーやイノベーションについて考えました。

 プログラム4「多様性と共生社会」では、北欧のインクルーシブ教育の実態を、プログラム5「オリンピックとパラリンピックが目指すサスティナブルな未来」では「持続可能な開発目標(SDGs)」の説明から、「新しく開発されるべきものと歴史的に守っていくもの」を挙げさせ、そこから日本が目指さなければならない地球市民としての活動(アクション)を考えさせました。

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各プログラムに提供されている「ワークシート」と「動画」は完成度が非常に高く、生徒たちも真剣に取り組み、自身の意見を発表することができました。教師は、生徒に対し、各プログラムの最終目標を説明し、その目標に向けた小さな工夫を行えば、高い効果が得られると思います。例えば、興味付けや理解を深めるちょっとした資料や画像を用意するのも一つの手かもしれません。

 また、グループディスカッションに十分時間を取り、それをしっかりとまとめた上で、発表させることも重要だと思います。教師からの説明は最小限度にとどめ、生徒たちに調べる時間、考える時間、お互いの意見を交換する時間、発表する時間を取ることができれば、生徒の理解度が増し、真剣にディスカッションし、最初に提示した最終目標に生徒自身が楽しみながら向かうことができると思います。

 「人と人とのつながり」、「多様性」、「我々を取り巻く技術革新」、「インクルーシブな考え方」、「サスティナブルな未来」等、本来なら学校が学習の手法を考え、これから日本の未来を担う子供たちが習得しなければならない教養と思考法の指導をしていくべきところを、パナソニックの教材を活用することで、我々教師はその学習環境を実現することが容易にできたという点をお伝えしたいと思っています。

プログラムに取り組んでいる生徒たちの熱いディスカッションや、たどたどしいながらも真剣な発表を見ていると、教師としても自然と充実感が湧いてきました。

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<関連リンク>
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