「無電化地域ソリューションプロジェクト」の活動地で様々な成果
パナソニックは、2018年の創業100周年を機に開始した「無電化地域ソリューションプロジェクト」では、スタート以来現在までの2年間で様々な成果が出ています。
本プロジェクトは無電化地域で暮らす人々が将来経済的に自立し、自走した生活を送ることができるよう、当社の太陽光発電・蓄電システムを寄贈するだけでなく、電気のある生活への啓発や教育と、地場産業モデルの開発などを支援し、持続可能な社会づくりに貢献するものです。
活動地はインドネシア、ミャンマー、ケニアの3か所です。
インドネシアでは、マレーシアとの国境沿いにある西カリマンタン州の無電化地域で「太陽光発電利用による生計向上のモデルづくり」を推進。
主な成果として、現地の農産物のひとつで健康に良いとされるモリンガ(北インド原産ワサビ科の植物で、「奇跡の木」とも呼ばれ、とてもバランスのとれた栄養素を含んでいる樹木)を、太陽光発電による電気を活用した機械で粉末状に加工、健康サプリメントとして販売するための商品開発を進めました。
このほかにも現地で採れるハチミツや淡水魚を加工したふりかけなどの商品も開発。
今後はさらにこの活動を2年間継続し、インターネット販売も含めた販路開拓を本格化するなど、農産物栽培や加工業務に携わる現地コミュニティの収入改善を目指します。
ミャンマーではエーヤワーディー管区(※)の無電化村で「太陽光発電利用による学生寮運営及び地域開発事業」を進めてきました。
これまでの主な成果として、村にある準高校(高校よりも教師数や教育設備が整っていない学校)の学生寮に照明器具を設置し夜間学習が可能になったことで、最高学年の卒業試験の合格率が17%から25%へ向上。さらにこの取り組みが行政から認められ、準高校から高校に昇格、教師も5名から12名への増員が認められました。
また小型の太陽光発電・蓄電システムであるソーラーストレージを各世帯に有料で貸出して得た収入を、コミュニティとして、学校のインフラ整備やバッテリー交換などに有効活用していきます。
ケニアではナロク県の無電化村で「電化による生活改善支援事業」を進めています。
これまでの最大の成果は、太陽光発電による電気で川から水を畑に供給し、トマト約3.6t分を収穫し、販売。約20万円の収入につながりました。さらにそのトマトと収入を元に学校給食も開始し、生徒たちの栄養改善及び出席率改善につなげています。
当社は無電化地域における支援活動を今後も継続し、さらなるインパクト拡大を目指していきます。
※エーヤワーディー管区:ミャンマーの行政区画の一つ。管区全体の広さは九州に相当する。 ミャンマーは7つの管区、7つの州で構成されている。