オリンピックとパラリンピックを題材とした教育プログラム~西東京市立田無第四中学校~

学び支援

2018.12.17

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パナソニックでは、2020年東京大会に向け、2015年に「オリンピックとパラリンピックを題材とした教育プログラム」を独自開発し、学校への提供を開始しました。本年度は、従来の4つのプログラムに加え、「オリンピックとパラリンピックがめざすサステナブルな未来」という5つ目のプログラムを2019年度の提供開始をめざし制作しております。
「持続可能性」をテーマにした新プログラムもようやく教材が整いましたので、トライアル実施を西東京市立田無第四中学校の清水祥彦先生に行っていただきました。その様子をレポートします。

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《 ト ラ イ ア ル 実 施 の 概 要 》
―実施プログラム: オリンピックとパラリンピックを題材にした教育プログラム―
プログラム⑤「オリンピックとパラリンピックがめざすサステナブルな未来」
※2019年4月リリース予定
日   時:(3~4時間目)  2018年12月4 日(火)
実 践 者:西東京市立田無第四中学校 清水 祥彦 先生
教   科:「総合的な学習の時間」
対   象: 中学3年生 1クラス34名

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■あなたは「新競技場」の建設賛成?反対?

授業の導入で、大会の開催は社会へ「いい面」「悪い面」様々な影響を与えていることをインパクトある映像を視聴し確認しました。その中には新設した競技場が放置された映像も。生徒の頭の中に「モヤモヤ」が浮かんだ瞬間でした。映像視聴後、先生に「きみたちは新競技場の建設に賛成?反対?」と問われ、考え始める生徒。自分の意見を視覚化できるワークシートに考えを記入したあと、清水先生のアレンジで3色の付せんを使い、「賛成(青)」「反対(赤)」「中立(緑)」と色分けして、生徒に意見を書かせて黒板で共有しました。

4_映像教材「大会が与える社会への影響」.jpg 5_軸を参考に自分の意見を貼る生徒.jpg

そのあと、生徒達は進行スライドで、とあるAさん(反対)、Bさん(賛成)の意見を確認しました。
Aさん:「新しい競技場でなく、本当に大会後に遺すべきところにお金を使うべき」
Bさん:「日本の技術力やおもてなしの発信、国際化・ユニバーサル対応への転換の機会」
など様々な意見を踏まえ、生徒たちは自分の意見を改めて考え、黒板に掲示しました。清水先生のアレンジで、生徒は自分の出席番号のマグネットシートを自分の付せんに張ることで、前後の意見の変容を見やすくしていました。
その後、グループで賛成か、反対か、友達と熱く議論しました。賛成・反対でなかなか折り合いがつかない部分がありながら、「全部を否定するわけじゃないけど、競技場新設をしなくても対応できる部分も多い。」「むしろ誇れるものを、全力で作ることで大会後のためになる」など様々な意見が出ていました。
6_「意見変容」把握のための掲示の工夫.jpg 7_生徒同士で議論する様子.jpg

■2020大会を通して実現する未来に向けたアクション

次に東京2020大会に焦点を当て、大会を通して実現する未来にのこす遺産(レガシー)、それを実現するための取組(アクション)について学びました。それらが各分野ごとにまとめられた*アクション&レガシープランのワークツール(5分野)の中で興味のある分野を選び、具体的なアクションを見て、興味を持ったアクションを友達に伝えました。また、2020大会を通してどんな社会の実現をめざしているか、異なるグループで意見を交わし、「国との交流を深め、経済の発展をし、世界で感動をシェアする社会」「和の精神を忘れずに資源を活用し、テクノロジー、スポーツを発展させる国際的な社会」など、様々な意見を出していました。
*「アクション&レガシープラン」は公益財団法人東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会により取りまとめが行われています。

8_めざす社会について生徒同士で議論し発表する様子1.jpg 8_めざす社会について生徒同士で議論し発表する様子2.jpg

■2020大会、その後の未来にむけて自分たちができること

それぞれが考えた「めざす社会」について共有したあと、すでに未来にむけてアクションを起こしている人の映像インタビューを視聴しました。ものづくりを通して「安全・安心」な社会の実現をめざすパナソニック社員、自分が好きなことで人の役に立つブラインドマラソンパラリンピアンの伴奏者、海外の生徒との交流・協力を通して現地の原料を使ったお菓子の選手村への納品をめざす高校生たちのインタビューを見て、生徒たちは「めざす社会」という大きな話から、具体的なアクションのイメージを持つことができました。 その後、実際に自分たちがめざすと話した社会に向けて自分ができることを考え、ワークシートに書いて共有しました。
生徒からは「自分自身が日本の文化を知り、発信したい」「今できるボランティア活動をはじめたい」「大会に興味を持っていきたい」「様々なスポーツにチャレンジしたい」などそれぞれの視点と想いでアクションを書いてくれました。

9_映像「大会に向けて自分ができること」.jpg 10_生徒が考えた自分のアクション.jpg

清水先生は「オリンピックとパラリンピックを題材にした教材は【いい面】を学ぶ部分が多いが、このプログラムでは負の側面があることを正直に扱っている。そこから、ではどうするのがよいかということを、未来に向けて考えることができる貴重な教材で、今回、子どもたちから出た意見から私も気づいたことが多くありました。」とおっしゃっていただきました。

授業を実施し、貴重な御意見くださった清水先生、西東京市立田無第四中学校の生徒の みなさん本当にありがとうございました。

※ご紹介したプログラム⑤「オリンピックとパラリンピックがめざす持続可能な未来」は12月25日(火)、26日(水)にパナソニックが開催する教育イベント「Teachers'セミナースペシャル」でお披露目と体験ワークショップを行いますので、ご興味のある方はぜひご参加ください!
これからも様々な学校から当社のオリパラ教材を活用した様々な実践事例を紹介していきます。

<関連サイト>
パナソニックのオリンピックとパラリンピックに関する教育支援

動画でわかる「教育プログラム」概要

パナソニックの企業市民活動

パナソニックセンター東京の「オリンピックやパラリンピックに関するイベント情報」