日本:社員プロボノチームがNPO法人こえとことばとこころの部屋ここルームに最終提案を実施
プロボノとは、「公共善のために」を意味するラテン語「Pro Bono Publico」を語源とする言葉で、"社会的・公共的な目的のために、職業上のスキルや専門的知識を活かしたボランティア活動"を意味します。今回のプロジェクトには社員4名がボランティアで参加し、ココルームが運営する「ゲストハウスとカフェと庭」の稼働率アップに向けたマーケティング調査に挑みました。
ココルームは、"日雇い労働者のまち"といわれる西成区釜ヶ崎にて、アートと社会の関わりを探り、人と人、人と地域、人と社会をつなぎ、表現を媒介に自律的な生き方を進める社会に貢献することをミッションに活動を展開しています。
ココルームの代表で詩人でもある上田さんは、2003年に大阪・新世界で、人や社会と関わり、アートや表現、学びの場となるカフェ「ココルーム」をオープンしました。2004年にNPO法人化し、2008年に現在の場所に移転。日雇い労働者や生活保護受給者が多い街で、地域住民の男性を"おじさん"と親しみを込めて呼び交流を深めてきました。しかし極度の高齢化に加え、阿倍野再開発の影響を受けて周辺環境が激変したことにより、カフェに訪れる人の数が減少してしまいます。そこで、規模の拡大を決意し、今年に入り四季折々の花が咲き誇る庭を整え、4月にゲストハウスをオープンし、地域住民や旅行客が交流できる「ゲストハウスとカフェと庭 ココルーム」として走り始めました。
今回のプロジェクトでは約4ヶ月をかけて、釜ヶ崎を知ってもらう機会を増やすこととアート活動の資金源を確保するために、「ゲストハウスとカフェと庭」の稼働率アップに向けたマーケティング調査のサポートを行いました。ココルームの意義や価値を体感するために何度も現地を訪問し、宿泊状況の分析や団体スタッフへのヒアリング等を通して、ココルームの課題を整理し、その課題克服のための提案をしました。
今回の最終提案では、ゲストハウスの予約状況がスタッフ間で適時共有できないことや電話などでのお客様とのやり取りがスムーズでなくお客様を失うリスクがあるという課題に対して、「予約システムの見直し」と「スタッフの作業の効率化」を中心にプロジェクトを進めています。そして市場のweb系のシステムについての特徴を整理したうえで、費用感や実用性、ココルームのスタッフにとっての使いやすさ、持続可能性を考慮して最終提案を行いました。
今日の最終提案に対するフィードバックを団体から受けて、団体に最終成果物を納品し本プロジェクトが終了します。
◆プロジェクトに参加した社員の声◆
・様々な素晴らしい人達との出合いは貴重な経験となりました。今回は扱う問題が大きく、何度も暗礁に乗り上げ苦労しましたが最終報告ま
でたどり着きホッとしています。この経験は本業にもプラスになりそうです。
・プロボノに参加して、資金調達や従業員不足、周りの環境の変化など、当初は思いもしない課題が次から次へと発生したが、NPOの職員とぶっちゃけた話をしながら解決策を考えていくことが、とても興味深かった。仕事とのバランスが難しい部分もあったが、今後も何かしらの形で地域と接点を持ち続けたい。
・「お悩みを解決する」という初めての体験で、寄り添いながら課題を解決することの難しさを感じた。自分でも社会のために活動ができるという自信につながったが、もっと自分に能力があればと思うところも。
・短い間でしたが、経営とか環境変化のスピード感を感じました。プロボノはひと段落ですがココルームと我々の関係は続くので引き続きがんばっていきましょう!
いろいろとありがとうございました。
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