日本:キッド・ウイットネス・ニュース日本 第24回東京国際映画祭で被災地支援プロジェクト「きっと わらえる 2021〜今、つたえたいこと〜」を上映
避難生活が今なお続く子ども達を対象とした映像制作支援プログラム「きっと わらえる 2021」は、当社が長年取り組んでいる映像制作支援プログラム「キッド・ウイットネス・ニュース」のノウハウを活用し、映像制作を通じて被災地の子どもたちに笑顔と元気を取り戻してもらおうというもので、子どもたちが、「今、つたえたいこと」と「2021年へのメッセージ」の2本のビデオ作品を制作しています。 今回、特別企画として「きっと わらえる 2021」製作委員会を立ち上げ、子ども達が制作した「今、つたえたいこと」を映像メッセージとして編集し、10月22日から開催された、第24回東京国際映画祭に出展。23日(日)13:00からこの映像が六本木ヒルズ TIFFカフェで上映されました。
第24回東京国際映画際は、震災があった今年、「震災を越えて」をテーマとした部門で3作品の特別上映を決定。「きっと わらえる 2021〜今、つたえたいこと〜」はこの部門の作品として上映されました。
上映会当日、会場のカフェには120名以上の方にお集まりいただき、上映会が始まりました。はじめに第24回東京国際映画祭事務局の田中文人氏より、今回の経緯、特別企画の趣旨の説明がなされた後、「きっと わらえる 2021」製作委員会の井手広法ディレクターから「これから上映するのは映画ではありません。被災地の子どもたちの素直な気持ち、今つたえたいことを纏めたメッセージ集です。ぜひご覧ください」と挨拶がありました。上映会が始まると、カフェ内は静まり、観客は子どもたちの素直なメッセージと笑顔にどんどん引き込まれ、笑ったり、泣いたりしてあっという間に30分の短いメッセージ作品は終了。被災地の子どもたちのメッセージが心に届き、会場は観客の皆さんからの鳴り止まない拍手に包まれました。
上映後は、田中氏と井手氏によるトークショーが行われ、作品に参加した3校の子どもたちの様子や、被災地の状況などが詳しく紹介されました。
この日は、今回の作品作りに参加いただいた岩手県久慈市久喜小学校の澤田晶子校長先生にもおこしいただいており、次のようなご挨拶をいただきました。「ワークショップの初日『何を君たちは伝えたい?』との講師の問いに子どもたちは『命の大切さを伝えたいです』と答えた。でも、『命の大切さは何?』の問いかけに、子どもたちは誰も答えることができなかった。私は、そのとき、『重い課題だな』と思った。なぜなら、子供たちは目の前で自分たちの家が津波に流され、大切な船が流された。そして、自分の大切な身内が亡くなる現場を目にした。そういった経験をしたうえで、命とは?と聞かれても分かってはいるが、答えられなかったのだと思う。でも子どもたちはこの映像の中で答えを出すことができた。3月11日の震災を経験した子どもたちは、自分と家族や地域を見直して、その思いを全てこの作品に込めた。拙い言葉だったかもしれないが、自分にとってこの震災が何だったかを、この映像を作ることを通し伝えていると思う。この作品は久喜小学校、地域の宝物になった。一緒に作ってくださったみなさん、本当にありがとうございました」
この作品が完成するまでには「きっと わらえる 2021」製作委員会のメンバーだけでなく、たくさんのボランティアの皆様のお力添えをいただきました。全ての皆様に心より深く感謝いたします。
また、大変嬉しいことに観客の皆様をはじめ多くの方々からたくさんの上映会の企画要望をいただいています。ご要望にお答えできるよう努めてまいります。有り難うございます。
キッド・ウィットネス・ニュース (KWN)はパナソニックが次世代育成支援活動の
一環として小中学校レベルの子どもたちを対象に、ビデオ制作を通じて、子どもたちの創造性やコミュニケーション能力を高め、さらにはチームワークを養うことを目的とし、現在、世界26の国と地域で展開している参加型の教育プログラム。子どもたち自らが主体的にテーマを選び、企画、取材から撮影、編集までを行っています。