メイド・イン・ジャパン南部鉄器 −伝統から現代まで、400年の歴史−

トップページへ

展覧会のみどころ

※出品作品は予告なしに変更になる場合があります。

第1部 南部鉄器の歴史 その発展と逆境

南部鉄器の「南部」は盛岡藩主南部氏に由来します。その名の通り歴代藩主の庇護のもとに育まれました。藩の鋳物の御用は、お抱え鋳物師(いもじ)の有坂家、鈴木家、藤田家、釜師の小泉家の4家が支えてました。明治時代には、第一回内国博覧会(1877年)、米国シカゴ万博博覧会(1893年)など、国内外で紹介され好評を博しています。また「中興の祖」と仰がれる松橋宗明が1914年より所長を務めた南部鋳金研究所は色彩着色や蝋型による成形を導入するなど技術的発展に貢献しました。1930年代にはドイツの建築家ブルーノ・タウトが8代小泉仁左衛門の≪亀甲形鉄瓶≫をその著書(『日本文化私観』)のなかで賞賛しています。 この最初のセクションでは、江戸時代から明治、大正、そして昭和までの南部鉄器を時代を追って検証します。

【出品作品】
・4代小泉仁左衛門清光≪老松釜≫(盛岡市指定文化財) 江戸時代 もりおか歴史文化館蔵
・9代藤田萬蔵 孝保≪波に鯉文富士形鉄瓶≫ 明治時代、盛岡市遺跡の学び館蔵
・13代鈴木盛久 繁吉≪古銭入責紐釜・古銭入鉄鉢風炉≫昭和46-47年頃、岩手県立美術館蔵 ほか
宮 昌太郎 釜定工房2代目 《オーナメント 鳥》 1965年
藤田萬蔵 孝保 《波に鯉文富士形鉄瓶》(背面) 明治時代、盛岡市遺跡の学び館蔵

第2部 南部鉄器の模索・挑戦といま

戦後あらたなるデザインに活路を見出して復興した各工房発の南部鉄器を紹介します。盛岡からは、110年の伝統を守りつつ海外に南部鉄器を広めた岩鋳(いわちゅう)、現代的なフォルムの作品で知られる「空間鋳造」(岩清水久生)、北欧デザインやアーティストとのコラボレーションを通じてモダンな作風が評価される「釜定(かまさだ)工房」、日本最古の手動のふいごが工房に残る老舗、「鈴木主善堂」、女性釜師、熊谷志衣子が活躍する「鈴木盛久(もりひさ)工房」、平たい底面を持つ革新的なユニバーサルシリーズを制作する「薫山(くんざん)工房」、木型の改良により多角形の鉄瓶を開発した「虎山(こざん)工房」の各作品を紹介します。加えて、水沢地区に拠点を持ち、現代の生活空間にも合うシンプルでモダンな作品で知られる「小笠原陸兆(おがさわらりくちょう)」の作品もご覧いただけます。

【出品作品】
・宮伸穂+ヨーガンレール 釜定工房3代目≪JYテープカッター≫2005年、釜定蔵
・15代鈴木盛久 熊谷志衣子≪櫛目丸形鉄瓶≫ 1991年、南部鉄器協同組合蔵
・アンシャンテ・ジャポン(製造:岩鋳)≪南部鉄器カラーポット、ポット敷きCAMOMILLE≫2009年 ほか
アンシャンテ・ジャポン 《南部鉄器カラーポット、ポット敷き CAMOMILLE》 2009年(製造:岩鋳)
15代鈴木盛久 熊谷志衣子 《櫛目丸形鉄瓶》 1991年、南部鉄器協同組合蔵

第3部 現代の生活における南部鉄器

いまなぜ、南部鉄器が人気をよんでいるのか――現代生活に溶け込みつつ、あらたな美を創造している南部鉄器と、第一線のクリエイターが手がける空間との対話をご覧いただけます。下記の4つの空間演出をお楽しみいただけます。

  1. 1)柳宗理のコーナー:柳宗理が2003年に発表した南部鉄器のキッチンウエアに、家具屋テーブルウエアをコーディネイトし、キッチンとダイニングをイメージした空間を演出。
  2. 2)内田繁氏による茶室≪行庵≫1993年は茶会が終わると折り畳まれてしまえる茶室というコンセプトで制作されました。竹の乱れ張りによる壁面を通して木漏れ日のように光が落ちる空間のなかに南部鉄器を中心とした道具立てを紹介。
  3. 3)フランスのティー・サロンをイメージし、カラフルな南部鉄器のポットを中心としたしつらえを紹介。
  4. 4)料理スタイリストの堀井和子氏によるテーブルコーディネイト。岩手や秋田で制作された漆器、ガラス工芸、型染めなど、堀井氏の美意識で選ばれた北東北の手仕事と南部鉄器とのコーディネイト。
内田 繁 茶室 《行庵》 1993年 内田デザイン研究所蔵 撮影:Nacása & Partners Inc.
宮 伸穂 釜定工房3代目+内田 繁 《四方切合》 2001年、釜定蔵、撮影:桜井ただひさ
柳 宗理 《南部鉄器 浅鍋 鉄蓋付》 2003年(メーカー:佐藤商事)
トップページへ