1.日本初公開、フランク・ロイド・ライトによる精緻で華麗なドローイングの数々
余白を大きくとったり近いものを拡大して描く独特な構図に見られるように、ライトは浮世絵との出会いに触発されて、それまで規範とされてきたボザール様式の建築図面とはまったく異なる新しい図面の描き方を考案しました。建築が実現する前に自分の頭のなかで建物を建てていたといわれるライトのドローイングは、ときとして実現された建築以上にライトの思想を直接的に物語っています。偉大な建築の美しいドローイングの数々をご覧いただきます。
2.100年前の帝国ホテル模型を3Dスキャン計測データを用いた3Dプリントレプリカで公開
原作はライトが帰国に際して、京都帝国大学教授(現・京都大学)の武田五一に贈ったものです。武田五一はライトと深く交流し、日本におけるライトの受容に貢献しました。制作後100年の歳月を経て石膏が状態変化しており、原作を巡回させることは困難と判断されたため、武田五一ゆかりの京都大学と京都工芸繊維大学が連携し、京都工芸繊維大学KYOTO Design Labの最新の技術力によってこの模型の精巧な複製が制作されました。
3.ライト建築を体験、ユーソニアン住宅の原寸モデル
ユーソニアン住宅とは、ライトが1930年代後半から取り組んだ、一般的なアメリカ国民が住むことのできる安価で美しい住宅です。フランク・ロイド・ライトの建築教育の実践の場であるタリアセンでかつて学んだ経験を持つ磯矢亮介氏にご協力いただき、初期の木造のユーソニアン住宅であるベアード邸(マサチューセッツ州アマースト、1940年)をお手本とした原寸モデルで、玄関から居間の空間を体験いただきます。材料は磯矢氏が製材した伊豆産の杉の赤身材。