住宅トラブルを防ぐために知っておきたい3つのチェックポイント
家は大切な家族と暮らす場所であり、大切な資産でもあります。
高額の費用を掛けて家を建てるわけですから、家づくりでは絶対に失敗したくないですよね。
しかし、そんな家づくりではトラブルが多発しています。
新築・リフォームを問わず住宅トラブルに関する相談を受け付けている『公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター』によれば、2016年度の新規相談件数は30,163件。
前年度より5%も増したとのことです。
家づくりではどんなトラブルが発生するのでしょうか?
そんな住宅トラブルを未然に防ぐにはどうすればよいのか、ご説明します。
住宅トラブル事例と対策
『公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター』公式サイトには、たとえば新築住宅について以下のような相談事例が掲載されています。
【新築住宅に関するトラブル相談事例】
- 費用
工事代金を全額支払い済だが、入居後に施工業者から○百万円の追加工事代金を請求された - 土地
軟弱地盤の可能性が高いにも関わらず、地盤調査を行わずに施工した結果、地盤沈下が起きている
このような「費用」「土地」に関する住宅トラブルは、未然に防ぐことができます。
そこで「費用」「土地」に関する住宅トラブルの防ぎ方をご紹介します。
費用:見積りの詳細を比較する
家づくりにおいて、お金に関するトラブルの例として挙げられるのは、業者からの上乗せ請求です。
たとえば、住宅会社に新築一戸建てに関する見積りをお願いし、その見積りで提示された金額から「追加料金はかからない」と言われたので、建築を依頼。
しかしフタを開けてみると、オプションばかりで追加料金を請求されて困惑・・・ということもあります。
事例①で言えば、もし追加工事が実際に行われていたとしたら、追加工事を実施する前に具体的な費用の提示があったかどうかがポイントとなります。
家づくりの費用は、見積りよりも請求額が高くなることは、決して少なくはありません。
ただし、しっかりした業者であれば、その場合は事前に説明があるはずです。
理由を説明してもらえれば納得できる費用であっても、何の説明もなく上乗せされたり、高額な追加費用を請求されたら、「もしかして悪徳業者なのでは・・・」と疑ってしまうのも、施主として当然の感情かもしれませんね。
そこで、そんな行き違いが起こらないよう、家づくりの費用については次のポイントに注意してみてください。
複数の業者から相見積もりをとる
工事を依頼する際は、最初に複数の業者を選び出し、「相見積もり」をとりましょう。
もちろん、その場合は業者に「相見積もりを取っていること」を伝えるのがマナーです。
見積りの金額と内容を確認する
同じ条件で複数の業者から相見積もりを取り、その金額と内容を比較します。
なかには飛び抜けて金額が高かったり、反対に低すぎる業者もあるかもしれませんが、その金額を比較することで、まずは「費用相場」がわかります。
さらに、その費用と作業内容を確認しましょう。
もしかしたら費用が高すぎる業者は、望んでいない作業を勝手に加えているかもしれません。
費用が低すぎる業者は、希望していた内容を入れていないのかもしれません。
いずれにせよ、見積りの段階で費用と作業内容を明確にしておくと、作業後に何かあっても対応でき、トラブルを回避することが可能なのです。
土地:地盤・法規制をチェック
家づくりのポイントとして、土地選びはとても重要です。
土地探しと言うと多くは「立地」に重点を置きがちですが、立地以外にも重要なことがあります。
なかでも重要なのは、「地盤」と「法規制」です。
地盤について
たとえば地盤が軟弱だと、どれだけ住宅の耐震性能が高くても、「地震に強い家」を建てることは難しくなります。
家が傾いていたり、余計な隙間が出来ていたり・・・いくら理想的な立地であっても、そのような地盤が軟弱な土地に建てられた家では、大切な家族を守ることはできないでしょう。
家を建てた後に軟弱な地盤であることが分かり、結果トラブルにつながらないよう、建てる前に必ず地盤調査を行ってください。
また、地盤を改良する場合には、費用も工期も変わってくる可能性があります。
法規制について
土地に関する法規制についてご存じですか?
たとえば「用途地域」といって、その土地や地域は利用目的が法律で定められている場合があります。
「工業専用地域」や「市街地調整区域内」の土地には、家を新築することができません。
それ以外の用途地域でも、家を建てることができる面積や、家の高さが制限されていることもあります。
もし自分で土地を探してから、その土地を建てたいと住宅会社に相談するとしても、
- 調査してもらうと、実はそもそも家を建てられない土地だった・・・。
- 建ぺい率や容積率の関係で、せっかく購入した土地に自分が考えている大きさの家を建てられない
といったケースもあります。 すると自身の家づくり計画、いつ新居が完成し、引っ越すかといったスケジュールも狂ってしまうでしょう。
土地の法規制については、専門家でなければわからない内容が、たくさんあります。
いざという時にトラブルが起こらないよう、家づくりについて不明な点は、事前に住宅会社など専門家に相談しましょう。
耐震についても注意しましょう
「費用」「土地」の他にもう一つ、住宅トラブルのもとになる要素があります。
それは「建物の強度」です。
建物の強度については、顕在化しやすいトラブルではありませんが、実はトラブルの元として潜んでいるものでもあります。
普段は気付かなくても、地震や台風などの災害に遭った時、建物の強度に問題があったら・・・考えるだけでもおそろしいことですよね。
そんな潜在的なトラブルを防ぐためには、まず構造計算によって緻密に建物の強度を計算することも大切です。
家づくりは一生に一度のもの。安心・安全な家で暮らすため、住宅会社に構造計算のことも確認してみてくださいね。