ここから本文です。
監視カメラ映像を見る方法は?録画方法や保存期間について解説
ネットワークシステム、入退室管理システム、カメラシステム構築に関するお問い合わせはこちら
監視カメラ映像の記録媒体の種類
オフィスやビル、店舗などに設置して不審者の侵入を抑止する監視カメラ。これらのカメラの記録媒体には、どのような種類があるでしょうか。
HDD
PCの本体に内蔵されているハードディスクのこと。コストパフォーマンスが良いのですが、サイズがやや大きいため、監視カメラ本体に設置することは難しいのが難点。レコーダーなどを備えているタイプのカメラに使われています。もっとも普及しているタイプです。
SDカード
デジタルカメラ、スマートフォン、ゲーム機などにも使われている小型カードタイプの記録媒体。小型で安価ですが、静電気などによって破損しやすい面があります。そのため年に1回ほどの交換が必要となります。
SSD
SSDは、ノートPCの記録媒体として知られています。ハードディスクドライブよりコンパクトな大きさで、振動や衝撃によって破損しにくい特徴があり、屋外の監視カメラによく利用されます。
クラウド
インターネット上にあるクラウドに記録するタイプは、どこにいてもクラウドにアクセスして映像を確認できるのがメリットです。ただインターネットで接続するため、インターネットになんらかの障害が生じた場合、映像が保存されないことがあります。またクラウドサービスの利用には上限容量が設定されており、毎月の利用料がかかってくることもデメリットとしてあります。
監視カメラの録画方法
次に監視カメラの録画方法について見てみましょう。監視カメラの録画データは、高画質になるにつれ大きくなるため、最近はデータを圧縮して保存する方法が多くなっています。
Motion JPEG
JPEG形式の静止画を保存し、これをつないでいくことで動画にする方法。1フレームごと映像を確認したいとき、画像が比較的鮮明に確認でき、編集しやすいメリットがあります。ただ圧縮効率はMPEG-4より落ちます。
MPEG-4
連続するフレームで変化のある部分だけ保存するのがMPEG-4方式です。圧縮効率が Motion JPEGより良いため、録画できる容量が大きくなります。
H.264
ビデオ通話、ハイビジョン放送などに幅広く利用されている方式で、動画ファイルの国際規格です。圧縮効率が良く、画質を損ないません。
H.265
H.265は、H.264を改良し2倍の圧縮率を実現した方式です。つまりH.264と同じ画質を維持しながら、データのサイズは半分になります。
監視カメラの録画映像を見る方法
監視カメラの録画映像を見る方法には、いくつかの種類があり、それぞれで必要な機器も異なります。
PCに記録装置を接続する
PCに記録装置を接続し、PCの画面で確認できます。記録装置は上述したHDDのほか、クラウドに映像を保存した場合は、ネットワークに接続する際に使われるNAS(ネットワークアタッチドストレージ)があります。
SDカードなどのメディアをPCに接続する
SDカードなどの記録メディアで録画映像を保存した場合、そのSDカードをPCに接続して映像を確認できます。
インターネット経由で見る
監視カメラにはインターネットに接続できるタイプが増えてきており、そのようなカメラの場合、インターネットを経由してオンラインで映像を見ることができます。インターネットに接続する機器なら、PC、スマートフォン、タブレット端末でも確認でき、場所を問わず外出先からもリアルタイムで映像を確認できます。しかしインターネット速度が遅いと、映像が確認できないこともあります。
監視カメラ映像の開示請求の際に設置者が知っておくべきこと
監視カメラを設置していると、「カメラの映像を見せてほしい」と言われることがあるかもしれません。そのようなとき、監視カメラの設置者はどのように対応すべきでしょうか?
個人情報保護法
監視カメラに移った映像は、個人を特定できることから、個人情報保護法に該当します。例えば警視庁では街頭防犯カメラシステムについて、「運用責任者の管理の下、国民の権利を不当に侵害しないよう慎重を期しています」といった文言を明記し、街頭防犯カメラ設置区域には表示板で明示する等の工夫を行っています。監視カメラの設置と運用には、方針を定めておくと良いでしょう。
開示請求依頼があった時の対応方法
「監視カメラの映像を確認したい」と言われた場合の対応法は、本人の場合と第三者の場合で異なります。映像に映っている本人からの要求に対しては、開示に適切に対応することが、個人情報保護委員会の資料に明記されています。ただ本人以外が映っている映像は、他者のプライバシー侵害になる可能性がありますので、注意が必要です。
第三者からの要求には対応する必要はありませんが、警察や消防のほか、災害などに関連する場合は協力するといいでしょう。
監視カメラ映像の保存期間はどれくらい?
監視カメラの映像データは、どのくらいの容量を保存できるのでしょうか。また目安となる保管期間はどのくらいでしょうか?
監視カメラの映像のデータ量を決める要素
監視カメラの映像データ量が大きくなると、録画データを保存できる期間も短くなります。映像データ量を決めるのは、フレームレートと画素数。フレームレートとは、1秒あたりののコマ数のことで、画素数はディスプレイ上に見える点の数のこと。フレームレートや画素数が大きいほど、クリアな映像になりますが、データ量が大きくなります。
HDDなどで録画可能な時間
HDDなどの記録媒体ごとに、記録できるデータ容量が異なります。例えばカメラ1台で音声付きで録画し30ipsの場合、200万画素だと1TBのHDDで約14日間保存できます。同じ200万画素でもHDD容量が3DBあれば、約90日間分のデータを保存できます。※ipsはフレームレートのこと。
監視カメラ映像の保管期間の目安
監視カメラの映像データは、万が一事件や犯罪が起きたときに備えて、一定の期間を保存しておくといいでしょう。国の法律等で、監視カメラの保管期間については定められていませんが、「最低で1か月は保存すること」などと独自のガイドラインを定めている自治体もあります。自宅の監視カメラなら1週間程度、コンビニなら1週間から1か月程度が目安の保管期間ですが、管轄の自治体にガイドラインがないか確認し、監視カメラの目的や場所に見合った保管期間を定めるといいでしょう。
監視カメラ映像のバックアップについて
監視カメラの映像データは、バックアップを取っておくと安心できるでしょう。SDカードやNASの場合は、カードリーダーでPCにつないでバックアップできます。映像データをクラウドに保存している場合は、専用ソフトやアプリでダウンロード可能です。
監視カメラの映像のセキュリティ対策
監視カメラの映像は、多くの個人情報が含まれており、流出や情報漏洩には注意が必要で、次のような対策を行う必要があります。
映像開示における条件
監視カメラの映像について開示請求があった場合、どのような条件で開示するか事前にガイドラインを作っておくべきでしょう。安易に録画データを開示すると、それが情報漏洩につながる可能性があります。
インターネット経由での映像漏洩
インターネット経由で録画データを確認したりダウンロードを行ったりする場合、不正アクセスのリスクがあります。簡単なパスワード設定だったり、アクセス権限の設定が緩かったりすると、不正アクセスを引き起こす可能性があります。
従業員向けのガイドライン
監視カメラを管理する従業員に対しても、データの取り扱いについてガイドラインを定めておくべきでしょう。故意の場合でも、そうでない場合でも、従業員から映像データが流出しないリスクはゼロではありません。
監視カメラと録画機の選び方
監視カメラと録画機を選ぶ際は、以下のポイントをチェックし、用途に最適なものを選ぶといいでしょう。
監視カメラの接続台数
監視カメラを複数台設置する場合、ひとつの録画機に何台のカメラを接続できるか確認しましょう。
屋内または屋外
監視カメラを設置する場所が屋内か屋外かによって、適したカメラが異なります。屋外向けなら、雨風などに強いタイプを選ぶといいでしょう。
監視カメラと録画機の接続方法
監視カメラと録画機が離れている場合は、無線接続できるタイプが必要です。遠隔地の監視カメラに接続する場合は、インターネット接続できるタイプが向いています。
画質
監視カメラの用途によって、どの程度の画質が求められるか異なります。カメラの画素数を確認し、できればそのカメラの映像を実際に確認してから購入するといいでしょう。
保証期間
監視カメラや録画機を使っている際、なんらかのトラブルや故障が起きた場合、どのような保証があるか確認しておくといいでしょう。
監視カメラの費用相場
監視カメラは安価なものなら5,000円程度から購入でき、屋外設置用の防水効果などがついたタイプなら数万円ほどが相場でしょう。なかには、10万円以上の高額のものもあります。
監視カメラの映像に関するお問い合わせはこちら
パナソニックEWネットワークスでは、オフィスや官公庁、工場、病院などへ監視カメラやレコーダの選定、画角調査から構築まで行っています。監視カメラの設置のみならず、セキュリティ対策全般についてアドバイス致します。監視カメラシステムの構築やセキュリティに関することは、以下よりお問合せください
関連情報はこちら
効率的な監視カメラを管理・運用へ
監視カメラを設置しても、用途に見合ったカメラや録画機が使われていなかったり、適切な管理がなされていなかったりすれば、意味がありません。万が一に備えて、ここでご紹介したポイントなどを抑え、効率的に監視カメラを運用してリスク管理しましょう。