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サーマルカメラの仕組みは?特徴や活用シーンを解説

更新日:2022/01/20
サーマルカメラの仕組みは?特徴や活用シーンを解説
昨今、商業施設の入り口や空港などで見かけるようになったサーマルカメラ。サーマルカメラは感染症対策として注目を集めています。本記事では、そんなサーマルカメラの仕組みをご紹介。また、特徴や活用シーン、サーマルカメラ導入の際の注意点についても説明していきます。
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サーマルカメラとは?

まずは、サーマルカメラとは何かを説明していきましょう。

サーマルカメラの「サーマル」とは、「熱の」という意味です。これがサーマルカメラの特徴を表しており、熱を検知できるカメラのことを「サーマルカメラ」といいます。

サーマルカメラで撮影した映像は「サーモグラフィー」といい、温度が高い部分は赤く、低い部分は青く表示されます。このサーモグラフィーを見ることで、カメラで捉えた対象物の温度を瞬時に確認できます。

サーマルカメラの仕組みについて

サーマルカメラが温度を検知するのには、遠赤外線を利用しています。遠赤外線は地球上の物質すべてが発している見えない電磁波で、温度が高いほど遠赤外線の強さは強くなり、温度が低いほど遠赤外線は弱くなります。この赤外線の強さをサーマルカメラに搭載されているセンサーが検出し、温度を検知しているのです。

サーマルカメラの特徴

サーマルカメラには、さまざまな特徴があります。見ていきましょう。

非接触で温度を計測

サーマルカメラの最大の特徴は、直接物に触れることなく温度を計測できることです。物質が放つ赤外線をセンサーで感知して温度を測定するため、非接触で温度が計測できます。

暗い場所でも撮影可能

通常、カメラで映像や画像を撮影するときには、ある程度の明るさや光が必要です。明るさがなければ、しっかりと対象物を撮影することができません。しかし、サーマルカメラで撮影するときには明るさや光は不要です。というのも、サーマルカメラは赤外線を捉えて撮影するためです。よって、暗い場所でも撮影できるという特徴があります。

広範囲の温度を計測できる

製品にもよりますが、サーマルカメラでは広範囲の温度を計測できるのも魅力です。この特徴により、カメラの前で動いている人をスムーズに検温できます。なかには、20km範囲を検出できるカメラもあります。

透過性能が高い

サーマルカメラは、霧や煙などで視界が不明瞭な場所や状況でも、撮影可能です。これは、遠赤外線が通常の光と比べてより物体をすり抜ける性質が強いという特性を生かしています。

サーマルカメラの活用シーン

サーマルカメラの活用シーン

今や、サーマルカメラはさまざまなシーンに活用されています。どんなところで使われているのか、活用シーンをご紹介します。

感染症対策

新型コロナウイルスやインフルエンザ、SARS(新型肺炎)などの感染症対策に、サーマルカメラが使われています。医療機関や空港、大型の商業施設、テーマパークやイベント会場など、多くの人が訪れる場所の入り口に、サーマルカメラを設置することにより、発熱している人をスピーディーに検知でき、感染症拡大防止につながります。

国境や海上などでの監視目的

サーマルカメラは赤外線を利用し、霧や雨などで視界が不明瞭な場所や暗闇でも撮影することができるのが特徴です。その特徴を生かし、国境の警備や海上での監視に利用されています。

電気・ガス設備などの点検

サーマルカメラは電気・ガス設備の点検・整備を行う現場や工場でも活躍しています。これらの場所に設置することで、熱の異常検知をした場合に、設備の故障や火災のリスクを軽減し、素早く対処できるのです。

サーマルカメラ導入の際の注意点

サーマルカメラを導入する上で、注意したいポイントを解説していきます。

用途に合った種類を選ぶ

サーマルカメラには大きく分けて3つの種類があります。それぞれ特徴が異なるため、用途に合わせて適した種類を選ぶようにしましょう。

●タブレット型

カメラとモニターが一体となり、タブレット(スマートフォン)の形をしているのが特徴です。顔認証機能を搭載しており、すばやく測定できます。また、設置も簡単です。最近ではマスクを着用しているかどうかも確認できる機能をもつものもあります。

●ハンディ型

ハンディ型は、持ち運びでき、どんな場所でも使えるのがメリットです。また、ほかのタイプに比べて安価なのも良い点でしょう。ただし、1人しか測定できないのが難点です。施設の受付などで体温を測る場合に適しています。

●ドーム型

半円形型のサーマルカメラです。同時に複数人の温度を測定できるのが最大のメリット。また、録画機能をもたせることも可能です。大人数が行き交う場所やイベント会場などで活躍します。

運用費用はピンキリ

サーマルカメラ自体の費用は、10数万円〜500万円が相場です。かなり価格幅が広いですが、どのタイプか、どのような機能をもつのかによって異なります。また、カメラ以外にモニターや録画機器、ネットワーク環境を整備する費用が必要な場合もあります。

運用費用は、タブレット型なら10〜30万円、ハンディ型なら20〜30万円、ドーム型なら40〜100万円程度です。

設置場所は定位置に

サーマルカメラは赤外線を検知します。そのため、設置する場所はなるべく外気や日光など、外部環境の影響を受けない場所に設置するようにしましょう。また、カメラの距離や角度が変わると測定値が変動するため、定位置に固定するようにしてください。

計測する対象者の肌を見えるようにしてもらう

サーマルカメラでは、対象者の肌から放出される赤外線を計測します。衣服やサングラスなどの上からでは、その表面温度を計測することになるためです。サーマルカメラで体温を計測する際には、対象者の肌を見えるようにしてもらう必要があります。

機能にも注目

サーマルカメラのなかには、以下のような機能をもつものもあります。用途に合った機能をもつサーマルカメラを選びましょう。

  • 検温管理機能:サーマルカメラで検温した人の「名前」「温度」「検温時間」を記録し、データ管理できる機能
  • アラート機能:温度が高い人をサーマルカメラが捉えたときに、音がなる機能
  • マスク着用検出機能:マスク着用を検出する機能

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パナソニックEWネットワークスでは、複数人同時検温タイプや、PCレス・設置工事不要な自立タイプなど、さまざまなサーマルカメラをラインナップ。また、サーマルカメラと入退ゲートの連携も可能です。サーマルカメラデモ機のお貸し出しも行っておりますので、導入をご検討されている方は、ぜひお問い合わせください。

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感染症対策にサーマルカメラの導入を

サーマルカメラは非接触で温度を計測でき、設置すれば感染症対策にもつながり便利です。また、タブレット型やハンディ型なら比較的簡単に導入することができます。サーマルカメラの導入を検討してみてはいかがですか。

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