テクノストラクチャー工法を部材レベルで詳しく見てみる テクノストラクチャー工法を部材レベルで詳しく見てみる

テクノストラクチャー工法の高い性能を実現するために、
実に多くの部材が機能しています。
強い家、性能の高い家を実現するために、 どれが欠けてもいけない大切な部材です。
テクノストラクチャーのすごさを支える部材にクローズアップしてみましょう。

パナソニックの独自部材
「テクノビーム」強さの秘密

テクノストラクチャーの大きな特長である「テクノビーム」。
木の梁に鉄を組み合わせ強度を高めた独自部材です。

木の強度は縦の力には強く、横の力には強くない「テクノビーム」強さの秘密

昔から日本人になじみのある「木」。木は環境に配慮された素材でいて、丈夫で長持ち。その建築材料としての実力は、法隆寺などの歴史的建築物を見ればおわかりいただけると思います。しかし、木には生育してきた縦向きの力には強く、横向きの力には弱いといった特性も。つまり、柱のように木を縦向きに使う場合は十分な強度が期待できるものの、梁のように横向きに使う場合は、強度が不足しがちになるといった弱点があるのです。

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パナソニックが独自開発した木と鉄の複合梁「テクノビーム」

テクノストラクチャー工法では、木の弱点を鉄の強さで補強したオリジナル部材「テクノビーム」を使用。
通常の木の梁と比べると「たわみ」が少ないので、長い年月が経過した後も、梁の「たわみ」からくる骨組み全体のゆがみがおさえられます。さらに地震などの一時的にかかる大きな力に強いのも安心のポイントです。

同じ長さの木製梁とテクノビームに約2.2トンの荷重を加えた実験では図のように、たわみ量が経年変化します。
新築時から30年後のテクノビームのたわみ量は木製梁の1/4以下と、高い耐久性を示しました。

接合金具にも徹底したこだわり

建物を強くするには、部材そのものだけでなく、部材どうしのつなぎ合わせ方、つまり接合も重要です。一般的な木造住宅では、木材を切り欠いて部材と部材を接合しますが、接合部の木材は部分的に細くなってしまい、その箇所が地震等で割れて建物の倒壊を招く例が見られます。また、施工者の技術差によって品質に差が出る可能性も考えられます。
テクノストラクチャーでは木材の切り欠きをできるだけ減らし、木の力を引き出す金具接合仕様を採用。施工者による強度のバラツキをなくし、接合部での安定した高強度を実現しています。

引き抜き強度もしっかりと対策

地震や風により建物が揺れると、建物上部の揺れに引っ張られて、柱が引き抜かれるような力がかかります。そのような場合に備え、テクノストラクチャーでは、柱の引き抜き強度を飛躍的に高めています。

緻密さが違う。
パナソニックが1棟ごとに行う構造計算。

テクノストラクチャーの構造計算は
法律で定められている水準を大きく上回る緻密さです。

「構造計算」は「住まいの災害シミュレーション」

構造計算とは、地震・台風・豪雪など家にどのような力が加わるかを計算し、その力に住まいが耐えられるかどうかを検証するもの。
いわば「住まいの災害シミュレーション」のようなものです。

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実は2階建て木造住宅では義務付けられていない「構造計算」

安心できる強い家を建てるためには大切な「構造計算」ですが、一般的にはあまり知られておらず、「家を建てることを考えはじめてから構造計算という言葉を知った」という方も多いかもしれません。
実はこの「構造計算」、建築基準法では一般的な2階建て木造住宅には義務付けられていません。
一般的な2階建て木造住宅は大半がもっと簡易な「壁量計算」という方法で建物の強度を確認して建設されているというのが実態です。

テクノストラクチャーでは
すべての建物について「構造計算」で科学的に強さを確認

法律では義務付けられていない「構造計算」ですが、テクノストラクチャーの家では、1棟1棟の間取りに対して必ず「構造計算」を行っています。
これは、間取りや条件が1棟1棟違う住宅の確かな安心のためには、建物の強さを科学的に確認する必要性があると考えてのこと。
強度が高い部材を使うだけではなく、その部材の組み立て方も重要。
だからこそ、テクノストラクチャーでは大工さんや建築士の勘に頼るのではなく、強さを科学的に確認する「緻密な構造計算」を行っています。

388項目に及ぶチェック項目で緻密な「構造計算」を実施。

ひとくちに「構造計算」と言っても内容は様々です。一般的に行われている構造計算が200項目程度なのに対しテクノストラクチャーの構造計算は388項目をチェックします。
厳しい自社基準を設定し安全性を追求しています。

「台風」「豪雪」「重い家具」…様々な要因を加味して建物の強度を確認

構造計算とは、地震・台風・豪雪など家にどのような力が加わるかを計算し、その力に住まいが耐えられるかどうかを検証するもの。
いわば「住まいの災害シミュレーション」のようなものです。

「構造計算」の保証書をパナソニックが発行

1棟ごとに行った構造計算の結果は、「構造計算書」と「構造計算保証書」としてパナソニックが発行しています。これは、構造計算結果と構造計算方法についてパナソニックが保証することを表す書類です。

さらなる安心を手に入れるために
できる地震対策とは?

耐震性に優れたテクノストラクチャーに、
さらなる安心をプラスするのが制震システムです。

安心して住み続けるために「耐震」+「制震」のダブルの対策

地震大国の日本では、いつどこで大きな地震が起こっても不思議ではありません。
また、近年は「巨大地震の発生」や「大きな地震が繰り返し発生する」など想定を超える地震が続いています。
家族が最も長い時間を過ごす場所である住まいだから、いつ起こるかわからない地震に備えて、「耐震」+「制震」で一歩進んだ安全対策をお勧めします。

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建物の揺れを最大72%低減する制震システム「テクノダンパー」

地震による建物の揺れは、上階ほど大きくなります。
テクノストラクチャーの制震システムは、建物の骨組みに組み込んだ制震装置「テクノダンパー」が、建物の揺れを吸収することで、建物の2階、3階部分の床の揺れを抑えます。
家具の転倒などの被害を抑える、壁紙を破れにくくする
など、家族の安全はもちろん住宅の資産価値も守ります。
テクノダンパーのモデルプランに地震の振動を与える解析シミュレーションでは、一般木造住宅と比べ、最大72%揺れを低減することを確認しました。※1

※1:基準法レベルの一般木造住宅(耐震等級1)とテクノスト ラクチャー(耐震等級3)にさらに「テクノダンバー」を配置 した住宅とを比較。モデルプラン(2階建)に地震の振動を与 える解析シミュレーションにより立証しました。(低減効果は プランにより異なります。)

※変形量は①を基準にした時の相対的な値。

※一般木造住宅を耐震等級1相当、テクノストラクチャーを等級3とした場合。

※入力地震波:兵庫県南部地震測定波JAM神戸NS(数百年に一度発生する地震動の大きさを測定)

※時刻歴応答解析シミュレーションによる。プラン、耐震等級、地震波など、解析条件によって結果は異なります。

繰り返し地震にも効果を発揮。高層ビルで採用される技術を応用した部材

テクノダンパーに大地震相当の負荷を与える実験では、100回以上負荷を加えても制震機能を維持していることを確認。※2 熊本地震のように繰り返し襲う余震対策としても効果的です。
また、高層ビルで採用される技術を応用した部材は、確かな機能性と高い耐久性があり、長期にわたり安定した制震性能を保持します。

※2:数百年に1度発生する地震の大きさを想定し、気象庁震 度階級の震度6以上に相当する変形を試験体に100回以上加 える試験を実施。テクノダンパー設置壁単体において、制震 性能がほとんど低下しないことを当社試験で確認しました。

世代を超えて住み続けるために
耐久性への徹底したこだわり

強い家を作るだけでなく、
家の強さを維持するために重要なのが、細部の劣化対策です。

構造体や断熱材の劣化を防ぐ結露対策

結露と言えば窓ガラスに発生する不快なもの、というイメージですが、結露が起こるのは目に見えている場所だけではありません。
結露の水分が構造体や断熱材を目に見えないところで腐蝕・劣化させると、住宅の性能そのものに影響を与えます。そのため、湿気対策・結露対策は構造体や断熱材の劣化を防ぎ、住まいの耐久性を高める重要なポイントと言えます。
テクノストラクチャーでは、湿気対策・結露対策として、住まい全体の通気に十分配慮して、構造体の耐久性を高める工夫をしています。

■小屋裏換気
屋根と天井の間にある小屋裏は湿気や熱がたまりやすく、冬場の湿気は結露の原因になります。この小屋裏を効率良く換気するために、軒裏に有孔板などの換気口を設ける、棟は自然換気棟を標準仕様とするなど、軒下から棟へと空気が抜けるようにしています。

■床下換気
床下も湿気がたまりやすい部分の1つ。
床下換気工法により、床下の湿気を効果的に排出し、土台や柱脚部の劣化を防ぎます。

■テクノビームの結露防止
テクノビームの芯材となる鉄の部分(軽量H形鋼)には、外壁面やバルコニー部分に断熱材を施工し、結露を防止しています。

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鉄には防錆対策。サビによる機能低下を防止

テクノビームの芯材となる鉄の部分(軽量H形鋼)には、部材そのものに防錆作用に優れた溶融亜鉛めっき処理を施すことで、住宅性能表示制度における最高等級(劣化対策等級3)の基準をクリアしています。
結露を防止するための断熱材施工だけでなく、部材そのものに対策をほどこすことで劣化による機能低下を防止しています。

省エネだけではない
快適と健康を見つめる断熱

断熱は家を建ててからの生活の質を左右する重要なポイントです。

日本の家づくりでの断熱の重要性

日本には四季があり、1年を通して気温や気候変化の大きい風土です。そのため、日本の家は季節によって変わる環境に対応する必要があります。
季節によって変わる気温や気候に対応するために重要なのが断熱性。外気の暑さ寒さをシャットアウトすることで、外気の影響を減らし、夏は涼しく冬は暖かい家を実現します。

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省エネと家の断熱性能

省エネというと、省エネ家電や電気を作る太陽光発電がイメージしやすいですが、家の省エネを考える時、家そのものの断熱性能や間取りの工夫も大きなカギを握ります。
エアコンや家電を省エネタイプのものにするなどの「設備の工夫」に加え、断熱性能を高めて、通風・採光を考えた間取りにするなどの「住まいの工夫」をすることで、より省エネ性の高い住まいを作ることができます。

快適性の先に健康を考えた断熱性能

断熱性が高いと、外気の暑さ寒さをシャットアウトすることができるので、効率よく快適な環境が得られます。逆に断熱性が低い家は外から熱気や冷気が侵入しやすく省エネがしづらいだけでなく、快適性も低くなるのですが、実は問題はそれにはとどまりません。
もう1つのキーワードは「健康」です。
最近では「住まいの断熱性が健康に及ぼす影響」の研究結果が発表されたり、冬場の室内温度差によって起こる「ヒートショック」についての問題が指摘されたりしています。健康に暮らしていくためにも、住まいの断熱性能を高めることは重要と言えそうです。

建ててからでは変更しづらいから、新築時によく検討したい断熱仕様

断熱性能を高めるにはいろいろな方法がありますが、建ててからでは変更しづらいという点は構造と同じです。地震や災害への強さにこだわり構造にこだわるのと同様に、どのような断熱仕様にするのかは、建てる前に検討が必要です。
テクノストラクチャーでは、地域によって大きく異なる気候に対応できるよう、地域ごとに断熱仕様を設定するなど、希望にあわせて最適な断熱仕様が選択できるように提案しています。

ZEH対応も可能高い 断熱性と省施工を両立した「テクノあったかパネル」

「テクノあったかパネル」はZEHなど省エネルギーな住宅への対応が可能な断熱パネルです。髪の毛の太さ(100ミクロン未満)ほどの微細な気泡構造に断熱性の高い発泡ガスを注入しており、小さい気泡が熱の移動を阻むことにより、高い断熱性能を実現しています。また、断熱材と枠材を一体化し、1邸ごとに必要なサイズに工場で加工した状態で現場に納品することで、作業者による施工品質のばらつきをなくし、計算した通りの断熱性能を現場で実現できます。

自由な設計を叶える
充実の部材ラインナップ

テクノストラクチャーは設計自由度を高める部材が充実。
木造住宅に、もっと自由と可能性を与える部材です。

狭小地でも大開口を実現する「Mフレーム」

高強度の門型フレーム「Mフレーム」を活用すれば、大きな開口を実現できます。この「Mフレーム」は国土交通大臣により構造強度の認定を受けている部材で、高強度を生かして1階をゆとりのあるビルトインガレージにするプランや、2階・3階に大きな窓を取るプランも可能に。
鉄骨造や鉄筋コンクリート造で同様の構造を実現するのと比べコストが抑えやすいというメリットも。
もちろん緻密な構造計算を行い、災害シミュレーションを行うので安心して大きな開口を取り入れられます。

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居住空間を広げる「オーバーハング」

2階、3階部分を1階よりも張り出させるオーバーハング。1階に庭や駐車スペースを確保しながら、2階、3階の居住空間を広げることが可能です。
木と鉄の複合梁「テクノビーム」の強さを生かし、一般木造では難しい大きな張り出しを下から支える柱なしで実現します。
強い部材を使うだけでなく、強度に問題がないかは構造計算によって徹底的に確認します。

変形敷地でも柔軟な対応が可能「斜め壁」

一般的には四角い建物を建てるのが構造的には強いといわれますが、土地の形は様々で四角い土地ばかりではありません。
隅切りのある角地や変形敷地に四角い建物を建てようとすると土地にデッドスペースができてしまいます。
テクノストラクチャーの独自部材を使った「斜め壁」を採用すれば、強度を保ちながら土地を最大限に有効活用できます。

大胆な空間構成の「スキップフロア」収納や趣味スペースのある家にも

壁ではなく段差によって空間をゆるやかに仕切るスキップフロア。
のびやかな空間が家族をよい距離感でつなぎます。
テクノストラクチャーの強さを生かせば、この斜めに広がっていく大胆な空間構成と建物の強さの両立が可能に。
空間を上手に調整することで、収納スペースを捻出したり、趣味スペースを作ったり、暮らし方の楽しみが広がります。

バルコニーとリビングを一体化する「フラットバルコニー」

たっぷりと日の光を取り入れることができ、防犯性にも優れた2階リビング。
そのリビングとバルコニーをつなげれば室内と外が一体化したリビングが出来上がります。
テクノストラクチャーでは専用の部材を使うことで、室内とバルコニーの境目の段差を解消できます。
つまずく危険が軽減でき、洗濯を干す際の動線も楽になります。

プランの自由度がアップする「幅狭耐力壁」

一般的な木造住宅では構造を支える耐力壁は600mm※1※2以上の幅が必要ですが、テクノストラクチャーの幅狭耐力壁は幅300mm・450mm※1※3なので、幅600mmに満たない壁も耐力壁とすることができます。奥行きの浅いクローゼット部分で耐力をとることでキッチン前の壁が不要になるなど、狭小間口でも耐震性を確保しながら大空間を実現。室内が広々した空間に感じられます。

※1:壁芯間の寸法です。

※2:面材耐力壁の場合。

※3:3階は300mmまたは450mm、上階は450mmとなります。