職場改善

2022.4.29

モチベーションサーベイは従業員と組織にメリット大! サービス例も含めて基礎知識を紹介

モチベーションサーベイは従業員と組織にメリット大! サービス例も含めて基礎知識を紹介

モチベーションサーベイは従業員の動機付けを測定することで企業に内在する課題を発見し、組織全体の改善に役立てる調査です。モチベーションサーベイで調べることができるのは理念の浸透度合いや企業風土、職場環境や満足度など多岐にわたります。

当記事ではモチベーションサーベイのメリットや調査の流れなどの基礎知識と外部のサービス例を紹介します。

モチベーションサーベイとは?

モチベーション調査

モチベーションサーベイとは、直訳すれば“やる気の調査”つまり従業員の“仕事に対する動機づけや目的意識の調査を指す言葉”です。ここでいう調査には、分析と評価も含まれます。自社の社員・従業員のモチベーションのレベルを知ることは、円滑な業務の推進と目標達成のために必要な施策の立案・実施を行ううえで不可欠です。

とはいえ、専門的な知識やノウハウがない企業がモチベーション調査を実施するハードルは低いとはいえません。そのため、近年ではコンサルティング会社等が提供するモチベーションサーベイサービスの利用が広まっています。

モチベーションサーベイで調べる対象は多岐にわたる

モチベーションといえば動機づけのことです。企業の従業員を対象としてモチベーションという言葉を使用する場合、業務上の能力アップや成長、実力発揮や目的達成などのよい結果を求めるといった建設的な動機を指します。それだけでも広い範囲の事柄について調査が必要です。

実際にモチベーションサーベイの調査内容はそれぞれで、動機づけだけを調査するわけではなく、調査項目の種類は多岐にわたります。個別に見れば、従業員満足度調査や従業員エンゲージメント調査と同様の調査を指すケースも少なくないようです。

モチベーションサーベイの3大メリット

モチベーションを素早く可視化できる

モチベーションサーベイの大きなメリットとして可視化があります。モチベーションは個人の心の中にあるもので、他者が外から見て知ることは容易ではありません。言動の変化や業績の推移などから想像することは可能ですが、あくまでも想像であり、見る人によって評価が変わり得ます。また、想像を前提にしたアクションを起こすわけにはいかないため、明確な指標が必要です。

モチベーションサーベイでは、効果的に設定された質問に対する回答を数値化します。モチベーションに関する各項目を、誰が見ても理解可能な数値によって可視化することにより、個人・部署・企業の各段階におけるモチベーションを把握できる点、しかもスピーディに実施できる点がモチベーションサーベイの重要ポイントです。

モチベーションの高低を左右する要因を把握できる

モチベーションサーベイによって数値化されたスコアを診断し、詳細に分析・検討することで、モチベーションの向上や阻害に深く関係する要因・課題の把握が可能な点も大きなメリットです。単にスコアの高低を知るだけで分析・検討を行わなければ、モチベーションサーベイの実施は中途半端なものとなってしまいます。

モチベーションサーベイを実施するその先には、効率のよいモチベーションの向上があるといえます。モチベーションの実態を把握し、課題を明確にすることで、改善策の検討と実施が可能です。

企業にマッチした調査が可能

組織形態や事業目的、人員構成など、企業の中身はまちまちです。したがって、モチベーションサーベイの内容も各企業で異なります。モチベーションサーベイの内容に決まりがあるわけではないため、企業が独自に作ったサーベイの実施が可能です。

コンサルティング会社や調査会社が提供するモチベーションサーベイサービスを利用すれば、より簡単で正確な調査と分析ができます。このようなサービスには項目の追加や削除、オプションが用意されているサービスもあり、各企業の実情や目的に応じたカスタマイズが可能な点が大きなメリットです。

モチベーションサーベイの実施

主な利用目的はよりよい企業を作るための状況改善

前述のように、モチベーションサーベイにはモチベーションを可視化して課題を把握し、改善策を通じて効率よくモチベーションを向上させる効果が期待されています。

何のためにモチベーションを効率よく向上させる必要があるのかといえば、よりよい企業を作るためです。そのためにモチベーションサーベイを利用して状況改善を図ります。主な改善項目は以下のとおりです。

  • ・経営理念の浸透
  • ・企業文化や風土の醸成
  • ・組織や制度の有効性検証
  • ・管理職のマネジメントチェック
  • ・職場環境の改善
  • ・離職率の低減
  • ・従業員満足度の向上

経営理念の浸透は、経営陣とすべての従業員が一丸となって目標達成に向かうために必要な要素です。この理念をベースとして良質な企業文化や風土が生まれます。業務推進においては、組織形態や各種制度、マネジメントの実施状況や職場環境が大きく影響します。企業がよい方向へ向かっているかどうかは、離職率や従業員満足度に表れるものであり、離職率の低減と満足度の向上が重要です。

上記7項目の中で問題を感じている部分があるとすれば、早急にモチベーションサーベイによる可視化を行い、対策を進める必要があるといえるでしょう。

実施計画

モチベーションサーベイは実施計画を作成するところからスタートします。前記7項目に代表される利用目的を明確にし、適切な質問内容の作成などの準備が必要です。自社でモチベーションサーベイを完結させる環境がない企業では、利用するサービス会社、活用するツールの選択が重要となります。

調査の実施

モチベーションサーベイの実施方法としては、Web上でアンケートをやりとりする手法がメインとなっています。Webで調査するメリットは大きく、ネットに接続されていれば、いつ・どこにいても調査が可能です。

また、紙のアンケート用紙とは異なり人力による配布の手間や郵便、宅配便のような輸送時間が不要で手軽かつ瞬時に送受信できます。また、紛失や情報漏洩のリスク低減も可能です。ただし、すべてのモチベーションサーベイがWeb上でできるとは限りません。Web上で実施できない場合、紙ベースのアンケートに対応しているサービスを選ぶことで実施可能です。

回答の分析

モチベーションサーベイにおいて、素早く正確に記入してもらうことと同様に、調査で返送された回答を集計し、分析する作業も重要です。集計を間違えたり、分析を怠ったりすれば有効な対策を打てなくなります。

Webのモチベーションサーベイなら、回収したアンケートの集計や分析もパソコン上のデータとして簡単に処理でき、間違いや抜けが生じる可能性は低いといえるでしょう。

結果の評価

分析結果の評価がその後の改善にとって重要となります。分析や評価は専門的なノウハウが役立つ作業です。アンケートの回収や集計を含めて、専門外の企業が自社で行うには膨大な時間や人数を必要とするなど、人事部門の負担が大きくなる可能性があります。

計画段階から一貫してサポートしているサービスを選択すれば、より効果的なモチベーションサーベイが可能です。

改善策の実施とモチベーションサーベイのサイクル化

改善策の立案と実施

モチベーションサーベイは、あくまでも改善策の立案と実施を行うために現状を資料化して可視化する調査であり分析作業です。サーベイを実施した結果、改善すべき点が見当たらない場合は理想的な企業である可能性が考えられます。一方で、改善点がない企業は考えにくいともいえるため、回答や分析・評価が正しく行われているかを確認する必要があるかも知れません。

また、調査自体が目的化してしまうと改善も形式的なものとなってしまいます。既にモチベーションサーベイを導入している企業では、手段と目的が曖昧になっていないか、有効に活用できているかを見直すことも必要でしょう。

効果の測定

モチベーションサーベイで明確になった課題に対する改善策は、実施すればそれで終わりではありません。立案した時点では有効と思えた策であっても、時間とともに効果がなくなる可能性があります。また、そもそも有効な策ではなかったケースもあるでしょう。したがって、改善策の効果が出ているのかどうかの測定が重要です。

改善策の効果を測定する手段としては、モチベーションサーベイが有効であるといえます。効果が出ていれば、課題となった部分のスコアがよくなっている筈です。スコアが悪ければ効果が出ていないと判断できます。

定期的なサイクルとして定着させる

モチベーションサーベイによって浮き彫りになった課題の改善状況を次回のモチベーションサーベイで確認するといったように、定期的に調査をおこない定点観測をしていく姿勢も重要です。

また、組織や制度を大幅に変更した場合や業務内容が変わった場合などは、モチベーションへの影響が考えられます。このようなイベントと定期的なサイクルのタイミングが合わないケースでは、臨時サーベイが必要です。サイクルの定着と臨時サーベイの組み合わせにより、よりよい改善効果を狙うことができます。

モチベーションサーベイのサービス例

株式会社トランストラクチャのモチベーションサーベイ

コンサルティングファームのトランストラクチャ社が提供しているモチベーションサーベイは、地域や企業規模、業種にかかわらず要件の設定から結果報告、アドバイスまで一貫したサービスが評価されているサービスです。

Web上での調査はもちろんのこと、紙・マークシートによる調査にも対応しており、モチベーションサーベイの一連の流れを1~2ヶ月という短期間で実施できます。標準版分析サービスでは、50問の標準選択設問と3問の自由記述設問に加え、20問の独自設問を設定可能です。

株式会社リンクアンドモチベーションのモチベーションクラウド

リンクアンドモチベーション社が提供するモチベーションクラウドは、20分程度のサーベイで組織の状況と課題を明確にするサービスとして打ち出されています。数多くの企業と従業員に利用され続けている実績が信頼の裏付けです。

個別項目の分析だけでなく、項目をクロスさせた分析も可能で、より詳細な現状の把握と改善策の立案に役立ちます。専門家によるアドバイスなどの支援で、より有効なサーベイの活用が可能です。

株式会社OKANのハタラクカルテ

OKAN社のハタラクカルテは、組織・部署・個人の3つのレベルで人材定着に関りの深い項目を調査するサービスです。各レベルの設問数は7、5、3で合計15個という回答しやすい個数で、効率よく調査できます。

人材定着というワードからは、離職率の高い企業向けと思われるかも知れません。しかし、人材定着はあらゆる課題とリンクしており、離職率の高さは他の課題が解決できなかった結果ともいえます。ハタラクカルテは業種や調査目的を問わず利用可能なサービスです。

まずはモチベーションサーベイで自社の状況を把握する

モチベーションサーベイは定期的なサイクルと臨時の実施によって、課題解決のための施策の効果を測定し、ブラッシュアップの役に立つサーベイです。また、実施を重ねることでモチベーションサーベイ自体をより効果的なものへとレベルアップすることも可能でしょう。

しかし、まずは最初の一歩が肝心です。未実施の企業はモチベーションサーベイの導入により、自社の状況と課題を正確に把握し、改善策を考えることから始めましょう。

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