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2021.08.31

快適なオフィス空間は業績アップのカギとなる?作り方を詳しく解説

快適なオフィス空間は業績アップのカギとなる?作り方を詳しく解説

多くの社会人にとって、オフィスは1日の中で最も長く過ごす空間です。座ったままで仕事をしていると、時には仕事中に集中力が途切れてしまうこともあるでしょう。

集中して業務を行うには、快適に過ごせるオフィス空間の演出が大切です。ストレスをできるだけ減らし、働きやすいオフィスにするためのオフィス空間の作り方を解説します。

オフィス空間を快適にするための必須項目とは?

社員にとって、オフィス空間の快適さは業務をスムーズに行える要因のひとつです。複数の要因を組み合わせることで、快適さを格段に上げられるようになります。

ここでは、その中でも特に必須とされる項目を3つ紹介します。

ワークスペース

ワークスペースは、オフィスの中でも長時間過ごす場所であり、デスクと椅子が置かれています。ワークスペースでは、仕事を効率的に進め、生産性を向上できるかが重要な要素となっています。

デスクと椅子以外にも、シュレッダーやコピー機、ウォーターサーバー、書類の収納棚など、多くの設備を置く必要があるため、全体のバランスが取れるように配置しなくてはなりません。

また、会議室は自然に近いデザインや素材を選び、落ち着いた雰囲気の中でリラックスして円滑な話し合いができるよう配慮しましょう。

オフィス家具

業務の進行を円滑に進めるには、オフィス家具の選び方にも注意する必要があります。一般社団法人日本オフィス家具協会では、椅子やデスクの安心・安全な選び方を紹介しています。

オフィスで使う椅子には、回転椅子、会議椅子、ソファーなどがあり、執務・会議・休憩の各場面で使い分けることが大切です。さらに、回転椅子に使われるキャスターは、柔らかい床用と硬い床用があるため、床の素材に応じたキャスターを選びましょう。

デスクは、高さが720㎜・奥行きが600㎜から700㎜のものが上記協会によって推奨されています。社員個々の身長によっては、フットレストなどでの調整が必要な場合もあります。

椅子・デスクともに、標準使用期間が定められていますので、定期的に確認することが重要です。

レイアウト

快適なオフィスにするには、動線を妨げないように配慮し、オフィス内をストレスなく移動できるようなレイアウト作りも求められます。それと同時に、安全性も確保しなくてはなりません。

オフィスのレイアウトを決める時には、法令の定めに従って決める必要があります。建築基準法第119条により、次のような規定があります。

  • ・片側にのみ部屋がある場合…オフィスの通路動線は120㎝以上必要
  • ・両側に部屋がある場合…オフィスの通路動線は160㎝以上必要

このほか、消防法により避難経路の確保も必要です。ただし、オフィスについては具体的な通路幅の規定が定められていません。そのため、建築基準法を順守した通路幅があれば問題ないとされています。

通路幅のほかにも、オフィススペースから避難階段までの距離も決められています。この数値は、スペースで最も奥の箇所から避難階段までの距離です。

  • ・窓がある部屋…15階以上では50m以内、14階以下では60m以内
  • ・窓がない部屋…15階以上では30m以内、14階以下では40m以内

これらを順守したうえで、万が一の際に避難を妨げないようなレイアウトを考えることが重要です。

さらに、デスクとデスクの間に必要なスペースも確保しなくてはなりません。各レイアウトで必要とされる一般的なスペースは次の通りです。

  • ・デスクが背を向けている通路…1,500mm
  • ・デスクサイドとデスクサイド…600mm
  • ・デスクと壁…1,500mm
  • ・デスクとコピー機…1,200mm
  • ・デスクと書庫(両開き)…1,400mm

これらを参考に、適切なレイアウトを考えていきましょう。

オフィス空間を快適にするためのステップとは?

オフィス空間は、社員が協力して仕事を行う場です。空間をどのように演出するかについても、企業をあげて検討していくことが必要です。

快適なオフィス空間にするためには、次のステップを経て改善点を見出していきましょう。

現状の問題を洗い出す

まず現状オフィスで抱えている問題を洗い出し、明確にします。例えばオフィス内の動線が悪く、業務の効率を下げていると感じている社員が多ければ、レイアウト変更の検討が必要でしょう。また、オフィス全体が暗くなってしまっていたら、オフィス家具の配置を見直すことも有効的です。

さらに、社員同士のコミュニケーションが取りづらい・仕事の効率が上げられないなどの意見があれば、休憩室とは別のミーティングスペースや、個室タイプの集中スペースなどの新設が必要かも知れません。

現状を正確に把握するには、実際に社員の意見を反映させましょう。社員は、日々オフィスで働いており、良い点・悪い点を最も細かく把握しています。社員から直接ヒアリングを行うことで、快適に仕事ができるオフィス空間が構築できるのです。できるだけ全社員の意見を聞くために、部署ごとで担当者を任命し、担当者が部署の意見をまとめて上層部に上げると良いでしょう。

上層部は、どのような意見も真摯に受け止め、オフィス空間をより良いものにしていくため、前向きに検討することが大切です。

コンセプトやイメージを明確にする

問題点が明確になったら、どのように改善していけば良いのか方向性を決めるために、コンセプトやイメージを作り上げていきます。コンセプトを決める時には、社員にとってプラスになるようにして、上がってきた意見に対応できる内容にするのが適切です。

オフィスがどのように変われば社員が感じている問題点を解決できるのか、なるべく具体的に検討していきましょう。

ゾーニングを行う

コンセプトが決まると、オフィスのゾーニングが必要になるケースも出てきます。ゾーニングとは、作業の生産性を上げるために、部署の配置および休憩室や会議室の場所を検討する作業をさします。

コンセプトに沿って、必要なスペースを決め、漏れがないよう注意します。後から修正するのには時間と費用がかかりますので、きちんと確認しながら吟味することが大切です。

必要なスペースが分かったら、部署の関係を考慮したうえで配置を決めます。機密情報を保管している部屋は外部から見えない場所にしたり、関係性の高い部署同士を隣の配置にしたりして、実際の業務を想像しながら決めると良いでしょう。また、作業動線が悪くならないような配慮も必要です。

専門業者のアドバイスを求めるのも有効手段

デスクワークが中心となっている部署では、オフィスレイアウトを変える業務を、それほど頻繁に行わないのではないでしょうか。通常業務に加えてこの業務を行うのは、担当者に大きな負担がかかります。

担当者の負担を軽減したい、もしくはプロの手助けを借りてスムーズにレイアウトを変えたいなどという場合には、レイアウトを専門に扱う業者にアドバイスを求めるのもひとつの方法です。費用はかかりますが、作業負担を大幅に軽減できるうえ、要望に合った適切なレイアウトに仕上げられます。

快適なオフィス空間を構築するために必要な条件とは?

快適だと感じるオフィス空間には、複数の条件が揃っています。どのような条件を揃えると良いのでしょうか。

開放感のある空間

狭いオフィスで、社員が密集して仕事をすると、業務効率が上がらずにストレスを感じることが多くなります。これに加え、オフィス家具や設備などが多いと、圧迫感を覚えるうえ必要なものが探しづらくなってしまいます。

よって、デスク間の間隔を広く取ったり、オフィス家具を選ぶ時に低めのものを選んだりするなどして、開放感があるオフィス空間にすることが大切です。また、パーテーションを付ける際には、できれば透明の製品を選びましょう。取り付け場所にもよりますが、透明であれば圧迫感を減らせます。

適切な温度・湿度

長時間を過ごすオフィスの温度・湿度は、体に負担のかからない範囲である必要があります。人によって適切だと感じる温度も異なるので、特に夏場はブランケットなどを使い、個々で調節を行っているケースも多いかと思います。

オフィス内が快適だと感じるためには、時間帯や季節・気候によって設定温度や湿度を細かく調整することが重要です。労働安全衛生法の中にある、事務所衛生基準規則5条3項において、空気調和設備が備わっているオフィスでは、室内の気温が17度以上28度以下・相対湿度が40パーセント以上70パーセント以下になるように努めなければならないと定められています。万人に快適な温度・湿度にするのは難しいものですが、この規則を基に調整するようにしましょう。

業務スペースとフリースペースの境界線がある

作業によっては、ひとりで集中して行う方がはかどるものもあります。このようなケースでは、普段仕事をしている業務スペースから離れて、フリースペースにある個室、もしくはパーテーションが付いているスペースで業務を行えると、メリハリがついて業務効率が上げられます。

常に個室で仕事をすると、社員同士のコミュニケーションが取りづらくなりますので、業務内容によって業務スペースとフリースペースを使い分けできるのが理想です。

動線の確保

オフィス内を効率良く移動するには、適切な動線の確保が求められます。例えば目の前にコピー機があるにもかかわらず、遠回りしないと使えない動線は、時間のロスになるばかりでなく、ストレスが少しずつ溜まってしまうものです。

多くの社員が使う設備は、誰もがデスクから移動しやすい場所に置くのが鉄則です。また、動線を確保するには、メインの動線・サブの動線・避難用の動線を区別し、それぞれが重複しないようにしましょう。行き止まりができないように配慮が必要な他、あまり使わない動線があれば、空間を有効利用するために再考してみましょう。

まとめ

快適なオフィスで仕事をしていると、社員の士気も上がり、社内全体の雰囲気も良くすることができます。さらに、業務の効率化ができることで業績アップも目指せるようになります。まずは現状を把握し、仕事がしやすいオフィス空間をつくり出す工夫をしていきましょう。

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