オフィス
2021.08.31
オフィス空間には癒しが必要?レイアウトや事例を見てみよう
オフィスは、仕事を行う場所であるとともに、社員同士のコミュニケーションを図る場所でもあります。
コミュニケーションを活性化させるには、社員一人ひとりの意見を出しやすい空間を演出することが大切であり、癒しをもたらすレイアウトもそのひとつだと考えられます。このため、社内全体でより良いレイアウトを検討することが必要です。
そこで今回は、オフィスのレイアウトについて深く掘り下げ、メリットや配慮のポイント、癒しをもたらすレイアウトの事例などを紹介します。
オフィスのレイアウトを変えるメリットとは?
オフィスのレイアウトを変えるのは、簡単にできることではありません。人手もコストもかかる大掛かりな作業ですが、得られるメリットも大きいものです。いったいどのようなメリットを得られるのでしょうか。
コミュニケーションが活性化される
日本のオフィスでは、部署ごとでまとまった場所へ固定席を設ける島型レイアウトを採用しているところが多く見られます。このレイアウトは、部署内でのコミュニケーションをとる目的においては大変優れていますが、視線が常に中心へ向いているため、他部署との関わりが薄れてしまうデメリットを持っています。
レイアウトを変えることで、同じフロアにいる他部署の社員と話す機会が増え、社内のコミュニケーションを活性化できるようになります。
アイデアが生まれやすくなる
レイアウトを変え、ミーティングスペースを設けると、会議室で打ち合わせをするよりも気軽に意見を出せるようになります。これにより、発想力が豊かになり、アイデアが生まれやすくなるのです。リラックスしている時に、良いアイデアが思いつくことを示す好例と言えます。
癒し空間を設けることができる
レイアウトを変えた結果、オフィス内に空きスペースができることがあります。このスペースに、社員が癒しを感じられるような空間を設けると、社員のリフレッシュに寄与できます。それほど広いスペースでなくとも、工夫次第で仕事モードからリフレッシュモードへと切り替えることができます。
ペーパーレスを進めている企業であれば、書類を保管していた棚に空きができているかも知れません。さらに整理し、棚の撤去ができれば、棚を置いていた場所を癒しスペースとして活用できます。
オフィス空間に取り入れたいレイアウトとは?
オフィス内に、次のようなレイアウトを取り入れると、仕事が捗るうえ、癒しの効果も期待できます。ぜひ選択肢に加えてみてください。
個室のようなレイアウト
近年増加しているのが、フリーアドレス制のレイアウトです。固定席を持たず、社員が席を自由に選べることで、特に営業職が多い企業ではオフィススペースの有効利用ができるとされています。毎回席が変わり常に違う人が隣に来るため、さまざまな人と接することができます。
ただ、集中して仕事をする時には、フリーアドレス制では都合が悪い場合もあります。そのため、フリーアドレスの座席とは別に、個室スペースも設けるのがおすすめです。自分1人の環境になることで、落ち着いて業務に取り組めます。
仮眠スペース
人間の集中力が続くのは、長くても90分程度だと言われています。毎日長時間仕事をしていると、集中力が途切れるのは自然の流れと言えます。業務の効率を上げ、生産性を高めるために、仮眠スペースを設けるのも良いでしょう。横になれるスペースが確保できない場合は、うつぶせに寝るためのデスクを置くだけでも問題ありません。
仮眠をとる場合には、15分程度が効果的とされています。仮眠の前に、カフェインを含んだ飲み物を飲むと、目覚めがすっきりしますので、社員に周知するのがおすすめです。
緑が見られるレイアウト
オフィスに緑が置かれていると、リラックス効果が生まれ、心を癒やす効果も期待できます。人工的な緑よりも、本物の植物の緑を見た方が、癒し効果はさらに高まります。
観葉植物を置くなどして、オフィス内に緑を取り入れましょう。癒し効果以外にも、温度や湿度の調節・目の疲労感緩和・空気の浄化など、植物の緑はさまざまな効果が期待できます。
オフィスレイアウトにリラックススペースを設ける際に配慮したいポイント
オフィスのレイアウトを決める時、社員のモチベーションを維持するために、気を付けたい点がいくつかあります。導入の参考にしていただければと思います。
リラックススペースから執務室が見えないように工夫する
リラックススペースは、文字通りリラックスするために設けられた場所です。執務室が見えると、気持ちの切り替えが不完全になってしまいます。
リラックススペースと執務室は、完全に区別するようにして、お互いの場所から見えないようにすることが大切です。さらに、リラックススペースの内装は、執務室と雰囲気を変え、社員が業務から離れてしっかり休息をとれるように配慮しましょう。
人数によってリラックスできる場所を分ける
リラックススペースは、人数によって場所を分けられるようにすると、目的によって使い分けることもできるためおすすめです。数人で利用する目的は、食事を摂ったり休憩したりコミュニケーションをとったりなどさまざまです。そのため、広めのスペースに大きめのテーブルを設置し、複数人数で使えるように工夫しましょう。
一方で、集中して仕事をしたい時や、考え事などをしたい時は、1人でリラックススペースを使うことも多いかと思います。この場合、パーテーションを設置して個別ブースのような形式のスペースを設けることも大切です。
防音対策を施す
リラックススペースは、執務室からの音や声が聞こえないように、防音対策を施しましょう。休憩中に仕事中の声が聞こえると、話している内容が気になってしまい、休憩した気分にならなくなってしまいます。
リラックススペースに防音効果を施すか、もしくは執務室や会議室などから離れた場所に設置し、社員が休憩時間をしっかりとれるような対策を行いましょう。
癒しをもたらすオフィス空間のレイアウト事例を紹介
実際に、オフィス空間で導入されているレイアウトの中で、癒しを感じられるようなものには、どのような事例があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
カフェ風スペースを設置した
近年のオフィスで増えているのが、カフェ風のスペースを設置するケースです。ゆったりしたソファや自然の素材でできたデスクなどを設置すれば、そこはまるでカフェそのものとなります。
カフェ風スペースを設置すると、業務効率を上げたりコミュニケーションをとれたりできるのはもちろんのこと、外出しなくとも社内にカフェがあるので、お金や時間を節約することができます。また、自席から離れていることで、座り過ぎを防ぐ効果も期待できるのです。
企業によって、実際に常駐の専任スタッフがドリンクを提供しているところや、社員がDIYを行ってセルフカフェとして仕上げたところなど、さまざまな形で導入されています。
キッチン設備を設け軽食が作れるようにした
オフィスの中央にオープンキッチンの設備を設け、料理を行うケースも見られるようになってきました。オフィスにキッチンがあると、普段の仕事では見られない社員の表情が見られ、会話のきっかけにつながることも多くなります。
また、社内だけでなく、生産者や取引先と交流を持つ場として活用する企業もあり、同じ料理を食べて考えを共有する取り組みも進められています。
靴を脱いで上がれる場所をつくる
オフィスでは、1日中靴を履いて過ごすことがほとんどです。足がむくみやすくなるほか、疲れが取れにくいことも多いでしょう。そんな時、畳やカーペット、フローリングなどを設けて、靴を脱いで上がれる場所があると、落ち着いて休めます。
靴を脱ぐことで、それまで締め付けられていた足で起こっていた血行不良が改善され、体全体に血液が行き渡りやすくなります。また、ストレスも軽減され、リラックス効果が期待できます。
足の臭いが気になる社員のために、靴を脱ぐ場所に制汗スプレーなどを置くと、社員に喜ばれるでしょう。
本を集めたライブラリーを設ける
リラックススペースに、あらゆるジャンルの本を置くこともおすすめです。業務に関係ない本でも、予期しなかったアイデアが浮かぶこともあります。また、社員が幅広い知識を持つことで、社外とのコミュニケーションにおける話題作りにも役立つでしょう。
企業の中には、社員や役員がおすすめする本を置き、興味を持った理由や伝えたいことなどを紹介しているところもあります。普段話す機会が少ない役員と接することができ、知見を広げるのに効果があります。
オールマイティに利用できる場所を設置する
リラックススペースとしてだけでなく、集中スペースやミーティングスペース、軽食を摂るスペースなど、多目的に使えるスペースにすると、設置価値が高まります。特に、来客者と簡単な打ち合わせをするのに、多目的スペースとしてリラックススペースを活用するケースが多いようです。社外の人物は、社内のレイアウトを見て企業の印象を決めますので、リラックススペースの存在は社員に対する期待度を表すアピールポイントとなります。
マッサージチェアを設置する
長時間同じ姿勢で座り続けていると、体が固まり動きにくくなるうえ、全身の血行が悪くなります。リラックススペースにマッサージチェアを設置することで、疲れが溜まった全身のコリをほぐすことができます。個室であれば、より一層リラックス効果が高められます。
なお、マッサージチェアを設置する際には、1人の社員が長時間使うことのないように、あらかじめ時間を決めておくと良いでしょう。
まとめ
オフィス空間に癒しを感じられると、社員に好影響を与えられ、社員のモチベーションアップが期待できます。今回紹介した事例は、コストがあまりかからない方法や、まとまったコストがかかる方法など、さまざまなものがあります。
この記事を参考にしていただき、企業に合った方法を導入していただければ幸いです。
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