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監視・防犯カメラのクラウド録画サービスとは?メリット・デメリットや選び方を解説

更新日:2023/03/24
監視・防犯カメラのクラウド録画サービスとは?メリット・デメリットや選び方を解説
防犯カメラのクラウド録画サービスとは、どのようなものでしょうか。メリット・デメリットから、主な使用用途、利用時の注意点などを解説。最適なクラウド録画サービスを選ぶために、比較するときのポイントについてもご紹介します。
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防犯カメラのクラウド録画サービスとは何か

防犯カメラのクラウド録画サービスとは、ネットワークカメラで撮影・録画した映像を、インターネットでクラウドに保存するサービスです。

クラウド録画サービスの仕組み

クラウド録画できる防犯カメラや監視カメラは、インターネットに接続できる環境下で使われ、クラウドプラットフォームにアクセスして録画した映像をそのまま保存します。録画した映像を確認するときは、インターネットでスマートフォンやPCからそのクラウドにアクセスして、どこからでも視聴可能になります。

クラウド録画の仕様

ネットワークカメラは内部の機器にIPアドレスが設定されており、その機器だけでインターネットに接続して、クラウドに録画した映像をアップロードできます。またネットワークカメラそのものがインターネットと接続しているため、遠隔地からリアルタイムで画像を確認したり、カメラをリモート操作したりすることも可能です。

なおクラウド録画サービスを提供する事業者は、高レベルの個人情報を取り扱う事業者として、情報漏洩に対して厳格な対策を行っています。

従来の防犯カメラ・監視カメラとの違いは何か

従来利用されてきた防犯カメラ・監視カメラと、クラウド録画対応ネットワークカメラの違いは、映像の確認のしやすさです。防犯カメラ・監視カメラは配線で繋がれており、専用のモニターにだけ映像が映る仕組みです。そのため、ビルであればセキュリティルームのモニターでしか映像が確認できず、監視員による見落としのリスクがありました。

一方、クラウド録画サービスで利用するネットワークカメラは、ネットワークを介してPC・スマホでどこにいても映像を確認できます。

従来の防犯カメラ・監視カメラよりも監視がしやすく、かつ監視の目が多いことでリアルタイムの異変に気付きやすいという違いがあります。

防犯カメラのクラウド録画サービスを活用するメリット

防犯カメラのクラウド録画サービスには、さまざまなメリットがあります。

遠隔地から映像を確認できる

クラウド録画できない防犯カメラの場合は、カメラやレコーダに映像が保存されるので、その場所に行かなければ映像を見ることができません。しかしクラウド録画できれば、インターネットに接続できる環境なら遠隔地からでも、どこでも防犯カメラで撮影した映像を確認できます。

導入コストと管理コストを抑えられる

クラウド録画の場合、録画装置やサーバの設置の必要がありません。そのため防犯カメラの導入コストを抑えられます。また防犯カメラを運用する際も、サーバなどの管理費用を抑えられます。

防犯や監視だけではなくマーケティング・店舗改善にも活用できる

クラウド録画サービスを利用することで、店舗毎の時間による来店が集中する時間帯、売れ筋商品、顧客の動線などをリアルタイムで確認できます。映像から得られる情報を基に販売戦略を練ることで、店舗毎の施策だけでなく、他の店舗でも活用できるマーケティングのヒントを得られます。また在庫管理やスタッフ管理にも活用でき、マーケティングにおいて高い効果を発揮できるでしょう。

データの消失・カメラの破損などのリスクが小さくなる

空き巣などが入った場合、設置されている防犯カメラを壊したり持ち去ったりする場合があります。クラウド録画ではない防犯カメラの場合、録画データごとカメラを失うことになります。しかしクラウド録画ならデータがクラウドに保存されており、データが消失するリスクを軽減できます。

スタッフの商品管理と衛生管理が効率化できる

ネットワークカメラは商品の並ぶ店舗内だけでなく、バックヤードにも設置することで、商品管理や衛生管理の効率化にも繋がります。特に商品の入れ替わりが激しい小売店の場合、商品の在庫や補充状況をいつでも確認できるため、スムーズな商品管理が可能です。

また食品を取り扱う店舗であれば、HACCPに基づく衛生管理が義務化されており、店舗で働く従業員の負担が増えています。クラウド録画サービスを利用することで、衛生管理についてもモニタリングしやすくなり、時代に即した運営にシフトチェンジできるでしょう。

動体検知機能で不測の事態にもスムーズな対応が可能

クラウド録画サービスには、動体検知機能と通知機能を搭載したタイプもあり、不審な動きをする人物がいた場合でもスムーズな対応が可能です。リアルタイムで監視機能があることにより、店舗などを運営する従業員も安心して働けます。不審者が現れた場合には即座に警報や通知音を出し、事業者と警備会社等へ連絡を行えます。

防犯カメラのクラウド録画サービスを活用するデメリット

一方、防犯カメラのクラウド録画サービスにおけるデメリットには、次のようなことが考えられます。

インターネット環境で不具合が生じる

クラウド録画サービスでは、インターネットに接続して撮影した映像がクラウドに保存されます。そのためインターネット環境によって、通信が不安定になったり遮断した場合、録画データが途切れる可能性があります。これを予防するために、主回線の通信が不安定になった場合は、別の回線に切り替える機能があったり、通信できないときは内部メモリに保存される機能もあります。

情報漏洩のリスクがある

インターネットを介して録画データを保存・管理することになるため、情報漏洩の可能性が生じます。クラウドに録画データが送信されるときは暗号化されていますが、万が一のリスクはゼロではありません。また、クラウドのサーバがダウンしたり、データが消失することも考えられます。

ランニングコストが発生する

カメラの設置費用などの初期費用のほか、毎月の利用料金、メンテナンス費用が発生します。ランニングコストは契約期間や録画する日数などでも変わるため、自社に適切なプランを相談したうえで選ぶことが大切です。

ただしクラウド録画サービスの場合、通常の監視カメラのようにシステム構築が不要となっており、初期費用は通常の監視カメラ・防犯カメラより大幅に安く導入できます。

防犯カメラのクラウド録画サービスの主な使用用途

クラウド録画サービスは、防犯カメラ・監視カメラより多くのメリットがあることからビジネスや防犯などいろいろな場所で利用されています。どのようなシーンで使用されるのか、主な使用用途をご紹介します。

使用用途1:河川における氾濫の監視

地球温暖化の影響もあり、日本では毎年大雨で河川の氾濫が起きています。河川の氾濫は周辺住宅に甚大な被害を及ぼすだけでなく、付近の住民の命にも関わる重大な災害です。

ネットワークカメラは遠隔地から河川の状況をリアルタイムで確認でき、氾濫危険水位に達していないか、いつ氾濫するおそれがあるかなどを予測するのに役立ちます。

使用用途2:牧場・農場への侵入検知

牧場・農場でクラウド録画サービスを利用すれば、家畜や農作物の盗難を防止する効果が期待できます。リアルタイムで不審者を検知できるため、異常が起こってもすぐに対応できるのがクラウド録画サービスのメリットです。

また動物による家畜・農作物被害も増えているため、対策を練るうえで一定の効果が期待できます。牧場・農場のセキュリティの弱さをカバーし不審者等の動線を把握でき、被害を未然に抑止することができます。

使用用途3:防犯・監視

クラウド録画サービスのネットワークカメラを利用する目的で最も多いのは、防犯と監視目的の使用です。クラウド録画サービスを利用していれば、遠隔地からでも店舗内を監視しやすく、リアルタイムの映像もチェックできます。顔認証機能のあるネットワークカメラを使用すれば、不正侵入を防止し、不審者を早急に割り出すことも可能です。

また近年は工場でのトレーサビリティ確保や製造ラインの品質管理、業務管理などクラウド録画サービスの活路は広がっています。夜間であれば赤外線を利用したサーマルカメラで人を検知し、不審な動きをする人物を捉えられます。加えて、全国どこにいてもインターネットに接続して店舗等の様子を確認できることから、わざわざ店舗に足を運ぶ必要性もなくなる点もメリットです。

使用用途4:従業員による不正防止

クラウド録画サービスを利用すれば、バックヤードでの従業員の様子を確認でき、店舗内での不正防止にも効果的な施策となります。またマイク内蔵のネットワークカメラを設置すれば、社内のパワハラやセクハラなどのトラブルの証拠になり、社内のコンプライアンスを高める効果も期待できます。

社員が顧客との間でトラブルを起こした場合でも、トラブルの原因追求に役立つでしょう。

使用用途5:密集の回避

クラウド録画サービスはリアルタイムで人の動き、密集の状況を確認できることから、密集を回避する点でも有効な対策を打てます。時間帯毎の人の動きを把握し、密集を避けた行動や動線の確保のための店舗改善に利用できます。

防犯カメラのクラウド録画サービスの比較ポイント

さまざまなクラウド録画サービス型の防犯カメラがありますが、どのようなポイントでそれらを比較して最適なものを選べばいいのでしょうか?

映像データのクオリティ

クラウド録画サービスを利用するなら、画像解析の精度と撮影範囲を含む映像データのクオリティは重要なポイントです。防犯や監視を目的とするだけでなく、マーケティングを目的とするなら顧客の性別・年齢層・人数・動線など細かく分析できるネットワークカメラを選びましょう。

ネットワークカメラは通常の魚眼レンズタイプだけでなく、360度自由に確認できるカメラもあります。防犯に力を入れるなら動体検知機能付きの360度カメラ、マーケティングに使用するなら人物認識機能のあるカメラがおすすめです。

カメラ以外の搭載機能・連携機能

クラウド録画サービスには、カメラの機能だけでなく、POSレジ連携やデータ分析、配信、遠隔操作機能など機能性の豊富なサービスがあります。小売店に設置するならPOSレジと連携することで、顧客の動線と売上がアップする店舗改善を提案できるサービスを選ぶのがいいでしょう。

またエンターテインメント性を持たせるなら、動画配信サイトで映像を配信できるサービスを搭載したタイプもあります。設置する企業・店舗の目的やマーケティング戦略に応じて、搭載されている機能を選ぶと業務効率化に繋がります。

給電の方法

通常の監視カメラでも同様ですが、天井付近にネットワークカメラを設置する場合、どうやって給電するかも考えるべきです。一般的な監視カメラの場合は、新たに電源を引いたり、延長コードで壁面を沿わせたりする必要があります。加えてモニター室との専用回線も必要になるため、かなり大掛かりな工事が必要です。

一方ネットワークカメラの場合、工事なしで電源を確保できるPoE回線に対応したカメラも選べます。LANケーブルから直接給電するため、配線工事の手間を最小限にします。

映像データの保存期間

映像データがどのくらいの期間保存されるかは、契約するプランによって異なります。企業の場合は1カ月以上が一般的で、さらに長期間の保存が可能なプランもあります。それぞれの目的にあわせて、どのくらいの期間保存するべきか検討するといいでしょう。

セキュリティ

防犯カメラを取り扱う上で覚えておきたいのが、撮影した映像には個人が映ることから個人情報になる可能性がある点です。そのため暗号化されてクラウドに送信される等、セキュリティ面についてもチェックしておくべきです。また、そのクラウドでのセキュリティレベルがどのくらいか、どのようなセキュリティ対策が行われているか確認して、信頼できるサービスを選ぶといいでしょう。

価格・ランニングコスト

導入にかかるコストのほかに、使用している期間には毎月の利用料金が発生します。そのような導入コストと毎月かかるランニングコストは、カメラの台数やデータの保存期間などによって変わってきます。それぞれの目的に最適で、予算にあったコストを見越して考える必要があるでしょう。

サポート体制・保守サービス

防犯カメラは、いつでも24時間365日作動することが大切です。「カメラが突然動かなくなった」「映像データが記録されていなかった」など万が一の事態が起きたときに、すぐに対応してくれるサポート体制があると安心できるでしょう。保守サービスを年間契約する場合もあります。夜間や休日などに緊急事態が起きても、すぐに対応してもらえて心強いはずです。

防犯カメラのクラウド録画サービス利用時の注意点

防犯カメラのクラウド録画サービス利用時の注意点

従業員からの理解が必要

クラウド録画サービスを利用する場合、更衣室やトイレを除き、店舗内にデッドスペースができないようにネットワークカメラが配置されます。そのため従業員も常にカメラで監視されているような、心理的な抵抗感を覚えることがあります。

クラウド録画サービスでは従業員の顔も記録され、サービスの質向上に利用されることから、導入の際には従業員の理解は必須となります。説明なしに導入した場合は、従業員からの反発を招くおそれもあります。クラウド録画サービスを導入する際は、従業員への丁寧な説明を行い、必要性への理解を得たうえで設置しましょう。

導入時にコストや手間がかかる可能性がある

防犯カメラのクラウド録画サービスを導入する場合、インターネット回線の環境を整えなければなりません。それらの整備に必要な電源やケーブルなどの機器、事務手数料などがかかる場合があります。

オプション料金に注意

クラウド録画サービスには、リアルタイム配信や画像解析など、さまざまな機能がオプションとして用意されている場合が多くあります。それらをすべてつけると、ランニングコストがかさむことになります。またクラウドストレージ容量によって、料金も異なります。本当に必要な機能だけを選んで利用するといいでしょう。

録画データのセキュリティ管理が重要

防犯カメラ・監視カメラでも同じことがいえますが、クラウド録画サービスでも録画したデータのセキュリティとプライバシー管理には注意が必要です。

中でもクラウド録画サービスは、インターネットを通してクラウドに保存される特性上、ネット上に流出するリスクが少なからずあります。そのためクラウド録画サービスでは、データの暗号化やVPN接続など、情報流出が起きにくくする対策と、起きてしまった場合の対策が必須となります。

映像の保存期間は1か月以上が好ましい

クラウド録画サービスは、映像データがクラウドに保存されるという特性上、従来の監視カメラよりも長期にわたる映像データの保存が可能になりました。しかしあまりに長期間映像データを保存しても、コストだけがかかって無駄になってしまいます。

防犯やマーケティング、万が一の証拠映像として保存するなら、望ましい期間は1カ月以上です。マーケティングの観点でも、月に1回程度は映像データを分析してレイアウトを変更するのが好ましいですから、1カ月以上保存しておけば問題はないでしょう。

防犯カメラのクラウド録画サービスの参考費用

クラウド録画サービスを利用する場合の参考費用を紹介します。
クラウド録画サービスで費用を決定するポイントは、以下の4つです。

  • 初期費用(カメラ1台当たりの料金による)
  • クラウド使用料
  • オプション料金
  • 回線使用料

それぞれを詳しく見ていきましょう。
まず、初期費用ですが、カメラ一台当たりの料金は次の通りです。

初期費用
カメラ本体 27,280円/月~

次にカメラ1台当たりのクラウド使用料についてです。

録画期間 月額使用料
7日間 1,320円
14日間 1,815円
30日間 2,200円
60日間 2,750円
90日間 3,300円
180日間 4,950円
365日間 7,700円

長期保存になるほど使用料は相対的に安くなりますが、一度に支払うコストも大きくなる点に注意しましょう。
次に、参考オプション料金です。

オプション機能 月額費用
人数カウント 3,300円(端末ごと)
ライブ配信機能 3,300円(端末ごと)
POS連携機能 2,200円(端末ごと)
データ無制限ダウンロード 3,300円(端末ごと)
タイムラプス機能 5,500円(端末ごと)
オートスナップショット機能 1,650円(端末ごと)
シェア人数上限アップ 330円(端末ごと)

この他、回線使用料は別途必要となります。

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