MATCH INFORMATION
試合詳細
NTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2022 第15節
VISITOR
埼玉ワイルドナイツ
埼玉WK
10
前半
10
29
後半
0
グリーンロケッツ東葛
GR東葛
柏の葉(千葉)
STARTING MEMBER
ヒーナン ダニエル
セミシ トゥポウ
ハドレー パークス
★ゲームキャプテン
RESERVE MEMBER
マッチリポート
前半
雨降りしきる中キックオフを迎えた、NECグリーンロケッツ東葛戦。
前半1分に相手のハンドリングエラーから最初のスクラムが組まれると、フリーキックを獲得。再びスクラムを選択し組み直せば、ペナルティーを獲得した。
敵陣22mで得た、最初の得点機。
スクラムハーフの小山大輝選手がラック横を縦につけば、早速先制のトライ。山沢拓也選手のコンバージョンゴールも成功し、前半5分、7-0とスコアを動かす。
続く攻撃で観客を沸かせたのは、山沢選手。自陣深い位置で短くボールを蹴り上げると、自らボールをキャッチしおよそ50mゲイン。右サイドを駆け上がっていた14番・竹山晃暉選手にボールを放れば、あっという間に敵陣22m内に陣地を進めた。そこからアタックを仕掛けるが、しかしインゴールまであと8m程という位置でノックオン。立て続けのトライとはならなかった。
前半13分、GR東葛のペナルティーから山沢選手がペナルティーゴールを狙うが、これは失敗。
前半16分には竹山選手の50:22から敵陣深くでマイボールラインアウトを得ると、2桁フェーズを重ねながらスペースを探し出す。一連の攻撃の中で得たペナルティーから再びPGを選択すれば、山沢選手が今度はしっかりと沈めた。10-0、リードを広げる。
GR東葛に最初の得点を許したのは、前半24分。スクラムからボールを繋がれると、DFラインのギャップを突かれトライ。10-7、追従を許す。
前半27分には相手ボールスクラムでペナルティーを取られてしまい、自陣に踏み入れられると、PGを献上。同点に追いつかれる。
その後も、この日がリーグワンデビュー戦となった下釜優次選手がセンターやフランカー経験者らしいボディーワークをみせながらインゴールまで迫るが、惜しくもタッチに。
10-10の同点で前半を折り返した。
後半
後半は埼玉ワイルドナイツらしいディフェンスとアタックが連発する。
この日が復帰戦となったベン ガンター選手がジャッカルを決めれば、山沢選手がタッチキックで敵陣5mまで陣地を進める。そのままラインアウトモールを押し込み、下釜選手が2シーズン振りのトライ。
後半3分、15-10とまずはリードを奪い返す。
ディフェンスでも、相手攻撃にプレッシャーを掛ける。強い圧力でノックオンを誘うと、敵陣22mでのマイボールスクラムから縦へのチャンスを伺う。
山沢選手から大西樹選手、マリカ コロインベテ選手が抜け出した所サポートに走り出した小山選手にオフロードを放れば、小山選手がこの日2本目のトライ。
コンバージョンゴールも成功し、22-10、リードを広げる。
続くキックオフからはハイボールの蹴り合いになると、落ち着いてキャッチしたのはFB野口竜司選手。小山選手、クレイグ ミラー選手、コロインベテ選手を経由してゲームメーカー・山沢選手の手に渡ると、すかさずオープンサイドへキックパス。走り込んだ11番・セミシ トゥポウ選手がおよそ60mを走り切って独走トライを決めた。後半12分、27-10。
後半14分には、この日3本目となるアウトサイドで長いタッチキックを蹴った山沢選手。相手ボールラインアウトからGR東葛が攻撃続けると、すかさずタックルに入り、そのまま自らでジャッカルに入ったのは下釜選手。レフリーの手が上がれば、仲間も祝福に駆け付ける。
5本目のトライは、後半23分。ヒーナン ダニエル選手の強いボールキャリーからペナルティーを得ると、敵陣深くでラインアウトモールを組む。崩れた先でフォワードが体を何度か当てれば、最後はエセイ ハアンガナ選手がトライ。
後半24分にはダニエル・ペレズ選手、丹治辰碩選手が登場し、埼玉ワイルドナイツでのファーストキャップを獲得。
後半27分には、登場したばかりの高城佑太選手、布巻峻介がともにブレイクダウンで頭を突っ込み、ジャッカルに成功した。
試合最終盤、山沢選手に代わってスタンドオフのポジションに入ったのは、今季プレシーズン中に初めてスタンドオフへの挑戦を始めた竹山選手。
マイボールスクラムでペナルティーを得ると、クイックスタートからFWが何度か体を当てディフェンスを引き付けた。ディフェンスの寄りを見逃さなかった竹山選手が逆サイドにキックパスを蹴り上げると、キャッチしたのは大外で待ち構えていた丹治選手。そのままグラウンディング、初出場・初トライをマークした。
竹山選手がコンバージョンキックを蹴った所でノーサイド。
39-10、第9節・トヨタヴェルブリッツ戦以来となる、ボーナスポイントを獲得しての勝利を収めた。
試合後記者会見
■ロビー ディーンズ監督
みなさんに非常に良いラグビーの試合をお見せ出来たことを嬉しく思う。天候はタフだったが、このような結果を得られて良かった。
今日はチーム全体が良いパフォーマンスをしてくれたが、中でも初キャップを獲得したペレズ選手と丹治選手、80分戦ったヒーナン選手、藤井選手もスクラムで良いパフォーマンスをしてくれた。そして何より、コーネルセン選手と山沢選手のチャレンジングなプレーが勝利に導いてくれた。
ヒーナン選手は、レジェンドの一人。チームの歴史の中にも中々いない存在。40歳という年齢だが身体能力は高く、フル出場。それが出来るのは、試合への準備の質が高いこと、そして自身の管理方法をマスターしているからである。
選手たちは埼玉ワイルドナイツのジャージを着ることに価値を感じている。次の試合、その次の試合、そのまた次の試合に向けても準備をしていきたい。
■ジャック コーネルセン ゲームキャプテン
前半は自分たちのノックオンや規律を守れなかった所から失点をした。後半は修正して、キックを有効に使いながらプレー出来た結果、今日の勝利に繋がった。
■山沢拓也選手
前半はシンプルにラグビーをしようと心掛けていたが、アタックでミスがあり自分達でプレッシャーを掛けてしまう状態となった。
しかし前半途中から敵陣でプレー出来るようになり、得点こそ同点で折り返したが、ネガティブに捉える前半ではなかったかなと思う。
後半は前半の修正点・課題をうまくチームの中で対応したおかげで勢いをつけることが出来た。試合を重ねると様々な天候もあるが、自分たちのラグビーを試合の中で修正・対応できたと思う。
試合経過
試合開始
GR東葛ボールのキックオフで前半開始
前半4分
前半20分
埼玉WK、山沢 拓也、ペナルティーゴール成功 10-0
前半24分
GR東葛、埼玉WK陣ハーフライン付近センタースクラムから右に持ち出し9番から裏にキックを転がすと14番がセービングしながら再獲得、左に展開しパスとオフロードパスを繋ぎ左中間でラインブレイクしそのまま走り切りトライ。ゴール成功。10-7
前半終了
埼玉WK 10 - 10 GR東葛
後半開始
埼玉WKボールのキックオフで後半開始
後半3分
後半7分
後半9分
埼玉WK、GR東葛陣22mライン上右中間スクラムから左に展開しハドレー パークスがラックを作り連続攻撃、徐々に前進する中、マリカ コロインベテがラック際で一瞬の加速でゲインし小山 大輝にオフロードパスを繋ぎラインブレイクするとステップを駆使しそのまま中央に飛び込みトライ、山沢 拓也 ゴール成功 22-10
後半10分
後半12分
後半17分
後半23分
埼玉WK、GR東葛陣ゴール前約10m左ラインアウトからモールを作りゴール前約2mまで前進しラックになると、ジャック コーネルセン、クレイグ ミラーがゴール目前までボールを運ぶと、エセイ ハアンガナが力強く左中間にねじ込みトライ、山沢 拓也 ゴール成功 34-10
後半24分
後半28分
後半32分
後半40分
試合終了
埼玉WK 39 - 10 GR東葛
ギャラリー
ギャラリー
試合の見どころ
リーグ戦も、残すはあと2戦。最後のビジターゲームの相手は、第2戦での対戦が叶わなかったNECグリーンロケッツ東葛である。
GR東葛には、かつてのチームメイトである田中史朗選手やアッシュ ディクソン選手、児玉健太郎選手らが所属する。ウェールズ代表のジェイク ボール選手に日本代表のレメキ ロマノラヴァ選手らも名を連ね、ベテラン選手たちがチームの核となって今シーズンを作り上げてきた。
一方の埼玉ワイルドナイツは今節、プレーオフに向けいくつかの新しいコンビネーションを試す。
ヴィンス アソ選手、マリカ コロインベテ選手のセンターコンビは今季初。山沢拓也選手・京平選手も初めて揃ってのメンバー入りを果たし、同時にピッチに立つことはあるかと注目される。
前節・横浜キヤノンイーグルス戦での勝利をもって、プレーオフ進出が決定した埼玉ワイルドナイツ。新たなエネルギーを注入しながら13連勝を目指す戦いは、見どころ満載だ。
今節の注目ポイント
ペレズ選手&丹治選手、ファーストキャップなるか
出場すればこれがワイルドナイツ初キャップとなる、ダニエル ペレズ選手と丹治辰碩選手がメンバー入り。
ペレズ選手は、大学では第3列。埼玉ワイルドナイツに加入後、Miter10時代に経験したプロップへポジションを戻した。4月に加入したばかりの選手でもあり、その実力は未知数。未完の大器のデビュー戦を、見逃すな。
一方の丹治選手は2019年に加入し、地道な努力を続け、ようやく掴んだファーストチャンス。高校卒業後一度はラグビーから離れたが、それでも再びラグビーを選んだ想いは強い。
「人生で今が一番、ラグビーがしたい。とにかく大勢のファンの皆さんの前でラグビーがしたい」とシーズン前に語った熱い気持ちを、ぜひグラウンド上で表現してほしい。
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今シーズン初出場の3選手
2020年以来2シーズンぶりのメンバー入りは、高城佑太選手と下釜優次選手。ヒーナン ダニエル選手は、昨季決勝戦以来の公式戦だ。
下釜選手はセンター・フランカー経験者らしく、ジャッカルやタックル、パスなどのスキルの高さはリーグワンフッカーの中でも随一。FW陣の中でもベテランの年齢に入った今、若手選手たちにアドバイスを送る姿も練習中には見受けられる。
スクラムハーフの高城選手は、自分に厳しく日々の個人練習に向き合う姿が印象的。ヒーナン選手は言わずもがな、埼玉ワイルドナイツのレジェンドである。
ナイツの兄貴的存在である下釜選手、そしてストイックに練習に打ち込む高城選手とレジェンド・ヒーナン選手のリーグワンデビューを、見逃すな。
会場アクセス