吉川コーチインタビュー
森田 香織
私たちは日々、「横浜から、世界へ。」を活動目標に、オリンピックや世界陸上といった世界の舞台を目指して活動しています。
そんな中、エンジェルスには、2007年の「世界陸上競技選手権大阪大会」に1500m、2012年の「ロンドンオリンピック」に5000mと10000mで、日本代表として出走した吉川美香さんがいます。
現在はエンジェルスのコーチとして、走りの指導はもちろん、メンタル面や同じ実業団選手として走っていた経験や、世界で戦った吉川コーチならではの考え方・ノウハウを指導してくださっています。
パナソニックのチーム記録は現在も1500m・5000m(日本人選手)・10000mは吉川コーチが持っていて、15年間破られていません。
私たちもそのチーム記録に追いつき、追い越していく選手になれるように、現役当時に大切にしていたこと、心境や感じたこと聞いてみたいと思います。
吉川 美香
1984年9月16日生れ
神奈川県相模原市出身
神奈川県立荏田高校を卒業
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2003年
パナソニックモバイルコミュニケーションズ株式会社(当時)入社
パナソニック女子陸上競技部 入部 -
2006年
世界クロカンで初の日本代表
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2006年
日本陸上競技選手権1500m初優勝
2006~2010年で大会五連覇を達成 -
2006年
アジア競技大会初出場
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2007年
世界陸上競技選手権大阪大会に出場
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2012年
日本陸上競技選手権10000m優勝
ロンドンオリンピック出場
~自己ベスト~
- 1500m4'10''00
- 5000m15'15''33
- 10000m31'28''71
日本代表や世界大会を意識し始めたのは、いつからですか?
高校時代、県のユニフォームを着た際、とても特別な気持ちで、代表ユニフォームへの憧れから日本代表を意識し始めました。
具体的には入社3年目にドーハアジア競技大会を目指した時です。
現役当時モチベーションになっていたことは何ですか?
支えてくれている人に喜んで欲しい、応援の声である事は間違いないと思っています。
あとはレース後のご褒美ラーメン(笑)
入社してから引退まで、毎年自己ベストを更新していたと聞きました。
その秘訣は?
身体が丈夫であること!
中高生の時期に沢山食べ、骨密度などには自信がありました。
怪我せず継続した練習をする為に、身体との対話については、すごく慎重に行なっていました。
お休みの日はどのようなことをして過ごしていましたか?
サッカー観戦!!あとは友達と買い物やご飯に行っていました。
試合前のルーティンなどはありましたか?
食事も含め、試合前一週間のスケジュールを決める。
同期に貰ったリラックマを握ってリラックスする。
試合会場に入ったら、音楽を聴きながら3分目を閉じてスイッチを入れる。
世界の舞台を経験してきた・見てきたからこそ思う強い選手の特徴は?
人としてではなく、選手として良い意味でわがままである。
練習や試合できつくなった時に、どのように考えていましたか?
(正直今でも正解だったかはわかりませんが、)
いっぱいいっぱいになった自分を客観視し、リズムに集中することを意識していました。
怪我をした時の練習やメンタル面はどうしていましたか?
練習は体幹・上肢の補強トレーニングを、走っている時には上げられないレベルまで強化。
痛みによるメンタル面の低下は客観視して、落ち込んでいる自分を認め受け入れていました。
今までで一番思い入れのある大会は何ですか?
日本代表のユニフォームを着て走る姿を両親に見てもらえた、カタール・ドーハでのアジア競技大会。
日本代表や世界大会を目指していく中で、大変だったことはありますか?
大変だった事は、日本選手権の1 ヶ月前から緊張してしまう事と(笑)、オリンピック選考会前に怪我で1 ヶ月半走れない期間があり、それでもオリンピックを目指す覚悟を決めるのが大変だった。
全スタッフがいなかったら乗り越えられなかった。
日本代表や世界大会を目指していく中で、こだわりをもってやっていた事はありますか?
日頃のポイント練習にレースのイメージを持ち込んで取り組む事は、常に意識していました。
選考会直前の合宿などは気持ちが落ち着ける環境をお願いしたり、監督・スタッフには正直に自分の考えを伝えることをしていました。
オリンピック代表選考となったの日本選手権での心境は?
緊張なく、直前の怪我への対応も含め、全てやるべき事はやったという気持ちでスタートラインに立てました。
ラスト2000mは目標に近づけているという想いから、キツさより楽しいという気持ちで走れていました。
代表が内定したときの心境はどうでしたか?
身が引き締まる想いはあったけど、プレッシャーはなく平常心を保つようにしていました。
今まで通りの取り組みで挑む気持ちでいました。
壮行会などで応援の多さを感じたことが本当に嬉しかったです。
オリンピックの舞台で日本代表3人先頭を引っ張っている姿が印象的でした。
オリンピックで先頭を走った気持ちはどうでしたか?
アフリカ勢のスピードに対してレース前に代表監督から、「日本選手としてのプライドを見せに行こう!」という言葉の受け取り方が、3人とも一緒だったことで生まれたレース展開だったので、胸を張る気持ちで前に出ました。
2012年日本選手権10000m
アメリカ・ボルダー Pearl street mile
いかがだったでしょうか?
今回、吉川コーチのお話を聞いて世界を目指していく中での志や考え方など、私とは違った考え方など持っていて参考になる事ばかりでした。
また、お話を伺っていると吉川コーチは、オンとオフがはっきりしていて、そういった切り替えがしっかりできる選手だったからこそ、常に日本のトップ選手として11年という長い競技生活を続けてこれたのかなと感じました。
これから、学生の皆さんのなかには、全国中学校体育大会やインターハイなど夏の大きな大会を控えている選手も多くいると思います。
今回のインタビューが少しでもプラスに参考になってくれたらいいなと思います!!
また、吉川コーチに聞いてみたいことや、エンジェルス(選手)に聞いてみたいこと・質問などありましたら、応援メッセージにお寄せください!!