SAR試験

携帯電話の発する電波が人体側頭部に対する影響が懸念され、2002年の電波法改正でSAR(比吸収率)試験として法規制されることとなりました。それに先駆け、当社では1997年にSAR測定システムを導入して、SAR試験を開始しました。

2006年にはISO 17025の要求事項に基づく品質管理システムを備えたSARの試験所として、JAB(財団法人 日本適合性認定協会)から認定を取得して、無線機器の試験サービスを提供しております。

携帯電話以外の無線機器は、これまで法規制の対象ではありませんでしたが、人体近傍で使用される無線機器にもSAR試験が要求され、側頭部(Head-SAR)以外の人体胴体(Body-SAR)に対する試験規格が国際規格化(IEC 62209-2)されたことを受け、国内でも電波法改正が行われBody-SAR試験の要求が増えてきています。

PSNETではIEC/IEEE 62209-1528規格に基づくSAR測定環境を構築し、600 MHz〜5.8 GHz帯のHead-SARとBody-SARが試験可能です。また、W-CDMAやLTE方式の無線設備もご提供しております。

試験内容

SAR測定装置は、Schmid & Partner Engineering AG 社のDASY5システムを導入しています。

測定装置外観(ロボット部)

測定装置外観(ロボット部)イメージ


Phantom(人体側頭部、人体胴体を模擬した噐)

  • SAM Phantom
    携帯電話等は、左右の頭の部分を使用して測定します。また、中央部のフラットの部分はBody-SARで使用します。
被試験機の設置条件(頬の位置)イメージ
  • Flat Phantom
    IEC/IEEE 62209-1528に準拠したPhantomです。
    Body-SAR測定で使用します。
被試験機の設置条件(傾斜の位置)イメージ
SAR試験周波数 600 MHz〜5.8 GHz
シールド室有効寸法 4m(D)x5m(W)x2m(H)

国内規格

適用周波数範囲
  1. @300MHz〜6GHz
  2. A30MHz〜6GHz
適用対象機器
  1. @頭部に近接して使用する無線機器     ⇒Head SAR
  2. A人体から20cm以内で使用する無線機器   ⇒Body SAR
SAR測定法
  1. 電界プローブ走査型測定法
被試験機の設置
  1. @2ポジション(頬*1、及び傾斜*2の位置)、左右の耳
  2. A6ポジション(筐体の面全て)
被試験機の動作
  1. 最大送信電力で測定する
許容値
  1. 2W/kg(10g平均)
適合判定
  1. 測定値と許容値を直接比較する
  • *1 被試験機の設置条件(頬の位置)
被試験機の設置条件(頬の位置)イメージ
  • *2 被試験機の設置条件(傾斜の位置)
被試験機の設置条件(傾斜の位置)イメージ

海外規格

EN 50360、EN 62209-1、EN 50566、EN 62209-2
FCC 47 CFR Part 2.1093
IEEE std 1528:2013
IEC/IEEE 62209-1528

SAR試験お問い合わせ入力フォームへ