研究・検証

コロナ禍を経て高まった、
除菌・換気など空気質への
注目・ニーズ。
その一方で目に見えない・
体感しにくい空気質の価値を、
お客様に伝えていく難しさにも直面しました。
パナソニックはさらなる
室内空気質(Indoor Air Quality;以下IAQ)の
向上に挑戦するため、2022年新たに「IAQ検証センター」を設立します。
より確度の高い研究・効果検証を通して、
これからも空気質の課題に
真摯に向き合い続けます。
試験管を持つ女性のイラスト
実験をしている青年のイラスト

01.IAQ向上への想い

IAQ(Indoor Air Quality)とは室内空気質のことです。私たちは1日のおおよそ90%を屋内で生活しています。そして1日に約18kgもの空気を取り入れています。コロナ禍を経たいま、健康で豊かなくらしのために、IAQの向上が求められています。
パナソニックはIAQを向上するための要素を4つの空気質要素(温度・湿度・清浄度・気流)と3つの感性要素(除菌・脱臭・香り)と捉え、この7要素をコントロールすることでさまざまな空間に対応したIAQの提供を目指します。

IAQの画像

除菌・脱臭技術としての次亜塩素酸

IAQ7要素の内、除菌・脱臭分野でパナソニックは次亜塩素酸のチカラに着目しています。次亜塩素酸は高い除菌・脱臭性能を持っており、適切に使えば安心快適な空間を創出できます。一方でそのチカラはまだまだ底が見えず未解明な部分も多く、今後も研究を重ねる必要があります。

02.検証基本プロセス

パナソニックは、次亜塩素酸技術の効果・効能の試験・検証を行う際、下記のステップを基本プロセスとしています。

STEP1 試験用小空間

10m2(6畳)チャンバーでの検証

まずは、試験用小空間で効果・効能の基礎研究を実施しています。

試験幼少空間の写真

STEP2 実空間サイズ

13~43m2(8~26畳)の試験室(IAQラボ)での検証

リビングやダイニングなど、家具や壁紙・床材、換気設備などご家庭の生活シーンを再現したIAQラボの実空間コーナーで、付着菌の抑制試験を実施。実空間サイズで試験・確認することで、より正確なデータを取得できます。

※一般的なLDKサイズの居室等を模した空間

IAQラボの実空間コーナーの写真

03.IAQ検証センター

さらに次亜塩素酸の研究を進め、効果や安全性に関するレベルの高い試験・検証を行うために、2022年4月に「IAQ検証センター」を設立しました。
「IAQ検証センター」ができることで、室内外の温湿度制御が可能な最大面積132 m² (80畳)、最大体積317 m³(80畳)までのより広い空間での試験が可能になり、「大空間除菌」の安定したデータ取得を推進します。
 

   

【IAQ検証センター】
・所在地:愛知県春日井市鷹来町字下仲田4017番
・敷地面積:2,033 m²/延床面積:3,422 m²

IAQ検証センターの写真

POINT1

業界初※1温湿度と気体状次亜塩素酸濃度制御ができる「ジア環境BSL2(バイオセーフティレベル2)試験室」

温湿度と気体状次亜塩素酸濃度の制御が可能なBiosafety Level 2※2を実現した設備で、エアロゾル(浮遊菌)に対する除菌効果の測定や実環境影響の基礎評価などが可能です。同じ設備を2室用意し、試験条件を変えた比較試験や、次亜塩素酸の有無による同時試験などが可能です。

※1:国内の空調・換気業界で、Biosafety Level 2を備え、室内の温湿度と気体状次亜塩素酸濃度を制御できる設備として。(2022年1月12日現在。当社調べ)
※2:細菌・ウイルスなどを取り扱う実験施設で、扱えるウイルス・細菌の危険度に応じて1から4の4段階で分類される。4が最も厳しい基準。
レベル2は、一般医療・診断・検査・研究用途として、はしかウイルスやインフルエンザウイルス等を取り扱うことができるレベルの安全性を備えている。

ジア環境BSL2試験室

POINT2

業界初※310~132 m2(6~80畳)まで可変の「実空間除菌試験室」

10~132 m²(6~80畳)の実空間の広さに変更可能な除菌脱臭試験(付着菌除菌、空間臭脱臭、付着臭脱臭)を行う設備です。室内外の温湿度の設定も可能で、外部条件の影響を受けない、精度の高い試験を行うことができます。

※3:国内の空調・換気業界で、室内外の温湿度を制御できる設備を備え、10~132 m²(6~80畳)まで室内サイズを変更できる設備として。(2022年1月12日現在。当社調べ)

IAQ検証センター移動壁

POINT3

各種機器を実際の設置状況に近い環境で評価する「空質空調検証室」

実際の生活空間に近い環境で試験・評価する設備です。戸建、マンション、非住宅など、自由に間取りを設定できる試験住宅を、恒温恒湿槽の中に設置。様々な外気温度・湿度条件で、IAQに関する試験・データ取得を行うことができます。

空質空調検証室

今後の展望

今後はIAQ検証センターをフル活用し、さまざまな影響因子と除菌・脱臭性能との相関といった基礎評価をしっかりと行いながら、Biosafety Level 2試験室(バイオハザート対策設備)でエアロゾル除菌の検証、気体状次亜塩素酸に対する実環境の素材や有機物への影響メカニズムなどを解明していきます。
より効果的・効率的に、そしてより安全に、次亜塩素酸のチカラを引き出し活用する技術の研究をパナソニックは進めてまいります。

研究している人の写真

パナソニックは、次亜塩素酸のポテンシャルを
引き出すための
基礎研究を進めるとともに、
新たな提供価値を創出していきます。

※「次亜塩素酸ラボ」掲載の情報は、当社の技術研究成果もしくは研究中の内容であり、商品による効果ではありません。商品の効果・効能については、商品ページにてご確認ください。