先進技術でこれからの暮らしを変える
5つの社会課題に「空気」の総合力で応える―HVAC&R JAPAN 2026ブース展示レポート
パナソニック 空質空調社は、2026年1月27日(火)から30日(金)までの4日間、東京ビッグサイトで開催された「HVAC&R JAPAN 2026 第44回冷凍・空調・暖房展」に出展しました。今回の出展では、ブランドスローガン「空気から、未来を変える。(VITALIZE THE FUTURE WITH AIR)」をテーマに掲げ、展示会最大級の広さを誇るブースを展開。会期中は厳しい寒さに見舞われましたが、延べ16,000名近くのお客様にご来場いただき、連日当社の商品・技術・ソリューションをご覧いただきました。 空調業界はいま、環境配慮や労働力不足といった大きな転換期にあります。パナソニックは、業界が直面する「脱炭素」「ウェルネス」「レジリエンス」「冷媒規制」「省力化」という5つの社会課題に対し、解決策となる最新ソリューションと、次世代を見据えた未来の技術を提示しました。本記事では、展示内容のハイライトを、会場の熱気とともにお伝えします。
1 先進の空質・空調ソリューションに支えられた街「パナソニック HVAC CITY」
ブースの顔となるエントランスでは、パナソニックが提供する空質・空調の先進事例を映像化した 「パナソニック HVAC CITY」を上映。映像では5つの社会課題(脱炭素・ウェルネス・レジリエンス・冷媒規制・省力化)がアイコン化され、それぞれの課題解決が快適で持続可能な都市生活につながる様子を描き出しました。パナソニックHVAC CITYを舞台に当社ソリューションの全体像を提示するこの映像は、機器紹介にとどまらず、パナソニックが社会に提供する「総合力」を直感的に伝えるプロローグとしての役割を担っていました。
ご来場者様からは、「機器の単品展示に留まらず、社会課題に対してどうアプローチしているのか、全体像が直感的に理解できた」といった感想をいただき、ブース体験の期待感を高める仕掛けとなっていました。
2 当日上映された「パナソニック HVAC CITY」をご覧いただけます
3 過酷化する暑熱対策とデータセンター冷却への挑戦
■ EHP(電気ヒートポンプ)コーナー
会場内でまず多くのお客様が足を止めたのが、EHPコーナーにおける「暑熱対策」の展示です。 近年苛烈を極める夏場の暑さを受け、工場や厨房、屋外施設など、これまで空調管理が困難だった空間における対策は急務となっています。ブースでは、作業者の足元や身体をピンポイントで冷やすスポット空調から、空間全体を管理するゾーン空調まで、具体的な利用シーンを想定した実機デモンストレーションを行いました。
コーナー担当社員からのコメント
「近年の酷暑により、これまで十分な空調管理が難しかった現場でも、確実な対策が求められています。当然、お客様の関心は非常に高く、私たちとして大変力を入れている商品群です」(有本/企画本部クリエイティブセンター)
また、AI・クラウド需要の拡大により社会的インフラとしての重要性が高まる「データセンター」向けの冷却ソリューションも大きな注目を集めました。 設置されるサーバーの高密度化に伴う発熱量の増大に対し、空冷式に加え、水冷式のCDU(冷却水循環装置)が参考展示され、 来場された設備設計の方からは「空冷と液冷、双方の知見を持つパナソニックだからこそ提案できる、ハイブリッドな冷却システムに期待している」といったお声をいただきました。
4 規制対応とBCP対策を両立するエネルギーソリューション
■ GHP(ガスヒートポンプ)コーナー
GHPコーナーでは、業界の喫緊の課題である「冷媒規制」への対応と「レジリエンス(災害対応)」を軸に展示を行いました。 地球温暖化係数(GWP)の低い「R32冷媒」への転換が進む中、パナソニックは微燃性冷媒を安全に運用するための検知/警報・遮断/換気システムを、実機を交えてご紹介。 冷媒規制に対する当社の安全設計と具体的対応策について、体系的にご説明しました。 特に注目を集めたのは、省エネ性能を追求した新製品「GHP XAIR(エグゼア)IV」と、GHPとEHPを組み合わせたハイブリッド空調「スマートマルチ」です。 同展示コーナーでは、太陽光発電や蓄電池と連携し、エネルギー需給に合わせてガスと電気を最適に使い分けるソリューションを提案しました。 「脱炭素を進めたいが、電力不足やコストも懸念材料。エネルギーをベストミックスで運用できる仕組みは非常に現実的で導入しやすい」と、企業の設備担当者様から高い評価をいただきました。
また、電源自立型空調「GHP ハイパワープラス」のゾーンでは、災害による停電時でも空調と照明・非常用コンセントへの電力供給を継続できる強みを訴求。 これまでの体育館や避難所といった公共施設中心の導入から、ショッピングモールやオフィスビルといった民間施設へのBCP(事業継続計画)対策としての広がりを提示しました。
5 水と水素で拓く、脱炭素の新たな選択肢
■ ナチュラルチラー(吸収式冷凍機)コーナー
「水」を冷媒とし、フロンを一切使用しないナチュラルチラーは、環境負荷低減の切り札として再注目されています。本コーナーでは、脱炭素社会の実現に向けた先進的なエネルギー活用を提案しました。
来場者の関心を集めたのは、工場等の「廃熱」を有効活用する「廃熱利用型ナチュラルチラー」です。従来、本システムの利用には80℃以上の熱源が必要とされていましたが、パナソニックは現在、70℃の低温廃熱でも稼働可能な技術の確立に向けて開発を進めています。これが実用化されれば、これまで捨てられていた熱エネルギーの活用範囲を大きく広げることが可能になります。ブースでは、水素燃料電池から発生する廃熱と本システムを組み合わせた実証実験(PoC)の事例を紹介。この取り組みはその先進性が評価され、2025年度の「コージェネ大賞優秀賞」を受賞しています。
さらに未来への提案として、燃焼時にCO2を排出しない「水素」を熱源としたナチュラルチラーも参考出品しました。「水素燃料」と「自然冷媒(水)」を掛け合わせた完全カーボンフリーな空調システムの構想には、多くの来場者が足を止め、熱心に説明に耳を傾けていました。
6 「見えない空気」の価値を体感する
■ カビソリューションコーナー
近年ますます高温多湿化が進む日本において、建物や商品の品質を脅かすのが「カビ」の問題です。このコーナーでは、パナソニックの技術を結集した「カビ抑制ソリューション」を体験型ブースとして展開。ナノイーX搭載空調を稼働させた室内環境を構築しました。。ナノイーXによる菌の抑制、エアコンによる湿度制御、そして室内を陽圧に保ち外気の侵入を防ぐ換気制御。これら3つの技術を統合的に制御することで実現する、清浄な空気質(IAQ)を体感いただきました。
ブース内に一歩足を踏み入れたお客様からは、「空気がさらっとしていて、明らかに快適さが違う」といった驚きの声を数多くいただき、複数の技術を組み合わせることで清潔で快適な空気質環境を実現する、パナソニックならではの総合アプローチが、体感を通じて確かな説得力を持って伝わりました。
7 AIが実現する運用の最適化と省力化
■ Panasonic HVAC CLOUD
パネル展示でひときわ注目を集めたのが、2025年度省エネ大賞(製品・ビジネスモデル部門)において最高位の「経済産業大臣賞」を受賞した「Panasonic HVAC CLOUD」です。 空調設備をクラウドに接続し、AIが物件ごとの特性や気象条件を学習して最適な運転制御を行うこのサービスは、快適性を損なうことなく消費電力の大幅な削減が可能です。さらに、遠隔での異常検知や予知保全により、管理業務の省力化にも貢献します。
人手不足に悩むビル管理会社の方からは、「ベテラン管理者の経験に頼っていた調整業務をAIが代行してくれるのは非常に助かる。省エネと省力化が同時に叶う理想的なツールだ」と、導入への具体的な期待が寄せられました。
8 エンディング
■ Panasonic HVAC CLOUD
4日間の会期を通じ、多くのお客様と直接対話し、空質・空調に対する期待の大きさと多様化するニーズを肌で感じる貴重な機会となりました。
パナソニックは、長年培ってきた機器の技術力に加え、AI・クラウド技術、そしてエンジニアリング力を融合させ、お客様ごとの課題に寄り添う「ソリューションパートナー」であり続けたいと考えています。私たちはこれからも、健康的で快適な、そして持続可能な社会の実現に向けて挑戦を続けてまいります。
ご来場いただきました皆様、そして本展示会の開催にご尽力いただいた関係各社の皆様に、心より感謝申し上げます。