ウェルビーイング

2023.03.14

2023年オフィスは不要になる?問われるオフィスの価値とは

【事例付き】ウェルビーイングの上手な使い方! 定義を理解して推進しよう

昨今、少しずつですがコロナ禍の状況は収束を見せてきており、オフィス回帰の方針をとる企業も増えてきています。 コロナ禍に対する緊急的な措置としてテレワークを実施する企業が大半でしたが、デジタルツールの活用によって生産性を高めることに成功した企業、またはその逆にコミュニケーションの分断に悩む企業など、業態によっても様々な結果を生み出し、それぞれの企業が抱える問題を浮き彫りにした側面もあると感じます。”新しい働き方”に焦点があたる近年の動きを『ハイブリッドワーク』という言葉をもとに考えます。

クリエイティビティを失わず、価値を生み出し続ける『場』を作るためには

コロナ禍のさなかにはオフィスの存在価値を問い直す企業も増えましたが、同時に人々のコミュニケーションの積み重ねによって生み出される価値の本質は変わらないことも明らかになり、それらを生み出す「場」をどのように作っていくのかという問いが、これからの働き方のあるべき姿を考えるということに帰結することになったと考えることができると感じます。 先日発行しました『ハイブリットワークガイドブック』には、このテーマに対する言及が多く取り上げられており、いままで以上にクリエイティビティが求められる時代となった社会にいかに生産性を向上させていくかということに焦点を当てています。 これから私たちが向かい合う「働き方の多様化」は今後どのような道を辿っていくのか、クリエイティビティを失わず価値を生み出していくために働く「場」はどうあるべきなのか?という切り口から“オフィス”を再考します。

オフィス で働くメリットとは?

テレワークや時差出勤が増えた中で改めて考えたいのが、オフィスで働くメリットです。今までの何気ない行動も、オフィスで働いているからこそできた行為だと、テレワークの実施中に実感した人もいるのではないでしょうか。

対面であることのメリット

オフィスで働いているときに感じやすいメリットとして、まず最初に思い当たるのが“直接顔を合わせてコミュニケーションがとれる”ということだと思います。テレワーク中の相手の都合が見えずらい状況だと、ちょっとした質問でもわざわざ時間を設定してミーティングを開いたり、特に新人という立場の方にはなにかと質問しづらい状況だとよく耳にします。 オフィスでは相手の状況がリアルタイムに把握できるので、タイミングを見計らって話しかけることができ、ちょっとした質問が迅速に解決するといったメリットがあります。これは小さなことにも思えますが、働くメンバーのすれ違いの解消や、コミュニケーションの促進といった面でも生産性に直結する事柄のため、非常に大きなメリットだということができると思います。

活発なディスカッションを促進

また、オフィスで働くメリットとして挙げられるもう一点は、教育や研修が行いやすいことです。 オンラインを活用した教育や研修も増えていますが、相手の反応が分かりづらく、円滑な進行ができない場合があります。さらに、グループワークやディスカッション形式の研修では、異なる場所にいる参加者が話し始めるタイミングをつかみにくく、結果として議論が活性化しないといったシーンも多くあることでしょう。オフィスのミーティングルームに一同が会することが出来ればではこのような心配がなく、ディスカッションが活性化することで新しいアイディアを伴った意見が生まれるかもしれません。

信頼関係を築く”雑談”

さらにオフィスで働くメリットとして挙げられる点は、メンバー同士の信頼関係が築きやすいといった点も挙げられると思います。 オフィスでは、業務以外のちょっとした雑談も生まれやすく、メンバー同士が互いの人間性に触れ合う機会も増え、信頼関係の構築に大きな効果をもたらします。また、他部署間のメンバーの雑談から新しいビジネスのアイディアが生まれるといったこともあるかもしれません。テレワークが盛んにおこなわれていたコロナ禍の真っ最中には、この“雑談”と呼ばれてきた小さなコミュニケーションが非常に大きな意味を持つものだったのではないかという認識が広がりました。オフィスで顔を合わせているからこそ発生する“雑談”は大きな副産物をもたらす大切なコミュニ―ケーションだと言えます。

充実したファシリティ

またオフィスで働くことのメリットとして考えられるのは「仕事をする環境が整っている」ということも挙げられます。高速な通信回線、複合機、大きなディスプレイモニターなど、業務を進めるうえで充実したファシリティが揃っている状態は生産性に直結します。また、季節によっては空調設備も業務効率に関わる大きな要素となるでしょう。

オフィスには充実したファシリティと同時に上段で述べたように、人がいることによる情報の獲得のしやすさ、迅速さといった要素もあり、生産性を考えるときに大事なポイントになる要素が集まっています。 人は集まることによって創造性を発揮し、価値を最大化するため生産性を高めてきました。そのために必要な要素は、そう簡単に変わるものではなく、オフィスという場所が創造性・生産性を生み出すことにおいて、強い働きかけがある場所だということは変わらないと感じます。

同時にデジタルテクノロジーが一層の発展を続けていくこれからは、テレワークの強みも洗練されていくことと思われます。そのため『テレワークか、オフィスワークか』という考え方ではなく両者の強み、特性を最大限に活かすことのできる『ハイブリッドワーク』という考え方が主流になっていくことは間違いのないことと思われます。

ハイブリットワークの実現のために

コロナ禍のさなかのデジタルツールの活用、テレワークの拡大などによって、「働き方」はいわば不可逆的な進歩が促されたと言われています。それによってこの先、クリエイティビティがもっとも重要視される社会になっていくことは間違いないことでしょう。テレワークの合理性と共に、オフィスの価値が再認識されてきているいまだからこそ、ファシリティを見直しながらオフィスのあるべき姿を再検討しようという考え方が広がっています。 ハイブリットワークの実現に興味が湧いた方は是非『ハイブリットワークガイドブック』をご一読ください。

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