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ウェルビーイング

2021.09.13

企業における「ウェルビーイング」教育を考察|ビジネス現場に求められる要素とは

企業における「ウェルビーイング」教育を考察|ビジネス現場に求められる要素とは

人の幸福や健康と深く関連する「ウェルビーイング」。医療や学校、そしてビジネスシーンでもウェルビーイングの考え方が取り入れられるようになりました。健康経営の観点で、管理職を含めた従業員への教育に取り組んでいる企業も多いことでしょう。ウェルビーイングを目指すための、ビジネス現場での教育とはどのような要素を踏まえておこなうべきなのでしょうか。この記事では、ビジネス現場におけるウェルビーイングの考え方やウェルビーイング教育に必要な要素を解説します。ウェルビーイングをふまえた、企業の働き方改革や人材確保の実現にぜひお役立てください。

世界的に必要性が高まる「ウェルビーイングへの理解」

ウェルビーイング(well-being)とは、「幸福」「健康」を表す言葉で、概念としては「幸福で肉体的、精神的、社会的すべてにおいて満たされた状態」を指します。近年においては、医療や社会福祉だけでなく、学校などの学びの現場、企業などのビジネスの現場など幅広い分野でウェルビーイングが導入されるようになりました。

ウェルビーイングが世界的に注目され、多くの分野に用いられるようになった背景には、主に以下のような理由(課題)があります。

  • ・グローバル化の加速による多様性を認める社会(ダイバーシティ)の実現
  • ・労働力人口、労働力率の向上
  • ・SDGs(持続可能な開発目標)の達成
  • ・ニューノーマル時代の働き方改革

社会全体のグローバル化により、多種多様な人材とコミュニケーションをとる機会が一層増えるため、多様性を認める社会の実現が不可欠です。少子高齢化による労働力不足を補うには、育児や介護、病気治療と仕事の両立による労働力人口、労働力率の向上が求められます。

そしてSDGsにおける17つの目標のなかのひとつである「すべての人に健康と福祉を」の達成、オンライン環境によるリモートワークの増加や外出自粛によるコミュニケーション不足のストレス対応へのサポート。これらすべてにウェルビーイングが深く関与しています。

近年、社会的にも大変重視されるウェルビーイングを実現するために、ビジネスの現場にもウェルビーイングの考え方を取り入れる企業が増えてきました。

ビジネスの現場におけるウェルビーイングの考え方

「幸福度をはかる調査軸」の調査を行うギャラップ社が提唱する5つの要素が、ビジネスの現場のウェルビーイングとしてどう解釈できるか、どう取り入れることができるかを解説します。

Career well-being(キャリア ウェルビーイング)

仕事だけでなく、家事、育児、ボランティアなどの私生活も含めた幸福なキャリア構築を指します。ビジネスにおいては、ダイバーシティの推進やワークライフバランスと深く関連します。

Social well-being(ソーシャル ウェルビーイング)

人間関係に対する幸福です。交友関係の広さのほか、深く関わりがある、愛情を持っている存在がいるか、なども関連してきます。ビジネスの現場では、企業における上司と部下、同僚、取引先との関連性が該当します。

Financial well-being(フィナンシャル ウェルビーイング)

経済的な幸福です。ビジネスの現場では給料への満足度、資産管理の状況と関連しています。

Physical well-being(フィジカル ウェルビーイング)

身体的な幸福です。ビジネス現場では健康状態が良好なことに加えて、仕事に対するモチベーションややりがいも関連しています。

Community well-being(コミュニティ ウェルビーイング)

家族、友人、学校、職場など身の回りにあるコミュニティとの幸福です。ビジネスの現場では、会社、配属先部署、取引先などが該当します。

「ウェルビーイング」教育に必要な要素

企業でウェルビーイングを導入するには、5つの要素の考え方をふまえ従業員へのウェルビーイング教育が必要になります。企業でのウェルビーイング教育を実践する際に必要となる要素をそれぞれ解説します。

「ウェルビーイング」の正しい理解

ビジネス現場におけるウェルビーイングとは、従業員がすべてにおいて幸福である状態を指します。一人ひとりがウェルビーイングとは何かを正しく理解することで、従業員の幸せのために具体的に何が必要なのかが把握できます。

ウェルビーイングの概念を正しく理解するうえで有効なのが、従業員同士のワークショップです。「自分にとっての幸せとは」「会社のウェルビーイングを高めるために必要なこと」などをテーマにしっかりと議論することで、企業におけるウェルビーイングの正しい理解につながります。

ウェルビーイング実現によるメリットの把握

企業でウェルビーイングを実現することで得られる、具体的なメリットを把握しておくこともウェルビーイング教育では重要となります。ウェルビーイングによる企業のメリットは、以下の通りです。

  • ・業績の向上
  • ・離職率の低下
  • ・優秀な人材の確保

従業員一人ひとりのウェルビーイングが高く安定した状態にあれば、仕事へのモチベーションや企業への貢献度アップによる生産性の向上につながり、企業利益が増加します。ウェルビーイングにより業績が向上し、結果従業員を含めたステークホルダー(利害関係者)への利益還元にもつながります。

ウェルビーイングの高い企業は、従業員にとっても生き生きと働ける居心地のよい場所です。従業員の定着率が上がるため、離職率の低下にもつながります。結果的に、従業員教育に関わるコストカットの実現も可能です。既存の従業員だけでなく、外部からも魅力的な企業と認識されるため、優秀な人材が企業へ応募する機会も増えるでしょう。

従業員一人ひとりが気兼ねなく発信し、自然体でいられる環境づくりへの意識

企業のウェルビーイング教育を実践する上で重要となるのが、ソーシャルウェルビーイングおよびコミュニティウェルビーイングの考え方です。1日の大半を過ごす職場では、人間関係および企業への帰属意識がウェルビーイングに深く関わります。従業員ひとり一人が自然体でいられる環境づくりが必須です。

まずは管理者が環境づくりへの意識を持つための取り組みを行いましょう。各部署ごとの管理者に、以下のような部下を中心とした円滑な人間関係形成のための具体的な方法を教育するのが有効です。

  • ・職場のチームワーク強化を目的とした研修やプログラムの実施
  • ・ダイバーシティを推進する環境の提供
  • ・アンケートによる実態調査
  • ・リーダーの育成
  • ・エンゲージメントの高い組織作り など

キャリア形成の機会を与える

ビジネス現場におけるウェルビーイングを実現するためには、キャリアウェルビーイングの考え方にのっとり、従業員一人ひとりに合ったキャリア形成が必須となります。ワークライフバランスを取り入れたうえで、従業員向けに今後のキャリアをデザインする機会を設けましょう。従業員がキャリアを自らデザインすることで、成長やモチベーションのアップにもつながります。

ウェルビーイング教育ではキャリアデザインにのっとり多様性を認め、管理者は正当な評価を下すことを周知しましょう。

正当な報酬

ウェルビーイングを高めるためには、従業員の納得がいく安定かつ正当な報酬が支払われなければいけません。管理者には業務における活動と成果、スキル、勤務時間などの要素を正しく判断し、正当な報酬と直結する査定や評価を下すための教育が求められます。

ウェルビーイングの実現は適切な教育から

ビジネス現場におけるウェルビーイングの考え方と、ウェルビーイング教育に必要な要素を解説しました。従業員のウェルビーイングが高くなれば、業績の向上、離職率の低下、優秀な人材の確保など、企業にとっても大変多くのメリットが享受されます。企業のウェルビーイングを高めるためには、管理者を中心とした従業員への、丁寧なウェルビーイング教育が必須です。

ウェルビーイング教育の実現には、従業員が自然体でいられる環境作りのほか、ウェルビーイングの正しい理解、企業に現状不足しているもの、改善すべきものを把握することが近道となります。

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