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2022.08.10
働き方改革で注目されるデジタルワークプレイスとは? IT化の時代に不可欠な理由と導入ポイントを紹介
デジタルワークプレイス(DWP)は、従業員が働く環境を変革するソリューションです。多様性のある働き方を実現し、働き方改革により推進されたテレワークやリモートワーク、在宅勤務などにおける課題解決、業務の改善が期待できる新しい概念として注目されています。競争の激しいビジネス社会を生き残るための戦略として、最新のデジタル技術を取り入れたビジネスが進んでおり、デジタルワークプレイスへの期待が高まっている状況です。本記事では、デジタルワークプレイスとはどういうものか、それがもたらす変化や課題、導入のポイントを解説します。
デジタルワークプレイスとは
デジタルワークプレイスとは、簡単に言うと、業務上の情報やツールなどがデジタル空間に集約された仕事環境のことです。
オンライン会議やチャットツールをはじめとしたデジタルツールなどを用いて、働く環境をデジタル化することにより、社員がいつどこからでも社内と同じ環境で快適に働けるようになります。
デジタルワークプレイスを理解する上で注意したいのが、「デジタルワークプレイスは、単なる労働環境のデジタル化ではない」ということです。実際、デジタルワークプレイスには生産性や作業効率を高めるデジタルな仕事場の構築だけでなく、従業員の満足度を高めるという効果も期待されており、企業の成長戦略の一環と考えられています。
デジタルワークプレイスが注目される背景
デジタルワークプレイスがさまざまな企業で注目されている大きな理由としては、「従業員の進捗管理ができ、同僚の状況を相互に確認しやすい」という点があげられるでしょう。
働き方改革により、在宅勤務やテレワーク、ビジネスチャット、Web会議を活用した時間や場所に縛られない働き方が普及しました。しかし、社員それぞれが各々の環境で仕事をするため、他の社員との連携は難しく、社員同士のコミュニケーションや仕事の進捗・把握などが共有しづらいといった課題があるのも事実です。
このような背景から、違う場所にいても同じデジタル空間で仕事を行うデジタルワークプレイスが注目されるようになりました。
デジタルワークプレイスを導入すれば、各メンバー間の“業務の見える化”が可能になり、いつどこで仕事をしても、競争や助け合いといったつながりを持ちやすくなることから、導入や検討をする企業が増えています。
デジタルワークプレイスがもたらす企業の変化
デジタルワークプレイスを導入することで、企業では次のような変化が生まれやすくなります。
生産性の向上
デジタルワークプレイスを導入している企業は、時間や場所にとらわれることなく、一環したプラットフォームで効率的に業務ができます。つまり、離れていても、デジタルワークプレイスを導入すれば、従業員同士の情報共有が強化され、コミュニケーションの質も高まり、生産性を高める労働環境の実現に向けた取り組みができるようになるということです。
その結果として、新たなビジネスアイデアも生み出されやすくなるでしょう。
テレワークの推進
デジタル技術を活かした環境を整え、あらゆる業務をデジタルシフトしても、デジタルワークプレイスなら「業務の見える化」が図れます。そのため、オフィスで仕事をしなければならないという状況になりにくく、従来のテレワークや在宅勤務の課題を解消する効果も見込めるでしょう。
デジタルワークプレイスがもたらす従業員の変化
デジタルワークプレイスの導入は、企業だけでなく従業員にも良い影響を与えます。
例えば、場所の制約がなく、時間をフルに有効活用できる業務空間を構築することで効率よく仕事ができるようになり、プライベートな時間を増やせるようになる点です。
内閣府が全国の16歳~29歳までの男女を対象に行った「特集 就労等に関する若者の意識」(※1)によると、平成29年度調査で「仕事よりも家庭・プライベート(私生活)を優先する」と回答した若者の割合が63.7%となっています。前回の平成23年度調査よりも10ポイント以上、家庭・プライベートを優先したいという人が増えている状況です。
家庭・プライベートな時間を優先するためには、ライフステージや育児・介護といった家庭の状況に合わせた働き方や環境が必要です。
デジタルワークプレイスを導入すれば、オフィスへ行かなくても質の高い業務・パフォーマンスを維持できるようになるため、社員の仕事への意欲や満足度を損ねることなく、力を最大限に発揮できる環境を提供できるようになります。
その結果として、企業の生産性や従業員の満足度向上による定着率向上といったプラスの作用が期待できるため、従業員と企業の双方にとって良い環境を整えたいと考える企業は、デジタルワークプレイスの導入が向いているでしょう。
※1 出典:内閣府「特集 就労等に関する若者の意識」
デジタルワークプレイスはデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の第一歩
デジタルワークプレイスは、働き方改革に加え、デジタルトランスフォーメーションの推進にも貢献すると言われています。
企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)とは、AIやクラウド、IoT、ビッグデータなどの進化したデジタル技術を浸透させることで、働く環境をより良い方向に変化させていく概念のことです。
変わりゆくビジネス社会の競争に勝ち抜くためには、このデジタルトランスフォーメーションをスピーディーに・且つ確実に進めていくことが求められており、社員が有機的に連携して仕事ができる環境を生み出すデジタルワークプレイスは、その第一歩として注目されています。
デジタルワークプレイスを推進する上で生じる課題
企業や従業員にとってメリットの多いデジタルワークプレイスですが、導入する上での課題があります。以下は、主な課題を一覧にしたものです。
課題 | 具体的な内容 |
---|---|
コミュニケーション | ・対面する機会の減少や対話不足による相互理解の低下や人間関係の希薄化 ・組織エンゲージメントの低下 |
勤怠管理・人事評価 | ・出社しない状況でも不公平さを感じない勤怠管理 ・働く場所や「労働時間=評価」にならない、人事の評価ルールの整備 |
セキュリティ | ・PCやタブレットなどのデバイスの確保 ・従業員個人のデバイス持ち込み許可とセキュリティ対策 ・さまざまなデバイスや環境から利用できる環境を整えると同時に必要になる高度なセキュリティ対策 |
ペーパーレス(電子化) | ・モノや場所にとらわれない働き方を実現するためのペーパーレス化 ・契約書や会議資料などのデジタル化 |
デジタルワークプレイスを実現するためには、上のような働く環境や評価、セキュリティ面などの整備や対策が欠かせません。やみくもに導入すると失敗する可能性があるため、実践する前に、まずは自社の現状を把握することから始めましょう。
デジタルワークプレイスを進めるなら現状を知ることが大事
自社の現状をわかっていなければ対応も対策もできません。効率よくデジタルワークプレイスを進めていきたいという企業は、自社の現状把握を整理し、課題をしっかりと把握した上で実践するようにしましょう。
ただ、素人では自社の現状や課題の把握が難しいこともあると思います。そのようなときは、さまざまな企業や事業者が行っているデジタルワークプレイスサービスを利用するのがおすすめです。
初めてデジタルワークプレイスを導入する場合でも、直感的に自社のデジタル化状況を見える化することができます。
デジタルワークプレイス導入における4つのポイント
デジタル化を推進するだけでは、デジタルワークプレイス導入を果たせたとは言えません。効果的にしっかりとデジタルワークプレイスを導入するためには、環境整備や準備が必要です。ここでは、デジタルワークプレイス導入における4つのポイントを紹介します。
業務に適したツールを採用する
デジタルワークプレイスを実現するには、日々の業務やパフォーマンスを最大化できるデバイスやツールが欠かせません。具体的には、社内会議や取引先との打ち合わせ、コミュニケーションツールとしても使えるオンライン会議システムや、報告やリアクションなどで円滑なコミュニケーションを取ることができるチャットツールなどです。
オンライン会議システム1つをとっても、「Zoom」や「Google Meet」など、さまざまな種類があるため、自社に合った製品やシステムを採用しましょう。
デジタルワークプレイスの導入に合わせた就業規則を設定する
いつどこででも仕事ができる環境に変わることで、従来の就業規則では不都合が生じることがあります。特に、仕事に対する評価は、オフィスにいない状況でも業務状況や成果に応じて評価されなければ、不満につながってしまうため、注意が必要です。
クラウド型の人事評価システムや、ブラウザ上で打刻をしたり、画面操作の時間などで仕事状況がわかるような勤怠管理システムを導入したりして、デジタルワークプレイスに合わせた就業規則を設定しましょう。
インターネット環境とセキュリティの対策をする
デジタルワークプレイスでは、常にネットワーク経由でデータにアクセスすることになるため、インターネット環境とセキュリティ対策は必須です。サーバー攻撃も多様化・高度化しており、セキュリティ対策をすべきポイントは多岐にわたります。高度なセキュリティの構築が難しい場合は、専門家などに頼りながら、しっかりと対策をしましょう。
ネットワーク環境の改善と整備をする
外部との連携に加え、社内のネットワーク環境を改善・整備することも重要なポイントです。「多くの社員が同時に共有ファイルを開くと更新に時間がかかってしまう」といった状況では、業務の効率化が望めません。インフラ環境は、外部だけでなく、社内のネットワーク環境もセットで改善と整備を行いましょう。
デジタルワークプレイスを導入して企業の成長力を高めよう
デジタルワークプレイスは、単なるデジタル化ではありません。企業のイノベーションを支える従業員の力を高め、最大限に発揮させる環境の土台ともなるため、企業における成長戦略に欠かせない要素と言えます。
ニューノーマルな働き方が求められている今、デジタルワークプレイスを導入して、多様化する働き方に対応しましょう。
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