オフィス
2022.02.15
オフィス緑化とは? その効果やおすすめの観葉植物と取り入れ方を解説
オフィス緑化を採用し、働く環境にグリーンを取り入れる企業が増えています。本記事では、オフィス緑化を検討している企業担当者向けに、その効果についてを詳しく解説。オフィス緑化に適した観葉植物の選び方や導入を進める際のポイントも紹介していますので、本記事を見ればより具体的に導入のイメージが沸くでしょう。
オフィスの緑化とは
オフィス緑化とは、会社の受付や会議室、デスク周辺といったオフィス環境に観葉植物などの緑を取り入れることです。オフィスフロアの印象が変わるだけでなく、働く人々の気持ちや成果にも、良い影響や変化を与えることが分かってきています。
実際、国内でも農林水産省をはじめ、さまざまな機関や企業がオフィス緑化に関する実験や研究を行っており、オフィス緑化が与える良い影響がデータとして表れている状況です。
そのため、昨今の働き方改革により、職場環境改善のひとつの策として、従業員の満足度が向上しやすいオフィスの緑化を検討する企業が増えています。
オフィス緑化を取り入れることで得られる5つの効果
オフィス緑化に関する実験や調査で、オフィス空間や従業員にとって以下の5つのような効果があることが分かってきています。
【オフィス緑化による効果一覧】
- ・植物があることによるリラックス効果
- ・目の疲れ(視覚疲労)を緩和する効果
- ・水分の蒸発による天然の加湿効果
- ・空気汚染物を吸収して無毒化する効果
- ・従業員の幸福度を高め、生産性や創造性を向上させる効果
詳しく見ていきましょう。
植物があることによるリラックス効果
植物がある環境では、脳内のα波が増幅し、心も体もリラックスした状態になりやすいといわれています。
実際に千葉大学が行った調査(※1)で、卓上にある植物や花を見ると、心身をリラックスさせる副交感神経の活動が29%もアップし、ストレス神経である交感神経の活動は25%ダウンすることが分かっています。
つまり、植物がある環境では副交感神経が強く作用し、血圧の上昇が抑えられて緊張が和らぐため、リラックスした状態で仕事に取り組めるのです。
※1 出典:みずほリサーチ&テクノロジーズ「千葉大学環境健康フィールド科学センター(自然セラピープロジェクト)による『花きに対する正しい知識の検証・普及事業』の調査結果について」
目の疲れ(視覚疲労)を緩和する効果
東京農業大学の研究資料(※2)で、パソコン作業後に植物を見ると、何もしない場合よりも視覚疲労が軽減することが分かっています。
本物の植物とフェイクグリーンを比較した場合、本物の植物のほうが視覚疲労の軽減効果が高いとされているため、オフィス緑化をするのであれば本物の観葉植物などを配置するのが望ましいと言えるでしょう。
※2 参考:J-STAGE「室内等の緑によるVDT作業がもたらす視覚疲労の回復効果に関する実験的研究」
水分の蒸発による天然の加湿効果
生きた植物を配置することで、天然の加湿効果が得られます。
通常の加湿器は、加湿器内で微生物が発生してしまうと、それをばらまいてしまいますが、植物から蒸散される水分には微生物などが含まれる心配がなく、安全性が高いというところもポイントです。
空気汚染物を吸収して無毒化する効果
植物を配置することで、その植物が空気を汚染する化学物質や有害物質を吸収し、空気をきれいにしてくれます。
目に見えませんが、空気中には有害な「揮発性有機化合物(VOC)」が含まれており、とりわけ、閉ざされた環境となりやすいオフィス空間は、屋外よりも建材やインテリアから発生したVOCを吸い込みやすい環境です。
オフィス内の有害物質を減らすため、健康被害の対策として、空気清浄機などを置くのもひとつの予防・対策でしょう。しかし、フロアサイズに見合った機器を導入するとなるとコストがかかります。
コストを抑えながらオフィス内の空気をきれいにしたいと考えるのであれば、オフィス緑化が有効です。植物が、葉の気孔から有害物質を吸収して分解し、無毒化したきれいな空気を出し、天然の空気清浄機のような役割を果たしてくれるため、オフィス緑化をすればコストを抑えながら空気をきれいにすることができます。
従業員の幸福度を高め、生産性や創造性を向上させる効果
植物があることで癒しが生まれ、ストレスなども軽減してくれるため、職場環境における満足度が高くなります。
その結果として、従業員は幸福度を感じやすく、生産性や創造性も向上が見込めるため、従業員・企業ともにモチベーション向上を狙いたい場合には、オフィス緑化がおすすめです。
オフィスに適した観葉植物を選ぶ4つのポイント
メリットの多いオフィス緑化ですが、上手く取り入れるためには正しい知識が必要です。そこで、失敗しないためのポイントとして次の4つを紹介します。
グリーンのサイズが配置スペースに合っているか
やみくもにグリーンを配置しても、動線の妨げとなったり、ワークスペースを狭めてしまうだけです。
植物もさまざまなサイズがあり、フロアに置くタイプ以外にも、壁掛けや吊り下げに適したタイプもあるので、空間や配置スペースに合ったグリーンを取り入れましょう。
環境などに左右されにくい育てやすい品種か
オフィスは閉ざされた空間です。温度調節や日光が必要な品種を選んでしまうと、せっかくの緑も育たず、枯れてしまいます。
「置くスペース的に日光が当たらない」「風通しが悪い」などの状況下でも育つ、環境に左右されない品種を選ぶようにしましょう。
水やりや掃除などの手間がかかりにくい品種か
本物の植物は、日々のお手入れが必要になります。維持管理に手間がかかってしまうと、担当する社員はそれが負担となってしまうため、グリーンを選ぶ際にはオフィス内でも比較的育てやすい品種を選ぶようにすることも大事です。
大きくなる(成長が早い)品種ではないか
買った当初は小さくても、植物は日々成長します。ツルが伸び続けたり、成長すると倍以上の大きさになったりする植物もあるので、採用する前にその植物の成長度や最大どの程度の大きさになるのかを調べておくようにしましょう。
オフィス緑化を進める際に決めておきたい3つの項目
ここからは、実際にオフィス緑化を取り入れようと思ったときに迷わず行動できるよう、最低限決めておきたい項目を3つ紹介します。
オフィスの緑化にかける予算
オフィス緑化は、「グリーンを設置して終わり」ではありません。グリーンを購入する費用のほかに、維持管理にかかるメンテナンス費用も必要です。
オフィス緑化を導入後、どのように維持管理するかも含めて、予算を検討しましょう。
グリーンの配置スペースや方法
グリーンの配置スペースや方法を決める際は、まず現状のレイアウトのままグリーンを配置するのか、オフィスの緑化に合わせてレイアウト変更するのかを決定する必要があります。
もし、現状のレイアウトを活かして配置する場合は、広いスペースには鉢に入った観葉植物を置き、もしグリーンを置くことで狭くなってしまう場合には、吊り下げや壁掛けなどの方法を採用しましょう。
オフィス緑化によるメンテナンスの担当者
従業員の中から担当する人を決め、維持管理をすると、オフィス緑化を維持するためのランニングコストを軽減できます。予算を決めることにも関わる部分なので、オフィス緑化をした場合、誰が維持管理を行うのかも明確にしましょう。
オフィス緑化におすすめの観葉植物3つ
この章では、どのようなグリーンを選ぶべきかわからないという担当者向けに、機能性・育てやすさ・扱いやすさの3つの観点から、おすすめの植物を紹介します。
空気をきれいにする効果が高いサンスベリア
サンスベリアは、空気清浄植物の代名詞とも言われる空気清浄効果の高い品種です。市場の流通量が多く、価格的にも手に入れやすい観葉植物で、丈夫さがあり、適度に水やりをするだけで育つため、ビギナーでも育てやすいという特徴があります。
多機能で鑑賞評価も高いアンスリウム
アンスリウムも空気清浄効果のあるエコプラントのひとつです。
ハート型の仏炎苞(ぶつえんほう:蕾を包むように変形した葉)が特徴的で、花のような美しさを持ち合わせており、鑑賞評価も高い品種と言えます。
花はなかなか置けないけれど、華やかさも欲しいというときにぴったりです。
複数のレイアウトを楽しめるポトス
ポトスは、ビギナー向けの定番観葉植物のひとつです。耐陰性が高く、日当たりがよくない場所でも育つ丈夫な品種なので、オフィス環境でも育てやすいでしょう。
サイズも小型から大型まで、さまざまな大きさがあるので、配置スペースに合わせて選びやすいのもおすすめポイントです。
気軽にオフィス緑化を始めるなら観葉植物のレンタルサービス
従業員で導入から維持管理までを行えば、コストは軽減できますが、ノウハウや知識がなければ、レイアウトや植物選びで苦戦することもあると思います。
「オフィス緑化をしたいが、自社でも本当に効果があるのか試したい」「上手く取り入れられるか不安」というときには、観葉植物のレンタルサービスを活用するのもひとつの手です。
導入からメンテナンスまでを全てプロに任せれば、維持管理などのネックになっていた課題をクリアできます。定期的にレンタルする植物を入れ替えて雰囲気を変えるといったプラスの効果も期待できるので、気軽にオフィス緑化を始めたいのであれば、観葉植物のレンタルサービスを検討しましょう。
オフィス緑化で働きやすい空間を作ろう
働く環境面で嬉しい効果が多いオフィス緑化ですが、配置するグリーンを適当に選ぶと配置スペースに困ったり、メンテナンスに手間がかかったりしてしまいます。採用後に手間をかけないためにも、必要に応じてプロに任せることも含めて予算や置き場所を検討し、オフィスの緑化で従業員が気持ちよく働ける空間を作り上げましょう。
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