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2021.07.30

コロナ禍で生産性はどのように変わった?オフィスの存在価値を再認識しよう

コロナ禍で生産性はどのように変わった?オフィスの存在価値を再認識しよう

新型コロナウイルスの感染拡大により、日本のみならず世界各国で働き方が大きく変わりました。収束の見通しが立たない中でも、生産性を保つためにオフィスでの勤務を続けている企業も少なくありません。

オフィスで仕事をするのが当たり前という考え方が、コロナ禍で大きく変貌を遂げています。ここで改めて考えたいのが、オフィスの存在価値です。新型コロナウイルスをきっかけとして、オフィスの役割を再考する企業も増えていますが、オフィスをどのように活用すると、これまで通りの生産性を継続できるのでしょうか。

コロナ禍でオフィスでの働き方は大きく変化した

コロナ禍において、多くの企業で新しい生活様式に沿った働き方の推進が行われました。その代表的なものが、次の3つです。

テレワーク

「オフィスワーカー1000人の意識調査レポート2021」によると、新型コロナウイルス感染症が拡大した後、テレワークを採用していると答えた企業は、52.3%にものぼっています。

参考:「コロナ禍に求められるオフィスとは?意識調査レポート2021」資料ダウンロード

総務省が発表した「令和2年通信利用動向調査」の結果によると、テレワークを導入している企業は、令和元年では20.2%だったのに対し、令和2年には47.5%と、2倍以上に増加しています。これは、コロナ禍によりテレワークの導入が急速に進められた事実が分かる数値です。

企業の業種や各自の職種などにより、テレワークができる業務とできない業務はあるものの、多くの企業でテレワークを急速に導入し、普及したことが分かります。

時差出勤

時差出勤とは、始業時間の変更により、始業時間と終業時間をずらす働き方をさします。1日の労働時間は、所定労働時間と変わりません。先ほどの意識調査レポートの中で、時差出勤を採用している企業の割合は、全体の32.2%という結果が発表されています。 時差出勤により、通勤電車およびオフィス内の3密を減少させることができます。

時差出勤と混同されがちなのが「フレックスタイム制度」です。フレックスタイム制度は、1日の労働時間ではなく、1か月の労働時間が決められている制度をさします。さらに、全ての従業員が出社する時間帯「コアタイム」が設定されているのも、フレックスタイム制の特徴です。

時差出勤により、企業にとっては従業員それぞれの勤怠管理や、給与などの労務管理が煩雑になる課題があります。常時10人以上の従業員がいる事業所で、時差出勤を導入する場合は、所轄の労働基準監督署へ就業規則の変更届け出が必要です。

オフィスの分散化(サテライトオフィス)

これまで1か所に集約していたオフィスの機能を分散させた、サテライトオフィスを活用する企業も増えてきました。意識調査レポートの中でも、全体の7.6%がサテライトオフィスを活用している結果が出ています。特に、1,000名以上の企業で導入が進んでいるとのことです。

サテライトオフィスを構えることで、社内の3密を回避できるほか、自宅で仕事スペースが確保できない従業員に、働く環境を提供できます。さらに、営業先で仕事を終えた後、サテライトオフィスで業務報告や資料作成などを行えるため、本社に戻らなくとも業務を完結させられるようになります。これは従業員にとっても大きなメリットと言えるでしょう。

新型コロナウイルスがオフィスにもたらした変化とは

コロナ禍において、オフィスではさまざま変化を余儀なくされました。意識調査レポートの結果でも、次のような内容が上位に挙がっており、対策が求められています。

デスクレイアウトの変更

オフィスの基本的なデスクレイアウトとされる形式と、各形式での課題を解説します。

島型(アイランド)形式(対面式)

部署単位で向かい合わせに座り、業務を行うレイアウトです。コミュニケーションがとりやすい反面、真正面での会話が避けられないうえ、密が発生するリスクが高まります。

並列形式

従業員が同じ方向を向いて座るレイアウトです。真正面の会話にはなりにくいのですが、隣に座る従業員との距離がとりづらくなります。

背面形式

壁に向かって座るタイプのレイアウトです。集中して業務が行えるメリットがありますが、並列形式と同じように、左右に座る従業員との距離が近くなるデメリットがあります。

どの形式においても、従業員同士で十分なソーシャルディスタンスを確保し、感染防止対策をとらなければならないため、レイアウトの変更が必要です。

オフィスの縮小、移転、拡大、廃止

レイアウトの変更以外にも、オフィスの縮小・移転・拡大・廃止などを挙げる回答も寄せられています。

テレワークが増え、出社人数が減少したためにオフィスに空間が生じ、オフィス規模を縮小したり、今までよりも狭いオフィスに移転するケースが増えています。また、人数が少ないため、オフィスを廃止する企業がある一方、従業員一人当たりのオフィス面積を広げるためにオフィスを拡大する企業もあります。

オフィスで働くメリットとは?

テレワークや時差出勤が増えた中で改めて考えたいのが、オフィスで働くメリットです。今までの何気ない行動も、オフィスで働いているからこそできた行為だと、新型コロナウイルスの感染拡大後に実感した人もいるのではないでしょうか。

直接顔を合わせてコミュニケーションがとれる

オフィスで働くうえでの大きなメリットは、直接顔を合わせてコミュニケーションがとれることです。ちょっとした疑問があっても、テレワークでは質問がしづらいと感じる人が多いのではないでしょうか。チャットで質問しようとしても、ツールに慣れていないと送るのにも時間がかかってしまいます。

オフィスではそのような心配をすることなく、相手のタイミングを見計らって話しかけることができます。

各種教育や研修が行いやすい

オンラインを活用した教育や研修も増えていますが、相手の反応が分かりづらく、円滑な進行ができない場合があります。さらに、グループワークやディスカッション形式の研修では、異なる場所にいる参加者が話し始めるタイミングをつかみにくく、結果として議論ができない可能性もあります。

オフィスの会議室ではこのような心配がなく、活発な意見交換に繋げられるでしょう。

信頼関係が築きやすい

オフィスでは、業務以外のちょっとした雑談でもしやすく、雑談からアイディアが生まれるケースも増えています。そこから会話が広がり、ひいては信頼関係構築に繋がることも考えられます。

生産性を上げられる

オフィス以外の場所では、仕事を行う環境が整っていないこともあります。例えば、自宅でテレワークをするときに、仕事スペースを確保できなかったりデスクやチェアが仕事に特化していなかったりすると、業務効率が下がってしまいます。

オフィスは、仕事の生産性が上げられるようなレイアウトやデザインが施されています。そのため、効率よく業務に取り組むことができるのです。

コロナ禍でもオフィスで生産性を上げるには?

コロナ禍において、オフィスでの生産性を上げるために重要なのは、従業員が安心して働けるオフィス環境を整備することです。具体的な施策を紹介します。

正面に向かい合わないデスクレイアウトを導入する

一般社団法人日本経済団体連合会が発表している「オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」の中で、感染防止のために講じるべき具体的な対策が提示されています。

オフィスのデスクレイアウトに関しては、仕切りを設置したうえで、可能な限り対角に配置する・横並びにするなどの工夫が必要との提言がなされています。仕切りが設置できない場合は、2メートルを目安に一定の距離を保つよう工夫しましょう。

会議を開催する場合は、椅子を減らしたり机に印を付けたりして、距離や対面角度に注意が必要です。

マスク着用や手洗いの徹底

日常生活と同様に、オフィスにおいてもマスクの着用や手洗いの徹底が重要です。オフィス内では、人との距離が確保できないことが多いため、マスクは常時着用するよう徹底しましょう。また、手洗いに必要な水道設備や石鹸などを置けない環境では、消毒液を必ず配置しましょう。

対面を回避できず、かつマスクの着用も徹底できない場所では、飛沫防止のため、アクリル板や透明のビニールカーテンなどの設置が求められます。

定期的に換気を行ったうえで湿度も保つ

オフィス内の換気を行うのも、重要な新型コロナウイルス対策です。室内に換気設備が備わっている場合は、設備の稼働を。
窓が開く場合には、1時間に2回以上窓を開けましょう。換気がきちんと行われているかどうかを確かめるには、CO2モニターなどをオフィス内に設置すると、確認がしやすくなります。

また、事務所衛生基準規則等に基づき、オフィス内の湿度は空調設備や加湿器などを適切に使用して40%から70%になるよう配慮しましょう。

来訪者にも対策を呼びかける

従業員同様、来訪者にもオフィス内での新型コロナウイルス対策について理解を求め、対策を呼びかけましょう。来訪時にはマスク着用を依頼し、オフィスの入り口にアルコール消毒液を設置して使用を促します。

来訪を控えてもらうため、オンラインでの打ち合わせを提案するのもひとつの方法です。さまざまなツールを活用しながら、コンタクトをとっていくと良いでしょう。

リラックススペースの設置

意識調査レポート2021の中で、オフィス内にリラックススペースの設置を望む声が多く見受けられました。環境と仕事の質を上げるために、リラックススペースが必要だと考える割合が増えているのです。

リラックススペースの設置により、オンとオフの切り替えを上手に行い、生産性を上げていく取り組みが求められています。

まとめ

「withコロナ」という言葉が浸透しているように、新型コロナウイルスが収束した後も、現在の生活様式は当面の間続くことが考えられます。ここで解説したように、オフィス以外の場所で仕事ができるようになっても、オフィスの存在価値がなくなる可能性は低いと言えるでしょう。

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