オフィス
2021.06.04
集中力を高めるオフィスとは?その取り組みを紹介!
仕事を時間内に終わらせ、かつミスも起きないようにするには、集中力を高めたうえで持続させなくてはいけません。集中力は、無限に続けられるものではなく、持続可能な時間も人それぞれです。
時には、集中力が続かずに、仕事がはかどらないと悩む人も多いでしょう。これは誰しも起こることなので心配はいりません。集中力が途切れる原因を把握し、集中力が高められる取り組みを紹介します。
オフィスで集中力が途切れてしまうのはどんな原因がある?
オフィスでは、仕事に集中できなくなる要因が多く見られ、その結果集中力が途切れてしまいます。具体的に、どのような原因で途切れてしまうのでしょうか。
電話応対
電話応対は、仕事が中断される理由でとても多いものです。顧客や取引先などからの電話が入ると、その都度仕事を中断して応対しなければなりません。
上司や同僚からの声かけ
電話応対同様、上司や同僚から案件を振られたり、相談を受けたりすると、仕事を止めて対応する必要があり、集中力が途切れる原因となります。
疲労や睡眠不足
デスクワークを中心とした生活では、頭をフル回転させて仕事しますが、身体はあまり疲れを感じません。そのため、睡眠の質が下がり、熟睡できないことで睡眠不足を招く場合があります。さらに、精神的な疲れからストレスも蓄積し、集中力が続きにくくなるのです。
厚生労働省が公表している「国民健康・栄養調査」の中で、2019年(令和元年)11月に実施した結果において、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人の割合が、男性の30代から50代・女性の40代から50代では4割を超えていることが分かっています。
睡眠の質の状況においても、日中眠気を感じた人の割合が高く、大きな問題と言えるでしょう。
オフィス内の騒音や社内のレイアウト
オフィスでは、細かい雑音や周囲の会話など、さまざまな物音が発生します。業務中は、これらの音が気になって集中しにくくなることがあります。
また、社内のレイアウトによって、人の出入りが多い場所で業務を行うと、周りの動きが視界に入って気になってしまい、気が散って集中できなくなるでしょう。
偏った食生活
食事時間が不規則になったり、コンビニ弁当が多いために栄養バランスが偏ったりすると、集中力が下がりやすくなります。
特に、残業の後に食事を摂る場合、食事が就寝直前の時間帯になると、消化不良を起こすことが多く、目覚めが悪くなる可能性が高まるのです。
さらに、糖分が大量に含まれた食事では、血糖値が不安定になることで眠気が強まったりだるさを感じたりする症状も現れます。
規則正しい食事時間と栄養バランスをできるだけ保てるよう、生活スタイルを整えるようにしたいものです。
オープンオフィスでは集中力が乱れることもあるので要注意
近年、オープンオフィスを導入する企業が増えています。パーティションなどをなくし、広々とした印象がありますが、実はオープンオフィスには集中できなくなる盲点があるのです。
コミュニケーションを活性化することで、逆に集中できなくなる
オープンオフィスの目的は、従業員同士がコミュニケーションを取りやすくすることです。コミュニケーションを重視し、モチベーションや生産性の向上を目的としています。
しかし、この取り組みによって、逆に集中できなくなってしまう人がいるのも、覚えておきたい事実です。周囲にいる他の従業員に気を遣うあまり、自分の業務に集中できなくなったり、自分のペースで仕事をしたいと感じる人に支障をきたすというマイナス点があります。
従業員の特性を見極めて導入を検討すると良い
オープンオフィスの導入を検討する際には、さまざまなタイプの従業員がいることをふまえたうえで、いくつかの業務スペースから選択できるようなレイアウトにすると良いでしょう。
集中して業務に取り組むためには、どのような対策が必要?
集中力を高める難しさが分かったところで、少しでも集中力を持続させるには、自分たちができる取り組みを実践していくことが重要です。取り組みの事例をいくつか紹介します。
集中して業務に取り組む時間をつくる
人は、1日の中で集中しやすい時間帯があります。個人差は若干あるかと思いますが、概ね午前10時から11時までと、午後4時以降は集中しやすいと言われています。
この間に昼休みもありますので、午前・午後それぞれ1~2時間程度の時間帯を決めて取り組むと、効率が上げられます。
人は、集中して仕事ができるまでに23分かかると言われています。この間に話しかけられたり業務が中断したりすると、そこからさらに23分待つ必要があるのです。
この時間ロスを防ぐには、話しかけてはいけないことが他の人が分かるように、プレートなどを提示しておくと良いでしょう。ネットを遮断するために、Wi-Fiを切っておくのも効果的です。
さらに、自分が集中している姿をイメージすることで、行動に移しやすくなります。
オフィス環境に気を配る
オフィス環境を整えることで、快適な執務スペースづくりを心がけましょう。
業務で必要な道具や書類は、すぐ取り出せる場所に保管し、「ものを探す」という時間をできるだけ作らないようにすると、集中力が下がるリスクを抑えられます。仕事で使わない道具は、目につかないところへ置いておきましょう。
理想の室温は、夏場は27度前後、冬場は20度前後と言われています。これは、エアコンの設定温度ではなく、実際の室温ですので、夏はサーキュレーターや除湿器、冬は加湿器を併用しながら快適な温度に近づけていきましょう。
湿度は、夏は50%以下・冬は50%ほどが理想です。
オフィスでBGMをかけるのも、集中力アップが見込めますが、選ぶ曲のジャンルに気をつけましょう。おすすめは、クラシック・バロック音楽などがあげられます。
クラシックをかけることで、リラックスのための脳波であるアルファ波が分泌されるため、集中するときに分泌されるベータ波を落ち着かせてくれるのです。アップテンポの曲は、集中力を高める効果が期待できません。
BGMには、周囲の音をかき消す「マスキング効果」というものがあります。オフィスであれば、BGMを流すことでキーボードを打つ音が聞こえにくくなる、雑音が気にならなくなるといった効果が期待できます。
室内の二酸化炭素濃度に気を配る
オフィス内の二酸化炭素濃度は、自然界に近い800ppm以下に抑えるのが理想だと言われています。1,000ppmを超えると、眠気が起こることで集中力が下がる傾向にあるので、室内に測定機械などを置くと良いでしょう。
築年数が経過しているビルでは、空調設備が旧式のままとなっている場合があるので、状況によっては設備の交換が必要となるかもしれません。
適度に休憩を取り身体を動かす
集中力を高めるための時間管理に、「ポモドーロテクニック」というものがあります。25分作業したら5分休むというサイクルを4回繰り返し、その後少し長めに休憩をとります。作業時間を設定し、定期的に休憩をはさむことで、集中力が高められるようになるでしょう。
休憩時には、できるだけ身体を動かしましょう。ストレッチや深呼吸、軽い運動を行うことで、血液が流れて脳の活性化につながります。
まとめ
集中力を高めて業務を行うことで、企業全体の生産性を上げる結果につなげられます。業務の中で高い集中力をできるだけ長く続けるために、環境づくりにつとめていきましょう。