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フリーアドレス

2021.03.30

フリーアドレスで作業効率が上がる?フリーアドレスのメリット・デメリットとは?

これまでフリーアドレスの導入は、IT企業やベンチャー企業といった比較的新しい企業で取り入れられてきました。しかし最近は、企業だけでなく官公庁等を含むあらゆる分野で導入が進んでいます。そこで、フリーアドレスとはどういうことなのか、メリットやデメリットなどを紹介します。

フリーアドレスとは?

フリーアドレスとは、これまでのような決まった自席がなく、自分の好きな場所で仕事をするスタイルのことです。フリーアドレスを取り入れている企業では、フロアに大きなデスクとイスがあったり、カフェのようにテーブルとイスを用意したりしています。

そもそもフリーアドレスは、1987年に日本で初めて導入されましたが、情報通信技術がさほど普及していないこともあり、採用する企業は限られていました。しかし、近年は、オフィスのあり方が変化しています。

フリーアドレスのメリット

次に、フリーアドレスのメリットについて考えていきましょう。

社員同士の交流が活性化

従来のオフィススタイルでは、部署ごとにフロアが違ったり、レイアウトスペースを分けることが多い状況で、自席近くの社員や部署内でのコミュニケーションが中心になります。一方、フリーアドレスでは、部署やグループの垣根を越えて仕事をすることが可能になり、これまで交流のなかった社員同士のコミュニケーションが生まれやすい環境になります。

他部署の人の考え方を知ることで、広い視野を持てるようになり、アイデアを生み出すきっかけにもつながります。

省スペース(コストカットにつながる)

従来のオフィススタイルでは、1人1席デスクを用意するので、外出の多い社員は、あまりデスクを使わないことがあります。そうすると、使わないデスクのスペースが無駄になったり、必要なフロア面積が大きくなります。

フリーアドレスを導入すれば、デスクの稼働率が上がるため、座席数を減らすことができ、省スペースにつながります。また、広いオフィスを借りる必要がなくなれば、賃借料を削減することにつながります。

オフィスの環境美化

自席がある場合は、「好きなように使って良い」と思われがちです。そのため、自分のデスク上が物であふれたり、私物を片付けないまま帰宅する人がでてきます。

しかし、フロア全体を、共有するという考え方では、自分の席や自分のスペースという概念がないため、整理整頓を心がける人が増えてきます。そうすれば、自然とオフィス全体の環境美化につながり、皆が気持ち良く働ける空間になっていきます。

自分らしいワークスタイルを確立

フリーアドレスの特徴は、場所に縛られず、自分にとって効率の良い環境で、仕事をすることができることです。またリモートワークやサテライトオフィスなどを活用すれば、オフィスへ出社することなく、働く場所を選ぶことも可能です。

その結果、「仕事をさせられる」から「どうやったら効率的に仕事ができるか」といったように、社員が主体となって仕事に向き合えるようになることが期待できます。

フリーアドレスのデメリット

従来の概念を崩すのにとても有効なフリーアドレスですが、どういったデメリットが考えられるのでしょうか。

集中しづらくなる場合もある

フリーアドレスを導入すると、座席位置が変わるだけでなく、隣接する人が異なる可能性があります。また、固定した席がないために人の動きが活発化する場合もあるでしょう。フリーアドレスのオープンな空間に慣れないと、集中しづらいと感じる人やコミュケーションをとることにストレスを感じる人が出てくることがあります。

従来のマネージメント方法では対応できない

ワンフロアに全社員がいる会社であれば、さほど問題はないかもしれませんが、いくつかのフロアで仕事が可能な会社の場合、1人1人がどのフロアで仕事をしているのかわかりません。質問や仕事の進捗確認をしづらくなる可能性があります。

マネージメントは、部下のフォローや育成の仕方、人事評価基準のあり方等を事前に検討する必要があります。

フリーアドレスを活用できていない

フリーアドレスは、「ABW(Activity Based Working)」という時間や場所を社員が自由に選択できるワークスタイルを意識したものです。しかし従来の考え方が抜けないために、フリーアドレスにも関わらず毎回同じ席を利用する、いつも同じ仲間の近くで仕事をするなどといった行動パターンをとる人もいます。

システム構築にコストがかかる

フリーアドレスを導入すれば、オフィス面積の削減等でコストを削減することは可能です。しかし、フリーアドレスに対応した情報システム環境を整備する必要もあります。たとえば、無線LANの整備や新しい勤怠管理、会社携帯やノートパソコンなどの電子機器の整備、セキュリティ強化などがあげられますが、それらを新たに用意する場合、追加のコストが発生することも認識しておく必要があります。

フリーアドレスを用いた企業の参考例

最後に、フリーアドレスの効果をさらに高める方法とともに、フリーアドレスを用いた企業の参考例を紹介します。フリーアドレスの導入を検討している方や、導入後の改善を考えている方はぜひ参考にしてください。

・事例1:屋内閉塞感をなくす

外出の少ない部署や職種の場合、従業員は長時間の屋内作業で閉塞感や単調さを感じ、ストレスをため込むことがあります。

このような現象を緩和するために、オフィス内に人工的な太陽光や自然景観を再現するシステムを導入する企業もあります。導入後に実施した社員アンケートでは、自然を感じることでリラックス効果を得ることができたと回答する人が多い結果となっています。

・事例2:位置情報システムの活用

フリーアドレスのデメリットでも紹介しましたが、固定デスクがなくなると人を探すのが難しくなり、急用に対応できないことが起こり得ます。そこで問題解決に取り入れるべきシステムが、位置情報ソリューションです。

位置情報ソリューションを導入すれば、社員1人1人が今どこで仕事をしているのか、混雑しているフロアはどこかなどを把握することができます。また、会議室等の共有スペースの利用状況をデータとして収集し、可視化することもできます。それによって無駄なスペースを削減したり、空いたスペースを有効活用することも可能です。

・事例3:オフィスにオアシスを作る

開放的で自由な働き方のできるフリーアドレスオフィスを用意していたとしても、ほっと一息つける空間がなければ、結局仕事に追われてしまうケースもあります。そうすると、仕事の創造性や効率性がダウンするでしょう。オフィス内でも適度なやすらぎがあることで、活力をリチャージして仕事に取り組めるのです。

そこで、社員の休憩スペースや昼食スペースをリチャージスペースとして空間デザインすると、リフレッシュできて仕事に集中できるようになったという事例があります。具体的には、自然や季節を感じる映像を流したり、照明や音でリラックス効果を創出するなど憩いの場所を用意すると良いでしょう。

まとめ

フリーアドレスにもデメリットはあります。その反面、働く側のストレスが軽減され作業効率アップも期待できる面もあるでしょう。ただその前提には、フリーアドレスで快適に仕事ができるような空間を用意したり、システムを構築したりする必要があります。働き方改革によって、働く側の意識も変わり、世間からも新しい働き方が求められている現実を踏まえて、オフィス作りをしなければならないでしょう。

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