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光メディアコンバータとは 役割や種類・特徴、選び方のポイントなどを解説!

更新日:2023/2/28
光メディアコンバータとは 役割や種類・特徴、選び方のポイントなどを解説!
UTPケーブルから光ファイバに変換するハブとして利用し、伝送距離を延長する変換器が光メディアコンバータです。今回は光メディアコンバータがどのような役割を持ち、どのような種類・特徴があるのか、何をポイントにして選べばよいのかを解説します。
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メディアコンバータとは?どんな役割がある?

メディアコンバータは、複数の伝送媒体を接続する際、信号変換を行うことで、方式や素材の異なる媒体を繋ぐ装置のことです。主な目的は伝送距離の延長で、よく用いられるのは電気信号を光信号に変換するものです。

安全基準について

メディアコンバータのレーザー光源は、目に入ると視覚障害を起こす危険があるため、製品に対しては安全基準としてJIS C 6802が定められています。レーザー光は強さによってClass1~Class4に分けられており、メディアコンバータに使用されているレーザー光源はClass1 Laser Productに分類されます。

Class1は最も危険度の低い分類ですが、レーザー光を直視すると危険な点に変わりはありませんから、絶対に内部を覗き込まないように注意してください。

光メディアコンバータとは

メディアコンバータは、異なる素材・方式の伝送媒体の信号を変換し相互通信する装置のことです。その中でも、回線の一方が光ファイバーとなっているものを「光メディアコンバータ」と呼びます。

光ファイバは長距離を安定して伝送できる特徴があるため、遠隔地にあるネットワークの中継地点に光メディアコンバータが使用されることが多いです。メディアコンバータには変換方式によるリピータタイプとスイッチタイプ、芯数による1芯通信と2芯通信があります。

メディアコンバータの種類《変換方式での分類》

メディアコンバータの変換方式による分類を見ていきましょう。変換方式による分類には、リピータタイプとスイッチタイプがあります。

リピータタイプ

UTPケーブル側と光ファイバ側の通信速度が同じ時に使用するタイプで、エラーチェック機能がない分、遅延時間がほとんどなく、伝送遅延が許されない環境やアプリケーションに最適です。

パケット長に制約がなく、受信したパケットの内容に関わらず、そのまま送信を開始できます。

スイッチタイプ

UTPケーブル側と光ファイバ側の通信速度が異なる時に使用するタイプで、相互の速度変換が可能です。パケットを最後まで受信してから送信開始するため、リピータタイプよりも伝送速度は遅延します。

パケット長が長くなるほど遅延も大きくなる特徴がありますが、エラーパケットの監視やフィルタリングをするならスイッチタイプがおすすめです。

メディアコンバータの種類《芯数での分類》

芯数とは、通信に利用するファイバが1芯か2芯かという違いです。一般的に用いられるのは2芯通信で、進行方向がそれぞれ独立しているため、機器の構造もシンプルです。

2芯通信

送信と受信でそれぞれ1本ずつ光ファイバがあり、送受信で波長を変える必要がないというメリットがあります。同じ製品同士の対向接続ができ、予備機も1つで済みます。

一方、光ファイバを2本使用するため、それぞれ用意しなければならない点はデメリットです。

1芯通信

1本の光ファイバで送受信ができ、送受信で異なる波長を利用して双方向の通信を行います。異なる製品同士を接続する際に利用し、コストを抑えて通信するならおすすめです。

デメリットは、異なる製品で対抗接続するため、それぞれの製品の予備機を用意しておく必要がある点です。

メディアコンバータのメリットとは

メディアコンバータのメリットは、以下の5つとされています。

  • 光ファイバによってLANの距離が延長される
  • 既存の施設をそのまま利用できる
  • 電磁波による影響からデータを保護できる
  • リンク速度を変換できる

既存の施設を利用しつつ、リンク距離は最大で80㎞程度まで延長できるため、非常に有用性が高いです。また、アルファ波やベータ波などの電磁波による影響も受けにくく、安定したパフォーマンスが期待できます。

メディアコンバータの選び方のポイントとは

メディアコンバータの選び方のポイントとは

メディアコンバータを選ぶ際のポイントを紹介します。

1:伝送速度

通信速度は100M~10Gまで、どの速度と対応しているのかを最初に確認しましょう。単に速度が速いものを選ぶのではなく、機器の通信速度と合ったメディアコンバータを選択しなければ通信できません。

ファイバ同士の通信速度が同じであれば、遅延の起こらないリピータタイプを選択します。逆に、ファイバ同士の通信速度が異なるようであれば、速度変換が可能なブリッジタイプを選びましょう。

2:光ファイバ種類

光ファイバには、伝搬経路に応じて「シングルモード」と「マルチモード」があります。

シングルモード(SMF)は、名前の通り伝送路が1つだけの光ファイバです。伝搬するコアが10㎛と非常に小さく、伝送における損失が少ないため長距離の伝送に最適です。

マルチモード(MMF)は、伝送路が複数ある光ファイバで、コアは50㎛~60㎛と大きく、シングルモードよりも伝送損失が大きくなります。短距離・中距離の通信に使用されます。

3:芯数

芯数は、通信する際に光ファイバを何本使用するかということです。1本のみで送受信を行うなら1芯、2本で方向性を独立するなら2芯がおすすめです。

現在は2芯が主流ですが、ファイバのコストを抑えるなら1芯もおすすめします。

4:伝送距離

メディアコンバータを利用すると伝送距離が延長できるものの、製品やSFPモジュールによっても適切な距離は変わります。

快適な利用を目指すために、製品ページの「伝送距離」を参考にしてください。

5:その他の機能

その他にも、メディアコンバータは色々な機能を備えていますから、機能性で選ぶことをおすすめします。

  • 簡易光ポートモニタリング機能
  • DDM機能

簡易光ポートモニタリング機能は、メディアコンバータの光の送受信状態をLEDで確認する機能です。機器前面のLEDで、光の強度のしきい値超過をお知らせします。(しきい値は固定です)

DDM機能では、正常光強度範囲から超過したことを検出し、通信異常が発生しうる状態を表します。(装置自体の問題を示す機能ではありません)

こうした機能性についても確認し、メディアコンバータを選びましょう。

メディアコンバータの代表的な使用例

メディアコンバータは日常のどのような部分に使用されているのか、代表的な使用例を紹介します。

  • 企業内LAN
  • 工場
  • 監視システム
  • ショッピングセンター

企業内LANとは、本社と各支店を接続する目的で、メディアコンバータで変換したデータを光ファイバを通じて長距離通信しています。工場でも同様で、長距離を高速で通信するためにシングルモードを利用するのが代表的です。

監視システムやショッピングセンターでは、テナント向けの回線提供、監視カメラ、屋内Wi-Fiなど広範囲で均一に利用できるネットワークが必要です。各地点にメディアコンバータをONUとして利用し、責任分界点を規定できます。

大型のショッピングモールであれば、光ファイバによる伝送距離の延伸を行うこともあります。

おすすめのメディアコンバータのご紹介

パナソニックのメディアコンバータは、電源内蔵で最高50℃までの動作環境温度にも対応し、長距離伝送への変換可能な製品があります。通常のUTPケーブルでは伝送距離が100mに限られますが、メディアコンバータなら最大550mまで延長可能です。

また、工場のようなノイズが発生しやすく、通信障害が起こりやすい環境にも対策が施されており、あらゆるシーンで活躍する製品を用意しています。

メディアコンバータは機能性を考えて選ぶ

メディアコンバータは異なる通信媒体を接続し、信号変換を行うネットワーク機器です。特にビジネスで本社と工場・支店を結ぶ際や、自治体の広域監視システムでスムーズに情報のやりとりをするために、メディアコンバータは欠かせない製品です。

メーカや製品によって機能性や使用シーンが異なりますが、メディアコンバータを選ぶ際は機能性を考えて選びましょう。メディアコンバータについて気になる点、お困りごとのある方は、ぜひご相談ください。

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