MATCH INFORMATION
試合詳細
NTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2022 第9節
VISITOR
埼玉ワイルドナイツ
埼玉WK
22
前半
14
29
後半
12
トヨタヴェルブリッツ
トヨタV
パロ瑞穂ラ(愛知)
STARTING MEMBER
ジョージ クルーズ
ハドレー パークス
★ゲームキャプテン
RESERVE MEMBER
マッチリポート
前半
トヨタVボールでキックオフすると、エリア獲得を重視したプレーが続く。前半1分、竹山晃暉選手の50:22から陣地を相手陣22m内に進めた。
最初のトライは前半12分。松田力也選手がハイボールをキャッチすると、山沢拓也選手にボールを渡す。相手DFを2人交わした所で山沢選手がショートサイドのランナーを確認すると、落ち着いて前方裏のスペースへ蹴り上げた。セミシ トゥポウ選手が大外から回り込みインゴールで追いつけば、落ち着いてグラウンディング。7点を先制した。
トヨタVの強烈なタックルに思わずボールを離せなかったのは埼玉WK。ペナルティーから自陣22mへの侵入を許すと2桁フェーズを重ねられ、最後はディフェンスラインを崩されトライを許す。前半19分、7-7と振り出しに戻る。
しかし次のキックオフからすぐに敵陣深くで坂手淳史キャプテンがジャッカルに入れば、PGを選択。すぐに3点を追加した。
流れに乗りたい埼玉WKだったが、前半22分、トヨタVが蹴り上げたハイパントに競り負けそのまま40mを走り切られてしまう。10-14、この試合初めてのリードを許した。
取られたらすぐに取り返すのが、今年の埼玉WK。相手のデリバレートノックオンで10分間の数的優位な時間帯を得ると、すぐに陣地を敵陣深い位置に進めた。相手DFが寄った所を確認した松田選手が大きく左にキックパスを蹴り上げれば、ゴールラインに構えたトゥポウ選手が再びキャッチしそのままトライを奪った。前半29分、15-14とまずは逆転に成功する。
FWが接点でバチバチと当たり、刺さるタックルを見舞えば、BKは2つ目の50:22で陣地を大きく回復させることに貢献する。
坂手キャプテンも「前にいるFWとしては、勢いづかせてくれるキックだったので有難い。前に出してもらえて嬉しかった」とそれぞれの役割をリスペクトした。
前半ラストワンプレーでトライを取り切ったのは、埼玉WK。
2度のラインアウトモールから、最後は山沢選手が縦に走り込んでトライ。22-14の8点リードで、ハーフタイムを迎えた。
後半
後半開始早々、ノーホイッスルトライで先制したのはトヨタV。埼玉WKも3選手がチェイスしたが、一瞬の間をつかれトライを許してしまう。後半2分、3点差まで詰められた。
例え点差を縮められようとも、慌てない強さを兼ね備える埼玉WK。
自陣でのディフェンスにも落ち着いてプレッシャーを掛け続けると、ボールがこぼれた所すかさずセービングに体を投げ出したのは坂手キャプテン。落ち着いてマイボールにし、すぐさま外に開けば、ターンオーバーから僅か15秒程でトライを取り切った。前半8分、10点のリードを奪う。
後半11分には恒例となったFW1列総交代が、そして13分には山沢選手に代わり2シーズン振りの登場となった笹倉選手がピッチに姿を現す。
後半18分にはペナルティーから松田選手が落ち着いてPGを沈め13点差に広げた。
後半28分、両チームの11番・トゥポウ兄弟対決に勝ったのは、トヨタVの兄・ウィリアム トゥポウ選手。トライとコンバージョンゴールを決められ、1トライ1ゴールで逆転となる6点差まで追いつかれてしまう。
しかし、またしても取られたら取り返したのは埼玉WK。
敵陣22mでマイボールラインアウトを獲得すると、いくつかFWを当てた後に13番ディラン ライリー選手がバウンシングボールを蹴り込み自らインゴールで抑え込んだ。39-26と再び13点差に戻した。
後半35分には最後の交代枠を使ってフレッシュレッグのスクラムハーフを投入する。するとこの試合チーム3つ目となる50:22を松田選手が決め、敵陣22m内で優位に攻撃を続けた。ゴール目の前でのラックで、ラック横のDFが薄くなった所を見逃さなかったのは代わって入ったばかりの小山大輝選手。パスと見せかけ、そのままインゴールに飛び込んだ。
「あと1トライ1トライ!」
小山選手が奪ったチーム7つ目のトライを認定する笛が吹かれた直後、フィフティーンから聞こえてきたのはボーナスポイント獲得を目指す「もう1トライ」の掛け声だった。
例え残り時間数秒であろうとも、最後まで諦めなければ可能性はゼロではない。
試合終了のホーンが響く中繋がれたトヨタVのパスをすかさずインターセプトしたのは、この日2本の50:22を成功させたWTB竹山選手だった。そのまま60mを走り切り、最後のトライを笑顔で締め括る。
相手に許したトライは全部で4本。しかしその5分以内には、必ず埼玉WKがスコアを奪い返した。
取られた反則も80分間で僅か4つ。今季最小の被ペナルティー数で、規律高く戦い続けた埼玉WK。
最後の最後に3トライ差をつけ、51-26。勝ち点5を獲得した。
試合後記者会見
■金沢篤BKコーチ
本日はありがとうございました。お天気も良く、またお客さんもたくさん入った。3位・4位の戦いということで非常にエキサイティングな良いゲームだったと思う。
(キックを多用したアタックについて)特にキックを積極的に使ってくれという事前の戦術ではなく、出ている選手たちがスペースを見て判断した結果。トヨタVがかなりプレッシャーを掛けてきていたので、選手が上手くそこのスペースをついたのだと思う。
今日は良い形でボーナスポイントも取れたので、この流れはこのまま引き継ぎたいが、いつも行うルーティンは変わらない。自分たちの強みをしっかりと出すラグビーをしていきたいと思う。そのためには今日からリカバリーに入って、来週の練習をしっかりとやっていくだけ。
■坂手 淳史キャプテン
良い形でゲームを締められ、また良い環境でラグビーが出来て楽しかった。山沢は本日ワイルドナイツでの50キャップ目。記念すべきゲームで、このような形で勝利出来たことをチームとしてポジティブに捉え、また前を向いて進んでいきたいと思う。
ビジターゲームが2試合続いた。来週はホームに戻るので、ホームのファンの方々の前で良いラグビーが出来るように、1週間良い準備をしたいと思う。
(この試合好調だったエリア取りについて)この試合に限らず、常に考えるべきこと。常にBKは裏の取り方、どのエリアでラグビーをするか考えていると思う。前に出してもらえて嬉しかった、有難かったです。キックは戦術になかったが、プレーしている中で空いているスペースをたくさん見つけることが出来た。特に50:22となった3つのキックについては、BKの選手たちが良い判断をしてくれた。前にいるFWとしては、勢いづかせてくれるキックだったので有難い。
■松田 力也選手
ビジターゲームのため、ベルブリッツさんのプレッシャーが掛かる試合、簡単な試合ではないと分かっていた。みんな良い準備をして臨んだ。良い形でDF出来ていた部分もあるし、数的有利を使ってトライを取った所もあるが、キック処理から相手に3本簡単にスコアさせてしまった。バックスリーのコントロール・コネクトを反省しなければならない試合。それでも勝ち切ることが出来たことはしっかりと次に活かしたい。
(キックを多用した理由について)分析というよりも、プレー中の判断で選手同士がコミュニケーションを取ることで良いアタックに繋がった。みんなが空いているスペースを探してフォローして判断して、繋がっていく。良い形で相手のDFを見て、結果としては良いゲインに繋がったと思う。
(50:22について)チームに勢いを与えるプレー。意識して練習はしている。今日の3つの50:22で相手のメンタル的にもプレッシャーになったし、良いエリアで良い形で波に乗れたと思う。
■山沢 拓也選手
難しい時間帯も試合中何度かあったが、チームとしても必要な時にトライを取ったりPGで得点を重ねたりすることが出来た。上手く行かなかったこともあるが、結果的にしっかりと勝ち切ることが出来たので良かった。
(10番と15番の違いについて意識していること)特にアタックの面では近場にポジショニングすることが多くなるので、そこから見える景色を常に(松田)力也に伝えるようにしている。自分が10番になった時にもそういう情報は必要なもの。10番の立場に立った時に必要なことを力也に伝えるよう意識している。
(この試合好調だったエリア取りについて)シンプルに前半は追い風だったので、上手く使って敵陣でプレー出来ればいいなと思っていた。後半は逆に風やスキルの面で相手にエリアを取られた部分があった。そこは反省点。
試合経過
試合開始
トヨタVボールのキックオフで試合開始
前半11分
前半18分
トヨタV、埼玉WK陣22mライン付近左ラインアウトから乱れたボールを展開し右中間でラックを作り連ぞ攻撃、11フェイズ目に埼玉WK陣中盤左中間でラインブレイクしパスを一つ繋ぎ左中間にトライ。ゴール成功 7-7
前半19分
前半21分
埼玉WK、松田 力也 ペナルティーゴール成功 10-7
前半22分
トヨタV、トヨタV陣10mライン付近左中間でキックレシーブ、パスを一つ繋ぎハイパントを上げると自ら再獲得しそのまま右端にトライ。ゴール成功 10-14
前半26分
トヨタV、10番にイエローカードの判定
前半27分
前半37分
トヨタV、10番の選手が戻りました
前半42分
前半終了
埼玉WK 22 - 14 トヨタV
後半開始
埼玉WKボールのキックオフで後半開始
後半1分
トヨタV、トヨタV陣10mライン付近左中間でハイパントを確保しパスを繋ぎ左ライン際をカウンターアタック、埼玉WK陣10mライン付近からゴールライン目前までキックを蹴り込み自ら抑え左中間にトライ。ゴール不成功 22-19
後半7分
後半11分
後半13分
[選手交代]山沢 拓也 → 笹倉 康誉
後半14分
[選手交代]ハドレー パークス → ヴィンス アソ
後半18分
埼玉WK、松田 力也 ペナルティーゴール成功 32-19
後半24分
後半27分
トヨタV、トヨタV陣中盤右端でキックレシーブしカウンターアタック、連続攻撃の中、22mライン付近左中間から10mライン付近左中間に小さいキックを落とし、こぼれているボールを大きく蹴り込み22mライン付近左中間で再獲得、そのまま左端に飛び込みトライ。ゴール成功 32-26
後半31分
後半35分
後半39分
後半41分
試合終了
埼玉WK 51 - 26 トヨタV
ギャラリー
ギャラリー
試合の見どころ
リーグ戦もいよいよ、後半戦に突入。今週末戦うは、愛知県に本拠地を構えるトヨタヴェルブリッツである。
現在勝ち点27で並ぶチーム同士の戦いは、ベスト4入りに向け負けられない一戦。若手とベテラン、日本人選手と外国人選手とが融合したバランスの良いチームを相手に、埼玉ワイルドナイツはブレイクダウンで勝ち、攻守の切り替えの速さで圧倒したい。
今節の注目ポイント
前節で信頼を勝ち取った2選手が連続出場
RH大阪戦で今季初出場を果たし、献身的な働きぶりを見せたエセイ ハアンガナ選手とセミシ トゥポウ選手。今節、先発メンバー入りを果たした。
ハアンガナ選手はジョージ クルーズ選手やマーク アボット選手ら先輩たちとのポジション争いに勝つべく、引き続き高いワークレートでアピールできるか。トゥポウ選手は、今季初めてマリカ コロインベテ選手以外で11番をつける。兄・ウィリアム トゥポウ選手とのマッチアップなるか、楽しみにしたい。
今季初のメンバー入り・笹倉康誉選手
昨シーズンはウォーターとしてチームの優勝を間近で支えた笹倉選手。今季の練習試合では、バックス最年長であることを感じさせない豊富な運動量とラグビーセンスで、安定して結果を残してきた。
満を持しての登場となるか。2020年2月のNTTドコモ戦以来となる、リザーブからの出場を期待したい。
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