7月から異常なムシムシ、ベタベタと高温多湿の日が続いていますね。
暑い季節の運動や練習では、正しい水分補給がとても大切です。
そこで、久し振りの「食べて勝つ!」では、水分補給について一緒に再確認していこうと思います。
🔹水分補給の必要性
人の体の約60%は水分でできています。特にアスリートは水分を多く含む筋肉が多いため、 カラダ全体の水分が占める割合も一般の方に比べて多くなります。
この「水」は、ただ喉の渇きを潤すだけでなく、体温の調節・栄養素や酸素の運搬・老廃物の排出・筋肉の動きを支えるなど、あらゆる生命活動に深く関わっています。日常生活はもちろん、パフォーマンスを維持したり、上げて行くためには、カラダの水分量を保つことが必要不可欠です。
🔹カラダと水について
1日の生活活動で、約2.5Lの水分が失われていると言われ、尿や便で1.6L、汗や呼吸で0.9Lがカラダの外へ出ていきます。その為、体内代謝によって作られる水分0.3L以外に、食事からと飲み水で1.2~1.5Lを補給する必要があります。
また、身体活動によって体水分の損失は大きく増加し、高温多湿の環境下で高強度の身体活動を行った場合には、その量はさらに増加する為、こまめな水分摂取が必須です。
1日に約2.5Lの水分が出入りしています
🔹いつ、どれくらい飲めばいいの?
運動前
- 2時間前までに体重1kgあたり5〜10mlの水分を目安に摂取。
(例:50kgの人なら250〜500ml摂る) - 30分ほど前からは少量をこまめに
運動中
- 15~20分ごとに200〜250ml
- 1時間の運動で合計500〜1000mlが目安
- 給水タイムを意識的に設けましょう
運動後
-
運動中に失った水分の125~150%ほどを目安に2~4時間かけて摂取し、失われた水分を体内へ補給すると良いでしょう。
(例:水分が1000ml失われたら1500ml摂る)
🔹何を飲めばいいの?
汗と一緒に失われるのは水分だけではなく、電解質と呼ばれるナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウム、クロール等が含まれています。これらを補わないと、筋肉がつったり、パフォーマンスに悪影響が出ることがあります。
涼しい日や軽い運動なら水や麦茶でOK。1時間未満の運動やあまり汗をかかない日は、シンプルな飲み物でも十分です。
ただ、最近のように高温多湿で、たくさん汗をかいたときは経口補水液や、電解質バランスの整ったスポーツドリンクを飲むようにしましょう。冷やしすぎず、飲料の温度は5〜15℃程度が吸収にもスムーズで理想的です。冷えすぎは胃腸の負担になるので注意しましょう。
🔹あなたの水分補給は足りてる?
水分補給がうまくいっているかを知るには、この2つが簡単で効果的な方法です。
- 「練習前後の体重測定」
- 「尿の色チェック」
練習前後の体重をチェックし、2%以上減っていないか確認。体重50kgなら、1kg以上の減少はNG!
また、尿が薄い黄色ならOK、濃ければ水分が足りていなかった証拠。
ぜひ一度、自分のコンディションをチェックしてみてください。
🔹理想的な水分補給のポイント
1日を通して、意識して摂りましょう。
※起床時には、コップ1杯の水分補給を忘れずに。
食事からも水分補給しましょう。
※お味噌汁は塩分摂取にもなりGood。ごはんも炊飯後は60%が水分です。
のどが渇く前に飲みましょう。
※のどが渇いてからでは、すでに体内が水分不足になっているサイン。
参考文献:
・田口素子.「戦う身体をつくる アスリートと食事と栄養」.ナツメ社
・ダン・ベナードット(著),寺田新(訳).「スポーツ栄養学ハンドブック」.東京大学出版会



