貧血とは、血液中の赤血球やヘモグロビンが不足し、酸素を体に十分に運べなくなる状態のこと。
ヘモグロビン値が低くなると、パフォーマンス(特に持久力)が下がったり、疲れやすくなったりします。
貧血を起こす原因
- 胃腸の調子が悪く、鉄の吸収が行われにくい
- 痔やケガなどによる出血がある
- 激しい身体活動によって溶血する(赤血球が壊れる)
- 発汗量が増えると鉄などのミネラルが一緒に失われる
- 女性は月経により鉄の損失量が大きい
- エネルギー不足(糖質制限や過度な減量)
- 成長やトレーニングで筋肉量・血液量が増え、鉄の必要量が上がる
貧血の予防・改善させるポイント
- ①エネルギー不足にならないようにバランスよく食べる。
- ②胃腸の調子を整える
- ③質の良い睡眠をとる
- ④鉄分の摂取量を確保する ➡鉄には2種類あります。詳しく見ていきましょう。
ヘム鉄
動物性食品に含まれていて、吸収率が高い
肉や魚の赤身(特に血合い部分)、レバー、貝などに多い









非ヘム鉄
植物性食品に含まれていて、吸収率が低い
大豆製品、青菜などに多い









鉄は赤血球の材料であるヘモグロビンを作る栄養素ですが、貧血の原因は、鉄不足だけではありません。
非ヘム鉄はそのままだと吸収されにくいですが、
動物性タンパク質(肉・魚)とビタミンC(ブロッコリー・じゃがいも・いちご)と一緒に食べると吸収が良くなります。
タンパク質の合成に必要なビタミンB6(マグロ・カツオ)、造血に必要なビタミンB12(鮭・アサリ)や葉酸(鶏レバー・モロヘイヤ)と一緒に摂る事も重要です。
糖質も十分に。エネルギー不足だとたんぱく質がエネルギーに回されてしまいます。
調理の際に、鉄製のなべや、鉄玉を使うと鉄が溶け出して、鉄が補充できます。
まとめ
貧血を防いで走り続けるためには、日々の食事で鉄分をしっかり補給することが大切です。
特に夏場や成長期、女性は鉄不足になりやすいため、注意しましょう。疲れが抜けないと感じたら、「鉄不足かもしれない」と疑い、まずは食事から鉄分を意識的に摂ることを心がけてください。
ビタミンCやたんぱく質も一緒に摂ることで、鉄の吸収を助けます。気になる場合は血液検査で確認し、必要に応じて対策をとりましょう。トレーニングを支える強い体づくりを目指しましょう。
参考文献
鈴木志保子.「理論と実践 スポーツ栄養学」.日本文芸社
公益財団法人長寿科学振興財団HP

