石田屋の創業は明治38年。地域とともに歴史を刻みながら、時代にあわせて変化を遂げ、総合住宅会社として発展してきました。長年商売をさせていただく中で、なによりも大切にしてきたのは「信頼」。お客様は一生分のローンを背負って家を建てるのに、住宅会社がその場の商売で家を提供するなんて、とても失礼なことだと思うんです。

たとえば引渡し後、不具合が起こってから初めて顔を出すようでは、みずから「負の遺産」をつくっているようなもの。でも、お客様とのつながりをきちんと継続していれば、万が一なにか起こっても、気心が知れている安心感もあって、すぐに対処できるから「正の遺産」が生まれると思うんです。

当社は「オネスティーハウス」というブランド名を掲げているんですが、名前そのものが自分たちへの戒めでもあります。営業も設計も施工も、みんながオネスティー（正直、誠実）であることを心掛けてきました。おかげさまで、昨年度の受注の50％がご紹介によるもの。「ひとつひとつの仕事が信頼づくり」と信じてやってきたことは、きちんと実を結んでいます。

建ててからが本当のおつきあい…そんな想いで始めた当社最大のイベントが、今年で17回目を迎えた「大感謝祭」。企画から準備、当日の運営、屋台での調理まで、すべてを当社と協力会社のスタッフでやっています。イベント会社に丸投げしたほうがラクだし、完成度も高いし、安上がりかもしれない…。でも「お客様とのつながりを大切にする」という本来の目的を考えると、自分たちでやらなければ意味がないと思うんです。

そんな手づくりのイベントにもかかわらず、ご来場者様は年々増え、内容も年々充実。無料の縁日コーナーや餅つき大会、地域から招いた様々なショーや伝統芸能、子ども向けの体験コーナー、大人向けの相談会など、本社敷地内に設けた15のブースそれぞれを楽しんでいただくことができました。

「テクノストラクチャー」は、優れた耐震住宅工法です。でも、それだけに頼っていてはいけないと考えています。テクノストラクチャーの特長を活かした自由な間取りや高い天井に加え、断熱材にこだわったり、太陽光発電やホームエレベーターを加えたオリジナル商品を多数ラインナップしています。

お客様のニーズに応えようと、一生懸命に商品のクオリティを高めてきました。高い品質とお値打ち価格は、もしかしたら日本中どこでも勝負できるかもしれません。でも、私たちはあくまでも「地域の住宅会社」であり続けたい。目の届かない範囲までお客様を増やして、サービスや品質が低下してしまっては元も子もありませんから。

石田屋は群馬と埼玉に8つの営業拠点があり、私は主に秩父展示場を担当してきました。今回お声掛けしたのは、2年前にお引渡しした麻柄様。お二人ともたくさんのこだわりをお持ちでしたので、ひとつひとつお聞きしながら、できることは最善の方法をご提示し、できないことは「できません」と正直に言わせていただくことで、思い描く住まいを形にしてさしあげることを心掛けました。

もちろん、営業の力だけでなく、施工もコーディネーターも、みんなが同じ方向を向いていないと、満足いただける住まいなんて建てられません。「収納を多くしたい」という基本的なものから「リビングに直結する犬の部屋をつくりたい」といったユニークなものまで…弊社が提供する基本性能に麻柄様ならではのこだわりが加わることで、オリジナリティーあふれる住まいになったのではないかと思います。