テレワーク
2021.06.04
テレワークがストレスになる?!その原因と対処法を徹底解説
働き方改革の施策の一つとして進められていたテレワークですが、新型コロナウイルスの影響によって、急遽導入した企業も多いのではないでしょうか。
テレワークというと、自分のライフスタイルに合わせて仕事ができ、一見ストレスが少ないように思われます。しかし、準備期間がほとんどない状態で、これまでとは全く異なる働き方を余儀なくされ、ストレスが溜まった人も増えています。
今回の記事では、テレワークがストレスになる原因と、対処法を検証し、快適にテレワークができるための取り組みを考えていきたいと思います。
テレワークがストレスとなる原因は?
まず、テレワークで何がストレスになるのかをみていきましょう。
会話が減り、孤独感を感じる
大きな原因と考えられるのは、会話が減ることで感じる孤独感です。特に、一人暮らしの社会人では、その傾向が強くみられます。
出社すれば、会話できる上司や同僚がいます。さらに、営業担当の方は、取引先と話す際に会話を盛り上げる工夫をこらすこともあったでしょう。また、仕事以外にも、世間話や雑談などで、コミュニケーションを取っていました。
しかし、自宅でのテレワークでは誰とも会話せずに時間が過ぎるため、孤独感を強く感じる人が増えています。孤独感はメンタルにも悪影響となり、その結果業務における生産性が下がってしまう恐れもあります。
業務の連絡や相談をしようにも、目の前に相手がおらず様子が分からないために、気後れしてしまう人も多いといわれています。電話・メール・チャットなどのコミュニケーション手段も、テレワークに慣れないうちは躊躇することもあるでしょう。
さらに、テレワーク期間が長引くにつれて、先がみえない不安にさいなまれ、従来の働き方に戻れるのかと焦る気持ちも高まるかもしれません。
仕事と休みの切り替えがつけにくい
テレワークをする人の多くは、自宅で業務を行います。自宅は、プライベート空間でもあるため、仕事とプライベートで気持ちの切り替えが難しくなります。
自宅で仕事中に家族が話しかけてきたり、反対にプライベートの時間帯に業務連絡が入ったりすると、さらに切り替えが難しくなります。ミーティング中にお子さんが話しかけてくるといったハプニングも多く聞かれます。これらを完全に遮断するのは、かなり難しいでしょう。
適切な作業環境が整えられない
自宅でのテレワークは、オフィスほど業務環境が整っていないためスムーズに仕事をこなせないこともあり、これがストレスの要因となることもあります。
テレワークでは、インターネット環境を整えるのが困難であったり、Webを使ったミーティングツールの導入に手間取ってしまったりと、オフィスでは発生しない負荷がかかることもあります。
生活リズムが乱れる
オフィスでは、始業時間と終業時間が決まっており、これに合わせて生活リズムを整えながら生活を送ることができます。
しかし、テレワークでは業務を終わらせる期限のみが決められ、日々の業務時間には縛りがないことがほとんどです。
このため、「朝〇時に起きる」といったルーティンがなくなり、リズムが乱れやすくなってしまいます。早起きの習慣がなくなると、昼と夜の生活が逆転してしまう人もおり、体調を崩したりメンタルの不調が起こる原因となります。
労働時間が長くなる
テレワークは、仕事をしている姿が見せられないため、オフィス勤務の時よりも成果で判断されるというプレッシャーを感じる傾向があります。また、仕事以外のことに気を取られ業務効率が下がることもあります。
このような理由で、オフィスよりも労働時間が長くなってしまい、心身ともにストレスが溜まり、悪循環に陥る事態を招きかねません。
運動不足になる
運動によって身体を動かすことは気分をすっきりさせ、さらに、身体を温めることで筋肉がほぐれたり副交感神経がはたらくようになります。これにより、ストレスを軽減できるとされています。
テレワークになると、通勤途中や外回りなどで身体を動かす機会が減少します。そうすると、筋力の低下や体重増加につながってしまいます。また、自律神経やホルモンバランスなどに乱れが生じたり、血行不良から体調不良を起こしたりと、運動不足が原因で身体に悪影響を及ぼすようになります。
ストレス対処には雑談を取り入れると効果的!
ストレスの原因が分かったところで、対処法を考えていきましょう。最もおすすめしたい対処法は「雑談」です。
仕事中に雑談をするのと同じように、テレワークにおいても雑談を取り入れることは、ストレス解消に役立ちます。
年代が高くなるほど、雑談の必要性が高まる
テレワークにおけるミュニケーション状況を尋ねたリクルートキャリアの調査によると、50代から60代までの方は、テレワーク環境下でもさまざまな手段で会話を行っている人がいる一方で、雑談が全くない人の割合が44.2%にも及んでいます。
テレワークに対するストレスが解消できていないと答えた人の割合も、この年代が最も多い結果となっています。
他の年代でも、雑談がない人よりも雑談を行っている人の方が、ストレスを解消できている割合が高くなっています。この結果から、雑談がストレス解消の大きな要因になっていることが分かります。
オンラインミーティングやチャットの積極的な導入が理想
対面の機会が減ることで、雑談の機会も減ってしまうため、業務以外で気軽にコミュニケーションを取れるツールを導入したいものです。
例えば、近況報告もかねて、従業員同士が雑談をするためのオンラインミーティングを行ったり、雑談専用のチャットルームを作ったりする方法があります。オンラインミーティングが軌道に乗ったら、リモートでの食事会や飲み会などの開催を検討してもいいかもしれません。
雑談以外のストレス対処法も紹介
雑談以外にも、ストレス対処に効果のある取り組みを紹介します。
リフレッシュできるスペースを確保する
自宅の中に、リフレッシュスペースを作ると、気分を変えることができストレス解消につながります。コーヒーを飲んでリラックスしたり、何も考えずに過ごしたりできるスペースの確保は、仕事の効率化にも役立てることができます。
また、いつもと違う場所で仕事をしてみるのもおすすめです。普段デスクで仕事をしているのであれば、ソファを使ってみるのもいいでしょう。他にも気分を変えるためにベランダに出ると、さらに仕事がはかどるかも知れません。
タイマーをかけ、オンとオフのメリハリをつける
テレワークでは、時間を気にせず仕事をしがちです。業務時間とそれ以外の時間にメリハリをつけるため、タイマーを使うなどして時間を区切るのもいいでしょう。スマホの機能に含まれたタイマーではなく、キッチンタイマーを使うと効果的です。
「ポモドーロテクニック」と呼ばれる時間の管理法がありますが、これは25分作業をして5分休むサイクルを最大4回繰り返すというものです。ポモドーロとは、イタリア語でトマトをさしており、イタリア出身であった発案者がトマト型のキッチンタイマーを使っていたことからこう呼ばれています。今や世界中で導入されている管理法ですので、試してみてはいかがでしょうか。
また、大まかな仕事計画を立て、決めた時間の中で作業を行うようにすると、時間管理にもつなげられます。
室内でできるストレッチや軽い運動などを取り入れる
テレワークによって、長時間同じ姿勢で仕事を続けると、肩や首のコリが起こったり、目の疲れを引き起こしたりします。さらに、足のむくみの原因にもなり、身体に悪影響を及ぼします。
身体をほぐし、血行を良くするために、ストレッチをしたり軽く運動したりすると効果的です。椅子に座ったままできるストレッチもありますので、手軽に実行できます。
また、余裕があれば外を散歩してみましょう。仕事を始める前や仕事の合間、といったタイミングを決めると、生活リズムを整えられます。陽の光を浴びると、幸せホルモンとされるセロトニンが脳内で分泌され、精神を安定させるはたらきが期待できます。
オンラインとオフラインでは仕事の進め方が違うとの認識も大切
オフィスと同じ環境でテレワークを進めるのは、かなり難しいとお分かりいただけたかと思います。テレワークと、オフィスでは、コミュニケーションの方法が異なり、仕事の進め方も変わります。
では、双方でどのような点に配慮が必要なのでしょうか。
テキストの言葉使いに気を配る
対面で相手に言葉をかけるのと、ただ文字を読み取るだけとでは、受ける印象が大きく異なります。同じ言葉でも、文字だけでは気持ちを完全に理解することはできません。
オンラインで言葉を送るときには、感情を伝えられるように、相手の目線に立って「話し言葉」を使ってみましょう。言葉に加えて感嘆符を取り入れると伝わりやすくなることもあります。
仕事の優先順位をしっかりつける
仕事の優先順位を決めるには、納期が決まっている、もしくは自分が仕事をしないと相手に大きく迷惑をかけるリスクがあるなどの基準で決めると良いでしょう。
自分から相手にアクセスする
自分が相手に何かしてほしいと思ったら、まずは自分から相手に寄り添うことが大切です。例えば、自分の意図を相手に理解してもらおうと思ったら、その旨をきちんと伝えないといけません。
まとめ
テレワークは、取り組みによって、メリットを享受することもできますし、逆にストレスを溜めてしまうこともあります。
できるだけストレスを溜めないように心がけ、効率良くテレワークを進められるよう取り組んでいきましょう。