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テレワーク

2021.04.27

テレワークで生産性向上ができるのか?データからみる現状と事例を紹介

テレワークで生産性向上ができるのか?データからみる現状と事例を紹介

政府の施策である働き方改革や新型コロナウイルス感染拡大に伴い、テレワークやリモートワークといった言葉をよく聞くようになったのではないでしょうか。実際に取り入れている企業がある一方で、テレワーク導入を迷っている企業もあるでしょう。

迷う理由はさまざまありますが、テレワークで生産性向上につながるのか疑問に思っている人がいるのも事実です。そこで今回は、テレワークで生産性向上できるのか、現状と事例をみていきましょう。

データからみる、テレワークと生産性についての相関とは?

テレワークには雇用型テレワークと自営型テレワークがあり、企業に雇用されている人は雇用型テレワークです。ちなみに自営型テレワークは、個人事業主を指します。

雇用型テレワークは勤務場所によって呼び方が違い、自宅でテレワークをする在宅型や共同利用型オフィスやコワーキングスペースなどを利用するサテライト型、訪問先や出張先・移動中などにおこなうモバイル型に分類されます。

総務省が発表した「令和元年通信利用動向調査の結果(概要)」をみると、テレワークを導入している企業は20.2%で、テレワークの形態はモバイル型が63.2%、在宅型が50.4%、サテライト型が16.4%でした。産業別では、情報通信業や金融・保険業での導入率が高い傾向にあります。

テレワーク導入の目的は、「業務効率性(生産性)の向上」が68.3%ともっとも多く、次いで「勤務者のワークライフバランスの向上」46.9%、「勤務者の移動時間短縮・混雑回避」46.8%でした。

実際にテレワークをして効果があったかどうかの調査では、「非常に効果があった」が25.9%、「ある程度効果があった」が61.3%で、テレワークに一定の効果を感じた企業が87.2%あったことがわかります。

次に、国土交通省が実施した「平成31年度(令和元年度)テレワーク人口実態調査-調査結果の概要」で、雇用型テレワーカーの回答をチェックしていきましょう。雇用型テレワーカーが、「テレワークは全体的にプラス効果があった」と回答したのは全体の54.7%でした。

プラス効果の具体的な内容は、「通勤・移動時間の減少」が53.4%、「自由に使える時間が増えた」50.6%、「生産性向上」43.5%となっています。さまざまなデータや指標の結果をみると、テレワークは生産性向上に一定の効果が期待できるでしょう。

ただ、企業側が考える効果とテレワーカーが考える効果の内容には少し違いがあり、企業側は「業務効率性(生産性)の向上」を最大の目的にしていますが、テレワーカーが感じた「生産性向上」は43.5%で少し乖離があります。

実際にテレワークをしている人が感じるテレワークで生産性が下がる理由を次で考えていきましょう。

テレワークで生産性が下がる理由とは?

テレワークにまつわる調査結果や研究論文を確認することでわかってきた、テレワークの課題や生産性が下がる理由は主に4つ考えられます。

仕事時間が増える

会社に出社する場合は〇時から〇時まで勤務とわかりやすく、管理者側も確認が容易です。しかしテレワークとなると勤怠管理や社員のスケジュール管理、仕事の進捗状況などを確認しづらくなります。

それにより、テレワークでサボってしまう人がいたり、逆に仕事を終えるタイミングを見つけられず長時間仕事をする人が出てくる可能性があるのです。

サボる人は仕事がたまり、長時間仕事をする人は仕事と私生活の線引きがしづらくなり休息を取れなくなる恐れがあります。

コミュニケーションが取りづらい

会社に出社していれば顔を合わせる機会もあるため、仕事の話やたわいない話をすることもあるでしょう。しかしテレワークで顔を合わせる機会が減ると、社員同士のコミュニケーションの量が減ってしまいます。

コミュニケーションが減ると、何か困ったときに相談しづらい、相手の意向をくみ取れない、情報共有が難しいなどの弊害が生まれ、チームワークの低下につながる可能性もあるでしょう。

テレワークの環境が整っていない

当たり前のことですが、会社であれば仕事をする場所なので机や椅子、パソコン、ネット環境、セキュリティの問題など気になることはすべてクリアしています。

しかし自宅や顧客先、移動中などにおこなうテレワークでは、安全にそして快適に仕事をする環境になっていない場合もあるかもしれません。

具体的にいうと、仕事中に子どもが部屋に入ってきて仕事に集中できなかったり、仕事用の机や椅子がないことで腰痛を引き起こしたりするケースなどが考えられます。

会社のルールが整備されていない

テレワークに対する社内規定を設けないまま実施すると、人事制度や社員の評価基準が曖昧で、給与計算が難しくなる場合もあるでしょう。

また、評価が適正におこなわれないと、社員のモチベーション低下にもつながります。

テレワークの生産性向上のためにできることとは?

テレワークで生産性が下がる理由を知った上で、次は、テレワークの生産性向上のためにできることを考えていきましょう。考えられる方法は、主に4つあります。

業務報告制度を設ける

テレワークを始めると、これまであったような朝礼や会議が減り、業務報告をする場面が減るはずです。そうすると、お互いがどんな仕事状況にあるのかわからず、サポートしようにもできない場合もあります。

またチームでおこなうような仕事だと、情報共有が上手くいかずお客様に迷惑をかけてしまうこともあるかもしれません。こういったことを防ぐために、朝や終業時に業務内容や情報共有したいことなどを連絡するような決まりを作ると良いでしょう。

チャットなどITツールを駆使する

テレワークではコミュニケーション不足が生じるとよくいわれますが、最近は、形式的なビジネスメールだけでなく、チャット形式で手軽に連絡を取り合えるツールが開発されています。またWEB会議ツールを使えば、顔をみながら会議も可能です。

勤怠管理についてもビジネスICT(情報通信技術)ツールを使えば、パソコンの稼働状況とリンクしてチェックできたり、バーチャルオフィスでお互いの仕事風景をリアルタイムで確認したりできます。

テレワークの上限を設け残業はなし

テレワークで生産性を向上させるには、スケジュール管理や自己管理が大切です。そうしなければ長時間残業をしたり、ダラダラ怠けたりする人も出てくるかもしれません。しかしこれは社員だけの問題ではなく、企業側も対策をとるべきです。

たとえばテレワーク日数に上限を設けたり、テレ―ワークの場合は残業はなしと決めたりすると、メリハリがついて社員はテレワークに集中できるでしょう。

人事評価を明確にする

仕事をする目的は人によって違いますが、やはり報酬評価や人事評価を働くモチベーションにしている人もいます。テレワークを導入する前に、企業側は人事評価や報酬体系について明確にしておきましょう。

サテライトオフィスを導入するのもひとつの手

「テレワークで生産性が下がる理由」で紹介した「テレワークの環境が整っていない」という問題の解決策に、サテライトオフィスを導入するのもひとつの方法です。

サテライトオフィスとは、従業員の働き方に焦点を当てて、本社とは別の場所に設けた共同型オフィスやコワーキングスペースのことです。

社員側には、家で仕事をするよりも仕事に集中できるメリットがあり、企業側は大きなオフィスを持たなくても良いため賃料などの固定費を減らせるメリットがあるでしょう。

また各地に遊休地などを所有している企業であれば、遊休地を有効利用することで、サテライトオフィスを作ることができます。

地方にいる社員や産休・育休、介護休暇で職場に通えない優秀な人材を確保する方法にもなるでしょう。

まとめ

さまざまな調査結果などから、テレワークは生産性向上につながるとわかりましたが、環境整備や社内規定が整わないと、逆に生産性が低下する恐れがあります。ICTツールを取り入れて、社員の働きやすい環境を整えると良いでしょう。テレワークで成功している企業はたくさんあります。成功事例などを参考にテレワーク導入を進めていきましょう。