テレワーク
2021.05.31
テレワークを導入するための課題とは?新型コロナ対策の課題と解決策とは?
今回は、テレワークの導入実績や、テレワークで得られるメリット・デメリット、テレワークの課題解決策などをご紹介します。新型コロナウイルスの流行を機に、日本国内でも一気に普及したテレワーク。すでに導入している企業も、これから導入する予定の企業も、さまざまな課題に直面しているようです。新型コロナ後の新たなスタンダードとなりつつある、テレワークについての知識を深め、新時代の働き方に適応していきましょう。
テレワークの導入実績をアンケートから調査!
テレワークとは、「離れた所」を意味する「tele」と「work(働く)」を掛け合わせて作られた造語です。ICT(情報通信技術)を活用することで、時間的・物理的に柔軟な働き方が可能となります。テレワークの導入実績を、アンケートから見ていきましょう。
新型コロナウイルス流行後のテレワーク導入実績
WHO(世界保健機関)が新型コロナウイルスの世界的大流行を宣言したのが、2020年3月11日のこと。同年4月7日には、戦後初となる「緊急事態宣言」が7都府県に発出され、4月16日には全都道府県に拡大されました。
日本国内の大手企業を中心に、2020年2月頃からテレワークが本格化。株式会社NTTデータ経営研究所とNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が2020年4月に行った調査によると、テレワークを毎日利用していると答えた人の割合は、同年1月と比べて約12倍に増えました。
4月7日に緊急事態宣言が発出された地域でのテレワーク実施率を見ると、東京都に居住または勤務する企業では約6割。神奈川県では約半数、埼玉県・千葉県・大阪府では4割超となり、全体の平均実施率を上回っています。
新型コロナ流行前から国が推進していたテレワーク
新型コロナウイルスの流行を機に、身近なものになった印象もあるテレワークですが、政府は以前からテレワークの普及を推進する取り組みを行っていました。日本で実験的にテレワークが導入され始めたのは、1984年のこと。1990年代には、大手企業を中心にサテライトオフィスの設置が進められてきました。
2000年代に入ってからは、国の機関による調査や戦略策定が本格化。2011年の東日本大震災の発生時には、夏場の電力使用量削減のためにテレワークを導入する企業が増えました。2017年には、東京オリンピック期間中に交通機関の混雑を緩和させることを目的として、総務省主導のテレワーク・デイ(ズ)と呼ばれるテレワーク推進活動が始動。2019年にテレワーク・デイズに参加した団体数は、2,887団体でした。
広く普及する前から国主導で推進されてきたテレワークですが、新型コロナウイルスが流行する前と後では導入の目的が変化しています。新型コロナ流行以前は、働き方改革や地方創生を実現する手段として導入が推進されてきました。
しかし現在では、感染リスクの低減や、緊急事態下でも事業を継続していくための手段という位置づけに変わっています。
慶應義塾大学とNIRA総研が発表した論文では、新型コロナ流行後にテレワークの導入率が低かった業種や職種ほど、所得の減少が大きかったことが報告されました。このことからも、テレワークが事業の存続に大きく関わることが読み取れます。
今後も需要が見込まれるテレワーク
内閣府が2020年6月に行った調査では、テレワークの実施率が高い東京圏在住の人のうち、今後もテレワークの利用を希望すると答えた人は約4割に上りました。大手企業では、テレワークの常態化や、単身赴任を解除するような動きも出てきています。
同調査では、テレワークの普及を機に地方移住への関心が高まり、家庭内での家事や育児の役割に変化が起きたこともわかりました。テレワークを導入した人は、家族と過ごす時間も増えたという結果も得られています。
テレワークの導入は、仕事以外の面でも生活に大きな変化をもたらしたと言えるでしょう。ワークライフバランスがますます重要視されている現代において、テレワークの需要は今後も見込まれています。
テレワークのメリットとデメリットは?
私たちの生活に大きな変化をもたらしたテレワークの導入ですが、どんなメリットやデメリットがあったのでしょうか。アンケート結果をもとに、メリット・デメリットをまとめました。
テレワークを導入することで得られるメリット
2020年4月にKDDI株式会社がテレワークを利用している男女に行ったWebアンケート調査によると、テレワークで得られる仕事面のメリットとして最も多くの人が答えた項目が「通勤時間をなくすことができる」というものでした。
テレワークでは、従来、通勤のために費やしていた時間を仕事やプライベートに充てることができます。時間的な余裕が生まれたことは、多くの人がメリットに感じていることがわかりました。
次いで「作業に集中しやすい」「業務の断捨離ができた」という結果でした。同じような業務に取り組んでいても、テレワークの導入を機に仕事の効率が上がったと感じた人が多いようです。これは労使双方にとっても大きなメリットと言えるでしょう。
仕事・生活の面で感じられたメリットでは、「自由な服装で仕事ができる」という意見が最多。次いで、「髪型や化粧などをしなくてよくなった」「飲み会の回数が減った」という項目が、メリットとして挙げられました。この項目では、テレワークによって仕事に付随するルーティンが軽減されたことが読み取れます。
仕事以外の生活面では、「趣味に費やす時間や家族と過ごす時間が増えた」と「家事との両立がしやすい」というメリットを感じている人が、ほぼ同数。前の章で触れた調査でも、地方移住に関心が高まったとのデータがあったように、「住む場所を選ばない」ことがテレワークのメリットだと感じている人もいました。
テレワークは、ライフワークバランスの実現に寄与できる働き方だと感じている人も多いと言えるでしょう。
30~40代では、「子育てや介護をしながら働くことができる」ことがメリットだと答えた人も多くいました。子育てや介護を理由に働き盛りの30~40代の従業員が退職することは、企業にとっても大きな損失です。
テレワークの導入によってこの年代の退職を食い止めることができれば、企業は優秀な人材を手放さなくても済むかもしれません。
テレワークを導入することで発生するデメリット
テレワークのデメリットとして最も多く聞かれた意見が「同僚との何気ないコミュニケーションがとりづらい」というものでした。
コロナ禍では三密を避けられる働き方としてもメリットが大きいとされたテレワークですが、同じ場所に集まらない働き方だからこそ生まれるデメリットもあるようです。
テレワークを実施するのに欠かせない環境に関しても、「ネットワーク環境が悪い/回線速度が遅い」という回答が多く聞かれました。
在宅勤務の場合、オフィスと同程度のネットワーク環境を整えるのは難しいことも想定され、個人の努力では解消が難しいデメリットとも言えるでしょう。
テレワークと同じく、コロナ禍で大きく推進されたのがペーパーレス化。とは言え、すべての書類をデジタル化できているわけではないことも多く、アンケートでは「領収書、請求書、稟議書などの処理、決裁ができない」というデメリットも聞かれました。
世代によって意見が異なったのが、新型コロナ後の飲み会に関する項目です。コロナ禍で飲み会の回数が減ったことは、20代ではメリットとして挙げられていた一方、40代以上ではデメリットとして捉えている人が多いという結果でした。
テレワークのデメリットや問題点、課題とは?
テレワークを導入するには、デメリットや問題点、課題も認識しておくことが重要です。ここでは、テレワークを導入するにあたって知っておきたい課題を見ていきましょう。
セキュリティ管理、セキュリティリスク
ICTを活用して行うテレワークでは、情報セキュリティ対策が課題だと言われています。本来、企業で保管されている紙や電子文書などの情報資産はオフィスで厳重に管理されているため、ネットワーク上の危険や外部の目に触れることは少ないでしょう。
しかし、テレワークは、オフィスほど情報セキュリティ対策が万全でない環境で行われることもあるため、ウイルスに感染したり、情報が漏洩したりする危険性が指摘されています。
また、従来なら会社から持ち出されることがなかったノートパソコンなどの端末が社外に持ち出されることで、紛失や盗難などに遭う可能性も否定できません。テレワークを安全に運用していくには、セキュリティ対策を厳重に行うことが求められています。
コミュニケーションロス
業務をスムーズに進めていくには、同僚とのコミュニケーションが不可欠ですが、前述のアンケート結果にもあったように、テレワークではコミュニケーションを十分にとることは難しいと言えるでしょう。
コミュニケーション不足により、上司の意図がつかめなかったり、課題を一人で抱えてしまったりという状況も発生しやすくなります。
仕事へのモチベーションを維持するのが難しくなり、ときには生産性の低下や離職にもつながりかねないコミュニケーションロス。テレワークでは、離れていてもコミュニケーションがしっかりとれる仕組み作りが求められています。
労務管理、勤怠管理
テレワークは、労使双方にとって労務管理が難しいことも課題の一つです。仕事とプライベートの境目がつけにくいテレワークは、長時間労働につながりやすいという指摘もあります。
反対に、就業時間内に休憩をとってもわかりにくいことから、いわゆるサボる従業員が出てくることを危惧する声もあるでしょう。
テレワークでは、目の前に従業員がいなくても正確な労働時間を把握できる仕組み作りが必要です。従業員の働きすぎやサボり行為を予防するルールを作り、適切な業務配分が行えるような管理をしなくてはなりません。
社内整備が整っていない
テレワークを実現するには、企業が社内整備をする必要があります。オフィスにかかってくる電話や送られてくるFAXへの対応策、社内システムを社外からでも利用できる環境作りなど、企業側の努力なくしては、テレワークは実現不可能です。
パソコンやモニター、プリンターなど、従業員に支給する機材も確保しなければなりません。テレワークのルールを作り、従業員に教育する必要もあります。
こうした社内整備には時間もコストもかかるため、企業規模や経営状況によっては、テレワークを導入できないということも発生してしまうでしょう。
そもそも環境整備が整っていない
テレワークをするための環境が、必ずしも整っていないことも課題です。特に新型コロナ以降のテレワークでは、突発的に自宅でテレワークをせざるを得なくなったという従業員も多かったと想定されます。
もともと、仕事をするために作られていない自宅でのテレワークでは、個々の環境によって仕事に支障が出てしまう可能性もあるでしょう。
厚生労働省が定めた「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」では、自宅などテレワークを行う場所が「事務所衛生基準規則」や「労働安全衛生規則」などの衛生基準と同程度の環境になるよう、企業は従業員に助言を行うことが望ましいとしています。
環境整備のポイントは、窓などの換気設備がある10立方メートル以上の部屋で、机上の照明は300ルクス以上、パソコンなどのディスプレイは500ルクス以下の照度にすることなど。在宅勤務やモバイルワークの場合、このようなポイントは必ずしも実現されていないことが想定されるため、企業側からどのように働きかけるかが課題となります。
テレワークの課題を解決するためにすべきことは?
テレワークは、新しい時代に適応する働き方として期待が集まる一方で、課題やデメリットを抱えていることもわかりました。ここでは、テレワークの課題やデメリットを解決する方法を見ていきましょう。
セキュリティ対策
テレワークを導入するために、企業はオフィスと同等のセキュリティをテレワーク先でも確保できる対策をとる必要があります。セキュリティ対策で重要となるのが、「ルール」「人」「技術」の3つの要素。
まずは、従来のセキュリティルールに加え、テレワーク用に新たなルールを定めて、離れたところでもルールが守られるよう従業員を教育する必要があります。
技術面でも、さまざまな脅威に対応できる最新のセキュリティソフトを導入するなど、セキュリティを高める対策を講じていきましょう。
コミュニケーションツールの導入
テレワークにおける大きな課題と言えるコミュニケーションロスは、ツールで解消できます。チャットツールは、会話形式でやりとりできる情報共有ツール。メールよりも簡潔にメッセージの送受信が可能で、コミュニケーションを促すことができるでしょう。
スケジュールやファイルを共有することが多い仕事ならば、グループウェアが便利。どこからでも時差なく同じ情報を共有できるので、離れていてもチームワークを保つことができるでしょう。
Web会議ツールがあれば、テレワークでも対面で会話することができます。文字だけのやりとりが多くなりがちなテレワーク中でも、実際に会うのと同様のコミュニケーションをとることが可能です。
労務管理ツールやクラウド勤怠ツールを導入
労務管理者の目に見えないところで働く従業員の勤怠も、簡単に管理できるツールが開発されています。オフィスでタイムカードを打刻する感覚で、テレワーク先のパソコンから出退勤の打刻が可能です。
パソコンのログに合わせて自動で出退勤の記録をしてくれるツールなら、実際に勤務した時間と打刻時間の差をなくすことができます。これで、従業員が働きすぎる、サボってしまうという課題も解決できるでしょう。
システムで全従業員の労働時間を一括管理できるので、リアルタイムで従業員の労働時間を把握しやすくなります。
評価制度など、テレワーク化における社内整備の見直し
働く場所や職種に関わらず公平に評価される仕組みがあれば、テレワーク中の従業員もモチベーションを保ちやすくなるでしょう。
目標に対する成果が明確な数字で出る営業職と違い、バックオフィス部門やスタッフ部門で働く従業員の成果は目に見えにくく、働く時間の長さで評価されることが多くありました。
テレワークでは、対面でのコミュニケーションも少なくなるため、人事評価をするための材料も不足しがち。実労働時間を把握しにくいという特徴もあるため、明確な数字で成果が表れない職種の人も、仕事内容をきちんと評価できる制度が求められます。
前述の労務管理ツールを活用しながら既存の人事評価制度の見直し、非対面でもきちんと評価される環境作りが重要です。
また、オフィスにかかってきた電話をリモートでとれるようにしたり、オフィスに送られていたFAXをWeb化してオンラインで処理できるようにしたりと、社内のインフラ整備も必要となります。
テレワークでも従来通り稼働できるかどうかは、企業が用意するデバイスやネットワーク環境に大きく左右されるということを認識しておきましょう。
ICT環境の整備を検討
テレワークを安定して続けていくには、ICT環境の整備が重要です。オフィスにあるパソコンを遠隔で操作できる「リモートデスクトップ方式」なら、データを外部に持ち出される心配がないため、情報漏洩のリスクを軽減することができます。
サーバー上の仮想デスクトップに遠隔でアクセスできるのが、「仮想デスクトップ方式」。前出のリモートデスクトップ方式が2台の端末を必要とするのに対して、仮想デスクトップ方式なら、テレワーク用のパソコン1台で遠隔操作が可能です。
環境整備にかかるコストをおさえたいなら、クラウド上にあるサーバーを利用する方法もありますが、セキュリティ面では別途対策が必要となります。
テレワークに必要なデバイスや設備を整えるためには、初期投資が必要です。後の章で詳しく解説しますが、国や地方自治体からの助成金が使える場合もあるので、ぜひ検討してみましょう。
テレワークの働き方を広く捉える
テレワークと一口に言っても、いろんな働き方があります。ここでは、テレワークの種類について見ていきましょう。
在宅勤務
自宅でテレワーク勤務する働き方です。住居にいながら仕事ができるので、移動に費やす時間的・身体的負担がなくなります。
新型コロナウイルスの流行以降、外出自粛や三密回避といった観点から、自宅で仕事ができる在宅勤務が時代に合った働き方として注目されました。
従来、育児や介護を理由に退職を余儀なくされていた人たちにとっても、柔軟な働き方が可能になるとして導入されている働き方です。
移動が必要ないというメリットがある一方で、仕事と仕事以外の境目がなくなりやすいことも指摘されています。テレワークでも労働時間を正確に把握できるルールや仕組み作りが重要です。
在宅勤務を始めるには、自宅にインターネット環境やパソコンなどの端末が必要となります。従業員が手持ちの端末やインターネット環境を利用して在宅勤務を始める場合、企業はセキュリティ対策がしっかりなされているかどうかを確認しなければなりません。
企業側が端末やインターネット環境を用意する場合、大きなコストが発生することもあります。
ノマドワーク、モバイルワーク
ノマドワークの「ノマド」とは、フランス語で放浪者や遊牧民と言った意味を持つ言葉です。
ノマドワークもモバイルワークも、ICT技術の発達によって可能になった比較的新しい働き方。移動中の新幹線や飛行機、喫茶店など、場所にとらわれないのが特徴の働き方です。
営業職や保険の外交員のように顧客を訪問する職種では、オフィスに寄らず出先からオンラインで業務報告や事務処理を行う人もいます。会社に所属せずフリーランスで活動している人の中には、自分の裁量で働く場所や時間を選ぶという人もいるでしょう。
自由度が高い一方で、カフェやコワーキングスペースを利用するためにはお金を払う必要があります。席が込み合う時間帯だと働く場所が見つからないこともあり、ネットワークのセキュリティ面では不安要素も否定できません。
安定して働き続けるには、それなりのコストを払って、自身で環境を整える必要があります。
サテライトオフィス勤務
サテライト(=衛星)オフィスとは、企業の本拠地とは別の場所にあるオフィスのこと。従来の支社や営業所といった拠点とは異なり、従業員が柔軟に働くことを目的として企業が設置するオフィスのことです。
サテライトオフィスにはいくつか種類があり、本拠地に準じた拠点となる「都市型」、都市部から少し離れた場所にある「郊外型」、都市圏から遠く離れた「地方型」などがあります。
前述のノマドワークやモバイルワークと違い、企業が従業員のために用意したオフィスなので、セキュリティ面や設備面でも安定しているのが特徴です。
企業にとっては、地方にいる優秀な人材を確保でき、災害などに備えて営業拠点を分散できるといったメリットもあります。
従業員にとっては、いつもと違う拠点で働くことでリフレッシュでき、ライフスタイルに合わせて本拠点とサテライトオフィスを柔軟に選べるのはメリットと言えるでしょう。
ワーケーション、ブレジャー
「ワーケーション」とは、「work(仕事)」と「vacation(休暇)」を掛け合わせた造語で、リゾート地などでテレワークを活用して、余暇と仕事を行うことを指します。
ブレジャーとは、「ビジネス」と「レジャー」を掛け合わせた造語で、出張などの機会に滞在を延長して余暇を楽しむことです。新型コロナの流行以降、大きな打撃を受けた旅行業界を救済できる策として、観光庁や環境省をはじめとする各省庁が推進しています。
企業にとってのメリットは、有給休暇取得の促進や地方創生への寄与など。従業員にとっては、長期休暇が取得しやすくなり、リフレッシュできるといったメリットがあります。旅行需要や雇用の創出にもつながるので、多方面にメリットの大きい働き方と言えるでしょう。
仕事と私用が一緒になるという側面から、旅費や給与の精算、旅先で負傷した場合などは、対応が複雑になることも予測されます。税務処理や労災保険について労使間で取り決めをし、従業員に周知しておくことが重要です。
テレワークを開始するための助成金やサポートがある
テレワークを導入したいけれど環境や設備を整えるためのコストが捻出できず計画が進まない場合、国や都道府県が用意したテレワークに関する助成金を受けるのも選択肢です。
厚生労働省や経済産業省といった国の機関が用意していた助成金は、申し込み多数のため、すでに受け付けが終了しているものもあります。状況によっては、追加で募集があるかもしれないので、各省庁のホームページで最新の情報を得るようにしておきましょう。
一方、都市圏から人材の流入を促したい地方自治体では、今後も助成金を用意しているところもあります。助成金の受け取りにはいくつか要件があるので、拠点を置く自治体が助成金事業を行っている場合、自社が要件を満たしているかどうか確認してみてください。
助成金のほかにも、テレワークを導入するための支援が受けられます。東京都産業労働局では、テレワーク導入に関する知識を持つ専門コンサルタントに無料で相談できる「ワークスタイル変革コンサルティング」を実施。
要件を満たす都内の企業や団体なら、1回2時間程度のコンサルを5回まで無料で受けることができます。自社の予算やICT環境を考慮したうえで、無料で利用できるツールや、利用できる助成金を教えてもらうことも可能です。
厚生労働省の委託事業であるテレワーク相談センターでは、テレワークに関する相談を無料で受け付けています。オンラインでのコンサルティングも実施していて、5回まで無料で利用することが可能。
コンサルティングの内容は、テレワークでの就業規則や労働時間管理、人事評価など。テレワークの導入に従事した経験のある専門家が、リモート会議形式で相談に乗ってくれます。
まとめ
ポストコロナ時代を生き抜いていくために、テレワークの導入は企業にとっての使命とも言えます。セキュリティやコミュニケーションの確保、環境整備など、テレワークにまつわる課題は、ツールや制度の整備をしながら解決していくことが重要です。
国主導でテレワークを快適に進めるためのガイドラインも策定されているので、参考にしながら環境作りを進めましょう。