健康経営
2021.05.28
職場ストレスの対策はセルフケアも重要!自身のストレスを軽減できる方法とは
職場で働くうえで、ストレスは避けて通ることができません。メンタルヘルス対策の中で、職場環境の改善はもちろん大切ですが、従業員が自らのストレスに気づき、自ら対処法を考える「セルフケア」の重要性が叫ばれるようになってきました。
ストレスが解消できず、溜め込んだままにしてしまうと、悪化していくだけでなく心の病気の原因になるおそれもあります。この事態を避けるために、セルフケアを行うことでストレスを軽減していかないといけません。
今回の記事で、ストレスに対するセルフケアについて解説します。
セルフケアの重要性が叫ばれている
まず、セルフケアへの理解を深めるために、セルフケアがどのようなものなのかを紹介します。
厚労省がストレスとの上手な付き合い方を提案
セルフケアとは、自分で自分の面倒を見ることをさします。自分の体調不良やメンタル面での変化など、ストレスが溜まっていることが原因で周囲から気づきにくい変化が起こったとき、最も早く気づくべきなのは自分自身です。
ストレスをコントロールする方法を知り、適切に対処できるように備えておくのが大切なのです。
厚生労働省でも、「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス」という総合サイトの中で、ストレスに関する基礎知識・ストレスとの上手な付き合い方・ストレスを溜めない暮らし方など、心の病気を予防するための行動を提案しています。
ストレスが過剰にかかってしまうと、心理面・身体面・行動面に分かれて反応が見られるようになります。具体的には、次のような反応が出たら、ストレスを感じていると捉えて良いでしょう。
- 心理面…イライラ、意欲や集中力の低下、気分の落ち込み、関心や興味の低下など
- 身体面…不眠、頭痛、肩こり、めまい、動悸、疲労感、食欲低下、腹痛、便秘、下痢など
- 行動面…飲酒・喫煙量の増加、食べ過ぎ、ひきこもり、遅刻・欠勤の増加など
また、次のような症状が出たら、周囲からも気づきやすくなるため、さらに注意が必要です。
- ・急にやせた、太った
- ・服装を気にしなくなった
- ・感情の起伏が激しくなった
- ・表情が暗い
- ・独り言が増えた
- ・1人になりたがる
- ・ぼーっとしていることが増えた
適切に対処できると、反応は次第に見られなくなってきますが、長期間続くと専門医への受診が必要となるケースもあります。
ストレスの原因をはっきりさせることが重要
ストレスと上手に付き合っていくには、まずストレスの原因を明確にし、原因に対する対処法を検討していきます。
職場ストレスの主な原因としてあげられるものは、仕事量が多い、人間関係、周囲の理解の低さなどがあります。これらの原因に対して、どのような対処法が適切なのかを考え、実行していけるようにしましょう。
セルフケアが必要なのはすべての従業員
メンタル面での不調を感じていない段階では、セルフケアの重要性を実感するのは難しいでしょう。しかし、職場ストレスは誰しも受けるものであり、セルフケアが必要な状況にいつなるのかは人それぞれです。
すべての従業員がセルフケアの重要性を理解し、実行までのプロセスを身につけていきましょう。
セルフケアでどのようにストレスに気づくのか?
セルフケアを行う中で、効果がある方法とされているのは「認知行動療法」です。メディアで紹介される機会が増え、言葉を耳にしたことがある方もいるかもしれません。
認知行動療法とはどのような療法なのか?
認知行動療法とは、物事に対する受け取り方や考え方(認知)に働きかけて、気持ちを楽にする精神療法のことです。
人は、ストレスを感じると物事を悲観的に考えがちになります。そんなときに、考え方のバランスをとることで、ストレスへ上手に対応できるように進めていくのです。
流れとしては、まず本人の悩み・問題点・長所などから方針を立て、本人と共有します。そして、行動に優先順位をつけ、生活リズムにおけるコントロール感覚を覚え、ストレスに関係していると思われる問題の解決へつなげていきます。
欧米では、精神疾患に広く効果があると実証されており、広く使われています。
どのような方法でストレス対策を行うと良いか?
セルフケアにおいては、日頃からすぐ取り組めるストレス対策を行うと、無理なく実行できます。ストレスを溜め込むことなく、適度に発散していくためには、どのような方法があるのでしょうか。
生活習慣の見直し
ストレスを抱えやすい傾向がある人は、生活習慣が乱れているケースも多く見られます。生活リズムの乱れのほかにも、運動不足・喫煙・過度な飲酒・暴飲暴食などが体調不良の原因となり、ストレスが悪化する恐れがあるのです。
これらの生活習慣に当てはまるものがある場合は、少しずつ見直していくことが大切です。特に、喫煙は悪影響を及ぼす恐れが高いため、禁煙を目指したいものです。
アメリカ・カリフォルニア大学のブレスロー教授は、次の7つの健康習慣を提案しています。生活習慣の見直しと併せて取り組んでいきましょう。
- 1.7~8時間の睡眠時間を確保する
- 2.必ず朝食を摂る
- 3.間食を控える
- 4.標準体重を保つ
- 5.適度に身体を動かす
- 6.タバコを吸わない
- 7.飲酒は適正量を心がける
物事に対する考え方を変える
偏った考えを持っていると、ストレスを解消できなくなり、悪循環に陥ってしまうことがあります。物事に対する考え方を変え、相手の立場から客観的に見るよう心がけると、それまでストレスだと思っていたことがストレスでなくなるかもしれません。
体調を記録しておく
体調を記録しておくことで、気持ちが整理できるほか、身体のリズムが把握できることがあります。併せて、ストレスと感じた状況を文字にして見返してみると、冷静になって対策方法が見つかるかもしれません。
身体を動かす
身体を動かすと、筋肉の緊張が解け、ストレス解消につながります。ジョギング、ウォーキング、ストレッチ、ヨガ、散歩などが効果的です。散歩では、歩きながら自然の景色を体感することで、気分もすっきりできるでしょう。
旅行やドライブなどに出かける
旅行やドライブに出かけると、普段は目にしない景色や珍しい食事などを楽しめます。非日常ともいえる時間を過ごすと、気分転換ができることでストレス解消の効果が期待できます。
芸術やスポーツなどを楽しむ
観劇や絵画鑑賞、音楽、舞台鑑賞など、芸術を楽しむほか、スポーツ観戦で声をあげて応援するのも大きな気分転換になります。
絵を描く・パズル・塗り絵・手芸・文章を自ら創作活動を行うのも、できあがったときの達成感がストレス解消につながります。
周りへ相談する (上司・同僚・家族・産業医・外部の医師やカウンセラーなど)
悩みやストレスを1人で抱えたままだと、マイナス思考になることも多く、不安がさらに膨らんでしまう恐れがあります。信頼できる相手や、ストレス対処のスペシャリストである医師などに相談することで、解決の糸口が見つかることもあるのです。
職場の悩みであれば、現場を知っている上司や先輩・同僚などに相談すると、具体的な解決策を提案してもらえるかもしれません。
職場で話しづらい場合には、家族や友人などに相談すると心強いアドバイスを受けられるでしょう。
産業医がいる職場であれば、ストレスへの対処と職場への対応を両方依頼できるので、自ら上司に報告するのは気が引けるという方でも安心です。産業医がいなければ、医療機関や専門家、相談機関などのアドバイスを仰ぐと良いでしょう。
まとめ
ストレスに対処するためのセルフケアは、誰もがストレスにかかることを前提として備えるようにするのが大切です。意識的にセルフケアを行い、快適に日常生活を送れるよう取り組んでいきましょう。
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