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DHCPサーバとは?基本的な設定方法を分かりやすく解説
- DHCPとは?
- DHCPで配信できるもの
- DHCPを利用する方法
- DHCPサーバとは?
- DHCPサーバの基本的な設定方法
- DHCP除外設定をする方法
- DHCP固定割当設定をする方法
- DHCPに関するよくある質問
- 質問①:クライアントに割り当てられたIPアドレスを確認する方法は?
- 質問②:一度割り当てられたIPアドレスはずっと変わらないのですか?
- 質問③:クライアントの大部分はDHCPでIPアドレスを割り当て、プリンターやNASなどはIPアドレスを固定することは可能ですか?
- 質問④:DHCPサーバを複数接続するとどうなりますか?
- 質問⑤:DHCPサーバを冗長化することはできますか?
- DHCPサーバに関するお問い合わせはこちら
- DHCPはネットワーク利用の基本
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DHCPとは?
DHCPとは「Dynamic Host Configuration Protocol」の頭文字をとったもの。日本語では「動的ホスト構成プロトコル」となります。簡単にいうと、ネットワーク接続に必要な設定を自動化するためのプロトコルで、ネットワーク接続に欠かせない仕組みです。
つまり、DHCPを使うと、複数の端末をネットワークに接続するときに、端末1台1台に接続のための設定を行うのではなく、1つの端末(DHCPサーバ)に必要な設定を行い、個々の端末はネットワーク接続時(多くの場合、電源投入時)にDHCPサーバとやり取りし、必要な設定を自動的に入手して接続することができます。
ネットワークに接続する端末が数台なら、必要な設定を1台1台に行ってもさほど手間ではありませんが、数十台〜数百台となると、大変な手間になります。
DHCPを利用すれば、DHCPサーバを設定し、他の端末は「DHCPサーバに必要な設定を問い合わせる」だけで済み、管理の手間やコストを大幅に削減できます。
DHCPで配信できるもの
DHCPはネットワーク接続に必要な「IPアドレス」を配信することがメインですが、そのほかにも、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバのアドレスなどを配信できます。
一般的なネットワーク接続を行うためには、上記の4つの設定が必要になります。
DHCPを利用する方法
DHCPを利用するには、前述したように「DHCPサーバ」が必要になります。小規模なオフィスでは、ルータのDHCP機能を利用し、ルータ兼DHCPサーバとして機能させるケースが多くなります。
大規模なオフィスでは、専用のサーバを設置したり、専用のネットワーク機器を設置してDHCPを利用するケースが多くなります。
DHCPサーバとは?
DHCPサーバとは、DHCPを使って、IPアドレスなどのネットワーク接続に必要な情報(設定)を個々の端末に送信するサーバのことです。一方、DHCPサーバから設定を受け取る端末はDHCPクライアントと言います。
DHCPサーバの基本的な設定方法
DHCPサーバの設定は、OSや機器によって異なります。基本的な流れを紹介します。
方法①:クライアントに割り当てるIPアドレスの設定
クライアントに割り当てるIPアドレスを設定します。例えば、「開始IPアドレス」と「終了IPアドレス」を指定する。あるいは「開始IPアドレス」と「割り当てる数」を設定するなどの方法があります。
方法②:リース時間の設定
クライアントにIPアドレスを割り当てる時間(リース時間)を設定します。特に必要がない場合は、デフォルトのままにしておきます。
方法③:ルータ(ゲートウェイ)のIPアドレスの設定
ルータ(ゲートウェイ)のIPアドレスを設定します。
方法④:DNSサーバのIPアドレスの設定
DNSサーバのIPアドレスを設定します。
方法⑤:設定を保存
設定を確認し、保存します。
DHCP除外設定をする方法
DHCPを使うと、クライアントへのIPアドレスの割り当てを自動化することができます。この時、IPアドレスは先着順に割り当てられるため、具体的にどのアドレスになるかは決まっていません。通常のクライアント端末であれば、毎回、違うIPアドレスが割り当てられても特に問題はありませんが、大規模なネットワーク内で、特定の用途を担うサーバなどがある場合、管理上はIPアドレスを固定しておきたいケースもあります。
そうした場合は、DHCPで配布するIPアドレスから、必要なIPを除外しておきます。具体的な設定方法は、個別の機器やOSによって異なりますが、除外する1つ目のアドレス(先頭アドレス)と除外する数などを設定して除外するアドレスを指定します。
DHCP固定割当設定をする方法
一方、IPアドレスを固定したいクライアント側では、DHCPクライアントの機能を使わずにIPアドレスなどを手動で設定します。具体的には「IPアドレスを自動的に取得する」というような項目を外し、除外設定で除外したIPアドレスの中から、任意のIPアドレスを端末に固定のアドレスとして設定します。
DHCPに関するよくある質問
DHCPやDHCPサーバに関する代表的なQ&Aを紹介します。Q&Aを見ると、DHCPの基礎知識をもう一度、確認できます。
質問①:クライアントに割り当てられたIPアドレスを確認する方法は?
Windows 10の場合
- デスクトップ画面の左下にあるスタートボタンを右クリック
- 「コントロールパネル」をクリック
- 「ネットワークの状態とタスクの表示」をクリック
- 「ローカルエリア接続(イーサネット)」をクリック
- 「詳細」をクリック
- 「ネットワーク接続の詳細」が表示されます。「IPv4 アドレス」に表示されている数字
(例えば、192.168.1.24)が、当該クライアントのIPアドレスです。
「IPv4 アドレス」が、「0.0.0.0」となっている場合は、IPアドレスが正常に割り当てられていません。
※上記は有線LAN接続の場合です。無線LAN接続の場合は、4が「ワイヤレスネットワーク接続(Wi-Fi)」となります。
MacOSの場合
- デスクトップ右上の「りんごマーク」から「システム環境設定」をクリック
- 「ネットワーク」をクリック
- 緑色の●印がついている「接続済み」のネットワークを選択
- 右下にある「詳細」をクリック
- 上のバーの「TCP/IP」をクリックすると、IPv4アドレスなどが表示されます。
質問②:一度割り当てられたIPアドレスはずっと変わらないのですか?
DHCPには「リース時間」が設けられています。リース時間とは、DHCPサーバがIPアドレスをクライアントに割り当てる時間のこと。デフォルトでは多くの場合、24時間になっています。
つまり一度割り当てられたIPアドレスは24時間経過すると、割り当てが終了し、別のIPアドレスが割り当てられます。ただし、クライアントが使用しているIPアドレスが変わってしまうと不都合が出るケースもあります。そのためDHCPサーバが一度クライアントに割り当てたIPアドレスはできるだけ変わらないようになっています。
リース時間以外では、クライアントは起動するたびにDHCPサーバからIPアドレスが割り当てられますが、この際もできるだけ同じIPアドレスが割り当てられるようになっています。
質問③:クライアントの大部分はDHCPでIPアドレスを割り当て、プリンターやNASなどはIPアドレスを固定することは可能ですか?
可能です。除外設定を行い、DHCPがクライアントに割り当てるIPアドレスから、固定して使いたいIPアドレスを除外し、それらをプリンターやNASの固定IPアドレスとして使用します。プリンターやNASはIPアドレスを自動で取得するのではなく、IPアドレスを手動で設定します。
質問④:DHCPサーバを複数接続するとどうなりますか?
基本的にDHCPサーバは1つのネットワークに1台しか設置できません。複数のDHCPサーバがあると、同じIPアドレスが別々のクライアントに重複して割り当てられるなど、ネットワークが正常に動かなくなります。
ネットワークにDHCP機能を備えたサーバを複数設置する場合は、最上位のサーバのDHCP機能だけを使い、他のサーバのDHCP機能は無効にしておきます。
質問⑤:DHCPサーバを冗長化することはできますか?
ネットワークの信頼性を高めるために、DHCPサーバを冗長化して運用することは可能です。ただし、クライアントに割り当てるIPアドレスが重複することのないよう工夫する必要があります。
つまり、2台のDHCPサーバを運用する場合は、それぞれのDHCPサーバが割り当てるIPアドレスの範囲を2つに分割し、重複しないようにします。クライアントは起動のタイミングなどによって、2台のDHCPサーバのどちらかからIPアドレスの情報を受け取ることになります。
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パナソニックEWネットワークスは、ネットワーク機器メーカ兼システムインテグレータで、マルチベンダの幅広い製品を取り扱うのが強みです。DHCPサーバやネットワークシステム構築に関するお問い合わせはこちら。
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DHCPはネットワーク利用の基本
DHCPは、企業におけるネットワーク利用の基本となる技術。決して複雑な技術ではありませんが、それだけにミスやトラブルが発生した際にも見逃されがちです。基本的な設定となるだけに、日常的な監視や定期的な見直しを怠らないことが大切です。