1.世界屈指のルドン・コレクションを誇る岐阜県美術館の所蔵品を中心に、国内外の作品により、ルドンの最初期から最晩年までの画業を紹介。
岐阜県美術館のルドン・コレクションは、世界でも傑出した高い質と量を誇ります。岐阜県美術館から出品される約80点の作品と、国内に所蔵される優品、さらにパリのオルセー美術館所蔵の油彩画と木炭画によって、本展は、ルドンの画業と芸術を初期から晩年まで余すところなく紹介します。
2.1890年代以降の色彩の時代のパステル画と油彩画がまとまって出品。
ルドンの作品といえば、異形のものたちが登場する黒色の暗い世界を想像する人も多いかもしれません。しかし、キャリアの後半は、肖像画、花の絵、神話画、 装飾画などを手がけ、より理解しやすい主題をパステルや油彩で色彩豊かに描きました。そうした作品には19世紀後半から20世紀初頭へと至るモダニズムの諸相と接しながら、独自の表現を見いだしていくルドンの姿がみてとれます。
3.《窓》が東京で初公開。また、石版画集『起源』が揃って展示される貴重な機会。
ルドンの晩年の主要な画題の一つである「ステンドグラス」を描いた《窓》(1906年頃)が、本展(東京)で初公開されます。また、ルドン流の進化論といわれる石版画集『起源』が9点揃って展示されます。
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《窓》
1906年頃 油彩/画布 69×50.3cm 岐阜県美術館
監修は、美術史家で東京都美術館館長の高橋明也氏。
19世紀フランス美術史を専門とする高橋明也氏は、ルドンに関する著作や論考を多く発表しています。 前職・三菱一号館美術館館長在職中には、ルドンの大作《グラン・ブーケ(大きな花束)》(1901年)を購入、 トゥールーズ=ロートレックやヴァロットンと並ぶ、同館のコレクションの中核に据えました。